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2010年度イグ・ノーベル賞発表

2010年10月05日 06時07分58秒 | 時事放談: 海外編
本年度のイグ・ノーベル賞が発表になりました。記録しておきましょう。

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2010年度イグ・ノーベル賞発表(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース

2010年10月4日(月)19:55

 ユニークな科学研究に与えられるイグ・ノーベル賞の2010年度授賞式が9月30日、ハーバード大学サンダーズシアターで開かれた。クジラの“鼻水”の画期的な採取方法、罵倒による痛みの緩和などユーモアあふれた研究が今年もこの賞に輝いた。日本人研究者も昨年に続き受賞している。

 科学誌「Annals of Improbable Research」とハーバード大学の学生グループが主催するこの賞は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる」研究に対して贈られる。第20回にあたる今年度の受賞研究は次のとおり。

◆ラジコンヘリでクジラの鼻水を収集:工学賞

 工学賞を受賞したのは、遠隔操作型のヘリコプターでクジラの“鼻水”を収集できることを証明したメキシコ国立工科大学の研究チーム。同チームは、クジラの鼻孔から吹き上げられる潮を調べることにより、年齢、種類、健康状態などを調査している。

 だが世界最大級の哺乳類であるクジラに触れずに潮を採取することは困難とされていた。 そこでチームは、非侵襲的な(痛みや危険を伴わない)画期的方法を実現した。ボートから全長約1メートルのラジコンヘリをクジラの上に飛ばして、ヘリに取り付けたシャーレで潮の採取に成功。クジラはヘリに気づいていたが、普段と変わらない様子だったという。

◆罵倒が鎮痛剤?:平和賞

 平和賞に輝いたのは、呪いや罵りの言葉を吐くと痛みが和らぐことを証明したイギリス、キール大学の研究チーム。

 氷水に一定の時間以上、手を浸す対照実験を行ったところ、罵倒し続ける被験者は、何も言わない被験者よりも約50%長く痛みに耐えることができた。心拍数も上がり疼痛知覚が低下したのは、脅威の感受性を低下させる闘争逃走反応が働いたと推測される。

 ただし追跡調査では、穏やかな人の方が大きく痛みが軽減するとも明らかになった。普段から罵り倒すクセの人にはほとんど効果が得られず、役に立たないので注意が必要だ。

◆水と油は混ざる:化学賞

 化学賞が贈られたのは、メキシコ湾原油流出事故を起こしたイギリス石油会社BPと、マサチューセッツ工科大学(MIT)、テキサスA&M大学、ハワイ大学の研究チーム。油と水は混ざらないという古い定説の間違いを証明した。

「もし海が静止していたなら、メキシコ湾に流出した原油はすぐ海面に浮かび上がり、海水と混ざることはなかっただろう」と、テキサスA&M大学のスコット・スコロフスキー(Scott Socolofsky)氏は説明する。「だが実験に加え実際の現地調査でも、海には海流があり海水の密度分布も一様ではないと判明した。結果、原油が微細な粒子となって拡散し、プルームという層が海中に形成されている」。

「原油が海水と混じり、海中に留まっていれば、微生物による分解が進みやすい。海面や海岸の野生生物への被害を防ぐことができるという利点もある」と同氏は付け加えている。

◆ジェットコースターで喘息が改善:医学賞

 ジェットコースターが喘息治療に効果的であることを発見した、オランダのアムステルダム大学の研究チームに医学賞が贈られた。「ジェットコースターに乗る前は、不安などの否定的な気持ちを感じて息苦しくなる。喘息患者でなくてもそうだ」と同大学のサイモン・リートフェルト氏は言う。「だが、乗った後は興奮や高揚感などの肯定的な感情で楽になる。喘息患者にも同じ効果が見られた」。

◆研究者はあごひげに要注意:公衆衛生賞

 公衆衛生賞を勝ち取ったのは、研究者のあごひげに微生物が付着することを実証したアメリカ、メリーランド州フォート・デトリックにある労働安全衛生機関の研究チーム。研究施設で微生物に汚染された場合、顔を規則通りに洗浄してもひげの微生物は死滅しにくいため、特に注意が必要だと警鐘を鳴らした。

