明けましておめでとうございます
本年も、どうぞよろしくお願いします。
さて、2016年最初の記事は、理化学研究所の快挙についてです。記録しておきましょう。
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113番元素、日本に命名権=理研など人工合成、発見―国際学会が認定
理化学研究所は31日、加速器で人工合成に成功した原子番号113番の新元素について、国際純正・応用化学連合(IUPAC)に発見者として命名権を認められたと発表した。元素の周期表に載ることになり、アジアで初めての快挙。
実験を主導した理研の森田浩介グループディレクター(九州大教授兼任)は同日記者会見し、「これから科学を勉強しようという若い人が心の高まりを覚えるのではないか。理科嫌いが減れば、日本の国力にとっても意義は大きい」と述べた。
113番元素は、周期表ではホウ素やアルミニウムなどと同じ13族。森田グループディレクターらは2003年から、亜鉛(原子番号=陽子数30)の原子核を加速してビスマス(同83)の標的に衝突させ、完全融合させる実験を始めた。
04年と05年、12年に1個ずつ、計3個の合成に成功。このうち3個目は、合成できた直後にヘリウム(同2)原子核を放出するアルファ崩壊を6回繰り返し、メンデレビウム(同101)まで6種類の元素に次々に変わる過程を観測できたため、成功が確実となっていた。
ロシアのフレロフ核反応研究所と米ローレンス・リバモア研究所などの共同研究グループも別の方法で113番を含む四つの新元素を合成したと主張。このうち115、117、118番の三つの新元素は米ロのグループに命名権が認められたが、113番元素は連鎖的に既知の元素に至る過程を観測できず、理研に軍配が上がった。
日本人による新元素発見の試みは、以前にもあった。東北帝国大(現東北大)学長を務めた小川正孝博士が1908年に鉱物から43番元素を発見したと発表。「ニッポニウム」と命名したが、別の元素と判明して幻に終わった。
今回、理研関係者は113番元素を「日本にちなむ名前にしたい」と話している。IUPACと国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)への提案、審査を経て約1年後に決まる見込み。
113番元素は合成後の寿命が1秒より大幅に短く、産業利用できるわけではないが、新元素の研究により化学の基礎的な仕組みの解明が進むと期待される。理研グループには東北大や山形大、筑波大、東京大、新潟大、日本原子力研究開発機構などの研究者も参加した。
新元素「113番」、理研に命名権 「ジャポニウム」有力 国際機関が決定
理化学研究所が合成した原子番号113番の元素が新元素と国際的に認定され、理研が命名権を獲得したことが31日、分かった。理研が同日午後5時から記者会見して正式に発表する。日本で発見された元素の名前が周期表に初めて刻まれる歴史的な快挙となった。
理研によると、研究チームの森田浩介グループディレクター(九州大教授)に対し31日、新元素を認定する国際純正・応用化学連合(IUPAC)から認定の通知があった。
新元素の名称と元素記号を提案する権利は発見チームに与えられる。発見を争ったロシアと米国の共同研究チームを退けての権利獲得で、日本の科学史に残る大きな成果となった。新元素の名称は日本にちなんだ「ジャポニウム」が有力とみられる。
元素は物質を構成する基本的な粒子である原子の種類のこと。未確定を含め118番まで見つかっており、米露などが国の威信をかけて発見を競ってきた。アジアによる新元素の発見は初めて。
理研は平成16年9月、森田氏らが加速器を使って30番の亜鉛を83番のビスマスに高速で衝突させ、核融合反応により113番の元素合成に成功したと発表。24年までに計3個の合成を高い信頼性で確認した。
一方、露米チームは2004(平成16)年2月以降、露ドブナ合同原子核研究所で別の手法により合成したと発表。理研と比べ時期はやや早く、作った個数は圧倒的に多かったが、113番元素であることの裏付けが不十分と判断されたもようだ。
「周期表に新しい席」=森田さん、笑顔で記者会見―113番元素
原子番号113番の新たな元素の命名権が国際純正・応用化学連合(IUPAC)から認められたことを受け、研究を主導した理化学研究所の森田浩介グループディレクターらが31日、記者会見し、「科学の基礎となる元素周期表に新しい座席を占めることができた。科学への関心を惹起(じゃっき)することができ、意義は大きい」と笑顔を見せた。
森田さんによると、IUPACからメールが入ったのが31日午前5時すぎ。「ほんまかいな、と文面を読んだら、確かに本物でうれしかった」と言い、「共同研究者に知らせようと電話をしたが、朝早過ぎて通じなかった」と笑いを誘った。
113番元素合成の実験を始めたのは2003年。来る日も来る日も原子核ビームを衝突させ、その回数は12年までに100兆回を超えた。この間、113番元素の合成を確認できたのはわずか3回。「来ないもんだ、と心理的な耐性はできていた」と苦笑しつつも、「間違っていないと信じて淡々とやっていたが、実験をたくさんやってもイベントが拾えないと、時には疑心暗鬼になった」と振り返った。
森田さんらのチームは、今後半年以内に新元素の名称を提案し、IUPACに認められれば正式名称として元素周期表に掲載される。新たな元素名の候補については「共同研究者と議論をして考えたい」とするのみで、一切明かさなかった。
「私はプロジェクトの旗振り役だが、実際には大勢の研究者と共にやってきた。真摯(しんし)に実験に取り組んでくれた共同研究者にまず感謝の言葉を言いたい」。記者会見の終わりに、会見場に呼んだ仲間を自ら紹介すると、拍手で喜びを分かちあった。
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10年会で100兆回の挑戦!
驚きの粘りです。しかも、その間合成を確認したのは、3回だけ。この心理的タフネスぶりは、新年にあたって見習うべきものがあると肝に銘じました。やっぱりあきらめてはアカンのです。
小保方事件以来、風当たりの強い理研ですが、森田先生のようなまともな研究者もいるわけで、日本の威信をかけてがんばってほしいものです。
それにしても、元素周期表に「ジャポニウム」(仮称)が載るというのは、日本人として誇らしい限りです。
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