以下引用 読売新聞 2016年04月26日 http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160426-OYO1T50014.html
得条件の緩和後、全国初
重度の聴覚障害がある京都府大山崎町の会社員村上達也さん(36)が、バスを運転できる大型第2種免許の取得条件が緩和されてから全国で初めて免許を取った。改正道路交通法施行規則が施行された今月1日の試験で一発合格した。幼い頃からの夢だった路線バスの運転手を目指すという。(三島浩樹)
村上さんは生後6か月頃、百日ぜきが原因で聴力が低下した。聴覚障害2級と認定され、補聴器がないと音はほとんど聞こえず、会話も困難だ。
幼少期の楽しみは、当時住んでいた京都市内で市バスに乗ることだった。最前列の席に座って、大きな車体を自在に操る運転手に見入り、「いつか運転してみたい」と思った。
中学生のとき、父親から「聴覚障害者はバスの運転手になれない」と聞いた。専門学校に進んで電子部品メーカーに就職したが、憧れは消えず、休日には、結婚後に転居した大山崎町から京都市に通い、市バスの写真を撮り続けた。
転機は昨秋だった。普通免許は持っていたが、警察庁が第2種免許について道交法施行規則の改正案をまとめたとニュースで知った。従来は補聴器を使わず一定の音が聞こえることが条件だったが、補聴器をつけて聞こえれば可能になるという。
村上さんは今春の改正規則施行に向け、複数の自動車教習所に申し込んだが、「受け入れ態勢が整っていない」と断られた。京都府公安委員会にメールで訴え、昨年12月、京都市内の教習所に入ることができた。
初の技能教習でバスの運転席に座ったときは感極まって涙が出た。大きなハンドル、座席から伝わる振動に、喜びを抑えきれなかった。教習所も専属の職員を置き、筆談で学科内容を教えるなどサポートした。
免許証を手にした村上さんは今月上旬、京都市西京区の市バス営業所を訪ねた。子どもの頃に乗った旧式バスが保存されており、「やっとここまで来たぞ」と〈報告〉した。
市バスに乗務するには転職する必要があり、運転手の採用年齢(39歳以下)もあと3年に迫る。日常会話が難しいというハードルもあるが、村上さんは「絶対にあきらめない。他の障害者のためにも夢をかなえたい」と話す。
京都市交通局は「障害者の社会進出を支援する観点からも採用が可能かどうか協議したい」としている。
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小さいときからの夢をかねえて良かったですね。おめでとうございます。
これからは厳しいなことがあるかもしれませんが、頑張ってほしいと思います。