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「証拠より論」の時代の終焉を願う

2014年04月20日 06時20分05秒 | 時事放談: 国内編

野口英世の部分は中途半端ながら、後半はまさしくその通りといいたくなります。山本夏彦、さすがです。

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野口英世の誠実さとSTAP細胞 「証拠より論」の時代なのか(産経新聞) - goo ニュース

2014年4月19日(土)20:03

 野口英世(1876~1928年)が黄熱病の研究に携わったのは米ロックフェラー財団の依頼によってだった。中南米で猛威を振るう黄熱病の撲滅のため、梅毒の病原体スピロヘータの純粋培養に成功したとしてノーベル賞候補になった野口に白羽の矢を立てた。

 1918年、エクアドルに赴いた野口は、わずか2カ月余りの滞在で黄熱病の病原菌を突き止めたと発表した。欧米の新聞は「世界の恐怖、黄熱ついに征服される」と報じた。

  だが、野口自身は内心忸怩(じくじ)たるものがあった。友人に「自分がまだ出してはいけないと思っていることでも、研究所が急いで発表してしまうことがあ る。現に黄熱病などの発表でも、自分ではまだ満足いっていないのだが、世間はそれを確定したものとして称賛してくれる」と打ち明けている。

 学界でも異論があった。野口はアフリカで研究を続けたが、自ら開発したワクチンが効かず、黄熱病に感染して亡くなった。後に細菌ではなくウイルスが病原体とわかり、野口の研究は否定された。

 STAP細胞をめぐる騒動で、以前、連載で取り上げた野口英世を思い出した。事案が似ていると言いたいわけではないが、研究者としての野口の誠実さを感じる。

 最大の関心事であるSTAP細胞が本当に「ある」のか「ない」のかは、まだ藪(やぶ)の中だ。

 小保方(おぼかた)晴子さんは「STAP細胞はあります」「200回以上、作製に成功した」と主張する。共著者の笹井芳樹氏は「論文の撤回が適切」としながらも、「STAPを前提にしないと容易に説明できない現象がある。検証する価値がある有力な仮説」と述べた。

 科学の世界は「論より証拠」。STAP細胞の存在はいずれ解明されると信じる。一方で、不正の有無も「論より証拠」で判断すべきだろう。

  理化学研究所は小保方さんらの論文の疑問点を調査し、「実験結果を示す重要な画像に捏造(ねつぞう)と改竄(かいざん)があった」と不正を認定した。対し て、小保方さんは「悪意のない間違いは不正にあたらない」と不服を申し立てた。記者会見で、「不注意、不勉強、未熟さ」と涙を浮かべた小保方さんへの同情 も少なくない。

 「今は証拠より論の時代である」と喝破したのは辛口のコラムニストとして知られた山本夏彦さんである。一文を紹介すると-。

 「南京に大虐殺があったという派となかったという派が争っている。南京の人口は二十万人である。三十万人殺せるわけがない。いかなる証拠をあげても大虐殺なかった派はあった派を降参させることはできない」(「問答は無用である」から)

 慰安婦の「強制連行」もしかり。さらには尖閣諸島や竹島を、日本の領土である歴史的な証拠があるにもかかわらず、中国、韓国は自国のものと言い張ってはばからない

 まことに「証拠より論」が大手を振る時代である。

 泉下の山本さんの「それ見たことか」という顔が目に浮かぶが、このままでは「いろはかるた」も作り替えなければならなくなる。(論説委員・鹿間孝一)

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「論より証拠」が復活する日が早く来ることを願ってやみません。


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