◆粘菌が交通網を整備?:交通計画賞

 公立はこだて未来大学の中垣俊之教授らが率いる日本とハンガリーの共同研究チームが、粘菌が最適な鉄道網を設計できることを証明して交通計画賞に輝いた。同チームは2008年にも粘菌に迷路を解かせる研究で認知科学賞を受賞しており、2度目のイグ・ノーベル賞受賞となる。

 東京都近郊を描いた地図上で培養された粘菌は、各都市にあたる場所にエサを配置すると細長く伸びてネットワークを効率的に形成し、その様子は東京の交通網そのものだったという。

◆氷上では靴下を:物理学賞

 靴やブーツの上から靴下を履くと氷上で転びにくくなることを証明した、ニュージーランドのオタゴ大学の研究チームが物理学賞を受賞した。

「一部の“進取の気性に富んだ”人たちは凍結した道路を歩く際、靴の上から靴下を履くという慣習を実践していた」と同大学のリアンネ・パーキン氏は述べる。この慣習を科学的に検証することで、多くの笑いを誘い、考えさせることができたようだ。

◆ランダムに昇進させよう:経営学賞

 経営学賞は、従業員の昇進を成果主義ではなくランダムに行う方が、より効率的な組織にできることをコンピューターモデルで証明したイタリア、カターニア大学の研究チームに授与された。

「これまでの仕事がうまくいったからといって、昇進後はどうなるかわからない。だから、ランダムに昇進させる方が組織全体の効率が上がる確率が高くなるというわけだ」と研究チームはこの結果を分析する。

◆オオコウモリのつがい行動:生物学賞

 生物学賞を受賞したのは、オオコウモリがヒト同様にフェラチオを行っている事実を明らかにしたイギリスのブリストル大学と中国の共同研究チーム。

 行動の正確な理由はわかっていないが、メスの唾液がバクテリアを殺す作用を持つ、交尾時間が長くなり成功率が上がるなどが考えられるという。

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オオコウモリがフェラチオを行っているというのには笑わせてもらいましたが、昨年から比べればイマイチ。

何せ昨年は、防毒マスクになるブラジャーが発表されましたから(笑)。昨年度の受賞研究も載せておきましょう。

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2009年度イグ・ノーベル賞の顔ぶれ
Brian Handwerk
for National Geographic News

October 2, 2009

 風変わりな研究に対して与えられるイグ・ノーベル賞の第19回受賞者を称える授賞式が10月1日、アメリカのハーバード大学で開催された。テロ発生時に人命を救うブラジャー、テキーラから作るダイヤモンド、パンダの排泄物を利用したゴミ削減策など、ユーモアあふれた研究内容は今年も多岐にわたっている。

ガスマスク・ブラ:公衆衛生賞

 公衆衛生賞を受賞したエレナ・N・ボドナー氏率いる研究チームは、緊急時にガスマスクとして使用できるファッショナブルなブラジャーを開発した。2つのカップがマスクに早変わりする方式で、粒子捕集効率の高いHEPAフィルターを採用している。

「ブラとしても25秒で着用できるが、緊急時にマスクとして使う場合は1つ5秒で装着できる。余ったもう片方は、たった20秒でラッキーな男性の命を救うことになる」とボドナー氏は話している。

 滑稽な発明だと思うかもしれないが、本人はいたってまじめである。ウクライナ人のボドナー氏が医学生だった1986年当時、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で大事故が発生した。そのときに被害者を助けた経験がこの発明の原点だという。

◆ウシに優しく:獣医学賞

 獣医学賞を受賞したのはイギリスにあるニューカッスル大学の研究チーム。名前を付けて育てた牛の方が、名無しの牛より乳の出が良くなることを証明した。

 研究に参加した家畜生産学者のピーター・ロウリンソン氏は次のように解説する。「名前を付ければ愛着が増し、手間を惜しまず世話をするようになる。ウシのストレスが軽減し、乳の出も良くなるというわけだ。実際、1頭に付き1日当たり1リットルほど増えることが確認されており、これだけ増えれば酪農家も助かるだろう」。

