メディア・リテラシーとセカンド・オピニオンの重要性を痛感した記事にぶつかりました。
まずは共同通信のこの見出しを見てください。
中国の総合国力、日本超す 外交卓越と政府系研究機関 (共同通信) - goo ニュース
これだけを見て、ゴウ先生、この政府系研究機関が日本ないしは第三国のものだと勝手に思ってしまいました。そして、そういう国際機関が日本よりも中国の方が国力が上だと判断したとも。
だって、そう読めるではありませんか!
ところが実際は違うのです。本文をどうぞ。
**********
2006年 1月 6日 (金) 17:54
【北京6日共同】中国政府直属のシンクタンク、中国社会科学院は6日までに「2006年-国際政治と安全保障」と題した報告書をまとめ、世界主要10カ国の総合国力を比べると、中国は日本を上回り世界6位になると発表した。中国は技術力や情報力などで劣るが、外交力や自然資源で日本を大きく引き離しているとしている。
報告書は軍事力、自然資源など9項目を比較して数値化。その結果、米国の総合国力は90・7ポイントで2位の英国(65・0ポイント)に大きく差をつけた。中国は6位で59・1ポイント、日本は7位で57・8ポイントだった。
3位はロシアで、フランス、ドイツが4、5位。8位以下にはカナダ、韓国、インドが並んだ。
中国が日本を上回ったのは人的資源、軍事力など5項目。特に外交力では同盟国数や国連の地位、近隣諸国との関係などを勘案し、中国の78・2ポイントに対し日本は66・6ポイントと分析。中国が外交成果に自信を深めていることをうかがわせている。
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読んでみると、何ということもありません。中国の政府お抱えシンクタンクが独断と偏見で決め付けた国力調査において、日本が中国の下になったというのにすぎないのでした。
しかし、どう見ても、共同通信らしく(?)、中国に肩入れした書き方となっています。
マスコミの報道を疑う理性的な目(=メディア・リテラシー)をもっていなかったら、見出しだけを見てとんでもない過ちをしでかしかねませんでした。
要は、このような中国共産党政府のちょうちん記事を、日本の通信社が報道するということが問題なのです。
そこで、実態が知りたくて、セカンド・オピニオンを探してみました。そしたら、西日本新聞にありました。
実際、あれほど左よりの西日本ですら、次のようなフェアな記事を掲載しているのです。まずは見出しをご覧ください。。
中国“自己採点”6位 社会科学院 「外交弱い」日本7位 総合国力 (西日本新聞) - goo ニュース
この見出しならば、共同通信のそれとは異なり、中国の「自己採点」という独りよがりだとひと目で分かります。読者をミスリードする心配はまずありません。
しかも「外交弱い」には「」がつけられていますから、客観的評価というよりも、中国側の勝手な解釈だとも判断できます。
このレベルのフェアな記事を書いてこそ、ジャーナリストというものでしょう。
事実、本文も分かりやすいものです。
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2006年 1月 7日 (土) 01:29
【北京6日傍示文昭】中国政府直属のシンクタンク・中国社会科学院は、世界各国の「総合国力」を比較した国際情勢最新報告を発表、中国の総合国力を日本(七位)をしのぐ六位にランクした。日本については外交や人的資源、軍事力の弱さを指摘している。
中国社会科学院は、二〇〇四年の実績を基に科学技術力、人的資源、軍事力、外交など九分野の力量を指数化して世界ランクを作成した。米国がいずれの分野でも他の国を圧倒し、総合一位。以下、上位十カ国は英国、ロシア、フランス、ドイツ、中国、日本、カナダ、韓国、インドの順となっている。
中国については、国内総生産(GDP)に占める研究開発(R&D)支出がわずか1・3%で、先進国平均の2・4%を大きく下回ったほか、大学進学率がインドより低い、と危機感を示した。
一方で、外交や人的資源、科学技術力の力量を高く評価するなど極めて中国に都合のいいランク付けとなっている。
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中国社会科学院が発表する中国語のレポートなど、ほとんどの日本人は読めません。となれば、それをきちんと公平に解釈してくれなければ、誤った認識を読者は持たざるを得ないのです。
その点、共同通信には反省を促したいものです。さもなければ、日本人の一般読者は何を信じてよいのか分からなくなってしまいますから。
まずは共同通信のこの見出しを見てください。
中国の総合国力、日本超す 外交卓越と政府系研究機関 (共同通信) - goo ニュース
これだけを見て、ゴウ先生、この政府系研究機関が日本ないしは第三国のものだと勝手に思ってしまいました。そして、そういう国際機関が日本よりも中国の方が国力が上だと判断したとも。
だって、そう読めるではありませんか!
