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中村吉右衛門・自分史12:秀山祭10年目

2017年07月28日 05時51分21秒 | 歌舞伎

9月の秀山祭、とっても楽しみです。

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(語る 人生の贈りもの)中村吉右衛門:12 「秀山祭」10回目、芸を後世に
朝日新聞 2017年7月26日05時00分

歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」の「ひらかな盛衰記 逆櫓」で「船頭松右衛門実は樋口次郎兼光」をつとめる=鍋島徳恭氏撮影

 ■歌舞伎俳優・中村吉右衛門

 《初代吉右衛門の功績を顕彰し、芸を継承することを目的にして、2006年から初代が亡くなった9月に東京・歌舞伎座で「秀山祭(しゅうざんさい)」を続けている。秀山は初代の俳名で、ゆかりの演目を上演している》

 ぼくに男の子がいて、三代目がいれば考えなかったかもしれないけれど、幸か不幸かおりませんので、ぼくで終わってしまうのが申し訳ないなと、常に思っていました。

 江戸時代から名優が切磋琢磨(せっさたくま)してきた歌舞伎を、舞台芸術としてより良いものにしたのが初代吉右衛門。忘れられてしまうのは寂しい。お陰様で「秀山祭」は今年で10回目を迎えることになりました。9月に「極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)」と「ひらかな盛衰記 逆櫓(さかろ)」を上演します。初代の名前を冠した興行は永久に続いてほしいです。

 《14年、国立劇場で敵討ち物の名作「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」の「岡崎」の場を44年ぶりに復活させた。吉右衛門がつとめた主人公の剣豪唐木政右衛門(からきまさえもん)は初代の当たり役。「読売演劇大賞」大賞・最優秀作品賞を受賞、今春再演された》

 「岡崎」では、上演を見て実況風に書かれた「見たまま」という資料や写真が参考になりました。初代が使った「書き抜き」(台本から自分のセリフだけを抜き出したもの)には、赤で手を入れた跡が残っていました。

 こういうふうにセリフを直すとか、カットするとか、動きもちょっと書いてあったりしたので参考にしましたね。その通りにやれているかはわかりませんが、それに基づいて最初の役作りをしました。

 新しい歌舞伎を作り上げるのもいいですが、しばらく上演されてこなかった古典の作品の中にも、面白い作品もあります。それを見直して工夫することが、取り組むべき方法の一つだと思っています。

 作品自体がつまらなくて絶えてしまうのは仕方がないですが、人間がよく描けているにもかかわらず、いろいろな条件で出来ないのは残念なことですから。(聞き手 山根由起子)

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『岡崎』は、傑作でした。2014年に観て、今年の再演も観ました。唐木政右衛門は、忠義のために、子供を殺してしまう役です。中村雀右衛門演じる妻の哀れさとそれを見て見ぬふりをして子殺しを敢行する政右衛門の切なさに、涙が溢れました。

今年の秀山祭では、吉右衛門は、昼の部の『幡随院長兵衛』では、市川染五郎の水野十郎左衛門に対立する幡随院長兵衛を、夜の部の『逆櫓』では、樋口次郎兼光を演じます。絶対に観に行きます。

吉右衛門が守り続けている「伝統歌舞伎」。いつまでも栄えていてほしいものです。


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