◆ビール瓶の乱闘:平和賞

 平和賞を受賞したスイスにあるベルン大学のステファン・ボーリガー氏らの研究チームは、ビール瓶で頭部を殴打した場合、実際にはどれほどのダメージがあるのか空き瓶と中身の詰まった瓶で比較調査した。

 法医学の専門家であるボーリガー氏は、酒場のケンカでビール瓶が与えるダメージの程度について、何度も法廷で意見を求められたという。調査の結果、ハリウッド映画の乱闘シーンよりはるかに深刻なダメージを与えることが明らかになった。空瓶かどうかに関係なく、ビール瓶で頭部を殴れば頭蓋骨が骨折する可能性があるという。

◆テキーラからダイヤモンド:化学賞

 メキシコ国立自治大学に在籍するミゲル・アパティガ氏らの研究チームは、テキーラからダイヤモンドを作ることに成功し、化学賞を受賞した。

 低コスト生産が可能で、原料のテキーラも安物で十分だという。ただし、テキーラが変身するのは光学機器や電子機器の生産などで使われる極小のダイヤモンド薄膜で、ダイヤモンドの指輪ができるわけではない。

◆銀行の膨張と関節鳴らし:経済学賞、医学賞

 経済学賞はアイスランドの4つの銀行の重役たちに贈られた。彼らは小さな国の小銀行が国際的なメガバンクへと急成長できること、そしてその逆もあり得ることを証明した。また、国家経済でも同じ理論が当てはまることを実証し、それも評価の対象となった。

 医学賞はアメリカ、カリフォルニア州在住のドナルド・L・アンガー氏に贈られた。関節を鳴らすことで関節炎が生じるのか、60年かけて究明した功績が高く評価された。アンガー氏は左手の指関節を60年間毎日鳴らし続けたが、右手の指関節は1度も鳴らさなかった。いまだどちらの手にも関節炎の症状は出ていないという。

◆妊婦のバランス感覚:物理学賞

 妊婦はなぜひっくり返らないのか。キャサリン・K・ウィットカム氏らの研究チームはこの昔からの疑問に答えを出し、物理学賞を受賞した。

 女性は3つの腰椎がくさび形に進化しているため、体重のかけ方を変えてバランスを維持できるのだという。一方、男性にはくさび形の腰椎は2つしかない。男性の体が出産に向いていない理由は多々あるが、これもその1つである。

◆違反切符、パンダの排泄物、etc.:文学賞、数学賞、生物学賞

 アイルランドの警察は“1人”のポーランド人“プラヴォ・ヤズディ(Prawo Jazdy)”に対し50回以上違反切符を書き続け、文学賞を受賞した。ポーランド発行の運転免許証には「運転免許証」を意味するポーランド語「PRAWO JAZDY」が冒頭に表記されているが、取り締まりに当たったアイルランドの警察官はこれを個人名と誤認し、ポーランド出身の人物が違反すれば誰でもプラヴォ・ヤズディ名で登録し続けたのである。アイルランド警察が真相に気付いたときには、この勘違いが50回を超えていた。

 数学賞は、独創的な通貨を採用したジンバブエ準備銀行(中央銀行)の頭取ギデオン・ゴノ氏に贈られた。同氏は1セント~100兆ジンバブエドルという額面が非常に幅広い銀行券を発行して、国民の計算能力を世界トップレベル(推定)に押し上げた。

 最後の1つ生物学賞は、北里大学大学院医療系研究科の微生物学者、田口文章氏率いる研究チ―ムが受賞した。同氏らはジャイアントパンダの排泄物を利用して台所の生ゴミを削減する画期的な方法を編み出した。

 田口氏によると、パンダはその愛らしい見た目からは想像できないほど大量の糞(ふん)を排泄するが、その糞には生ゴミを分解する菌が豊富に含まれているという。しかも、排泄されるのはほとんどが未消化の笹であるため悪臭もない。

「悪臭で実験が難航せず良かった」と同氏は話している。

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ああ、楽しい。こんな研究ばかりだったら、世界は平和なんですけどね。

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