ところが実際は違うのです。本文をどうぞ。
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2006年 1月 6日 (金) 17:54
【北京6日共同】中国政府直属のシンクタンク、中国社会科学院は6日までに「2006年-国際政治と安全保障」と題した報告書をまとめ、世界主要10カ国の総合国力を比べると、中国は日本を上回り世界6位になると発表した。中国は技術力や情報力などで劣るが、外交力や自然資源で日本を大きく引き離しているとしている。
報告書は軍事力、自然資源など9項目を比較して数値化。その結果、米国の総合国力は90・7ポイントで2位の英国(65・0ポイント)に大きく差をつけた。中国は6位で59・1ポイント、日本は7位で57・8ポイントだった。
3位はロシアで、フランス、ドイツが4、5位。8位以下にはカナダ、韓国、インドが並んだ。
中国が日本を上回ったのは人的資源、軍事力など5項目。特に外交力では同盟国数や国連の地位、近隣諸国との関係などを勘案し、中国の78・2ポイントに対し日本は66・6ポイントと分析。中国が外交成果に自信を深めていることをうかがわせている。
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読んでみると、何ということもありません。中国の政府お抱えシンクタンクが独断と偏見で決め付けた国力調査において、日本が中国の下になったというのにすぎないのでした。
しかし、どう見ても、共同通信らしく(?)、中国に肩入れした書き方となっています。
マスコミの報道を疑う理性的な目(=メディア・リテラシー)をもっていなかったら、見出しだけを見てとんでもない過ちをしでかしかねませんでした。
要は、このような中国共産党政府のちょうちん記事を、日本の通信社が報道するということが問題なのです。
そこで、実態が知りたくて、セカンド・オピニオンを探してみました。そしたら、西日本新聞にありました。
実際、あれほど左よりの西日本ですら、次のようなフェアな記事を掲載しているのです。まずは見出しをご覧ください。。
中国“自己採点”6位 社会科学院 「外交弱い」日本7位 総合国力 (西日本新聞) - goo ニュース
この見出しならば、共同通信のそれとは異なり、中国の「自己採点」という独りよがりだとひと目で分かります。読者をミスリードする心配はまずありません。
しかも「外交弱い」には「」がつけられていますから、客観的評価というよりも、中国側の勝手な解釈だとも判断できます。
このレベルのフェアな記事を書いてこそ、ジャーナリストというものでしょう。
事実、本文も分かりやすいものです。
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2006年 1月 7日 (土) 01:29
【北京6日傍示文昭】中国政府直属のシンクタンク・中国社会科学院は、世界各国の「総合国力」を比較した国際情勢最新報告を発表、中国の総合国力を日本(七位)をしのぐ六位にランクした。日本については外交や人的資源、軍事力の弱さを指摘している。
中国社会科学院は、二〇〇四年の実績を基に科学技術力、人的資源、軍事力、外交など九分野の力量を指数化して世界ランクを作成した。米国がいずれの分野でも他の国を圧倒し、総合一位。以下、上位十カ国は英国、ロシア、フランス、ドイツ、中国、日本、カナダ、韓国、インドの順となっている。
中国については、国内総生産(GDP)に占める研究開発(R&D)支出がわずか1・3%で、先進国平均の2・4%を大きく下回ったほか、大学進学率がインドより低い、と危機感を示した。
一方で、外交や人的資源、科学技術力の力量を高く評価するなど極めて中国に都合のいいランク付けとなっている。
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中国社会科学院が発表する中国語のレポートなど、ほとんどの日本人は読めません。となれば、それをきちんと公平に解釈してくれなければ、誤った認識を読者は持たざるを得ないのです。
その点、共同通信には反省を促したいものです。さもなければ、日本人の一般読者は何を信じてよいのか分からなくなってしまいますから。
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