倉橋由美子訳の「星の王子様」が大人視点ということで読んでみたい、そのためにはまず正統な(?)「星の王子様」を読まなくてはと思っていてのびのびになっています。
自分の中で勝手にイメージを作り苦手な女流であってもこのおばさんの書くものはイケるかもしれないと思ったりしていたわけです。
BOOKOFFの100円コーナーで見つけて購入
童話の残酷さを前面にリメイクというジャンルの走りですね。
あとがきで著書がG・K・チェスタトンの理論を用いて現代の小説のつまらない理由を説き、お伽噺にはきちんとした法律・理論があるとしているのが興味深いです。
それぞれの話に「教訓」が付いています。最初、それはちょっと余計な事なんじゃないかと思いますが、その教訓が格好のスパイスになりブラック度エロ度を増す効果を上げています。
さて、やはりエロ度の強い話が面白い。
巻頭の「人魚の涙」「一寸法師」「白雪姫」なんて、題材としてはいろいろなところでエロティックに解釈されているわけだけれどもなかなか意表を突く展開とエロで気に入ってしまう。
好きだったのは「鬼女の島」
元は①宇治拾遺物語 九十一 「僧伽多行羅刹国事」、②今昔物語巻第五 「僧迦羅・五百商人、共至羅刹国語第一」
これなどは大人のファンタジーとして映像化してもらいたい。
他の作品と一緒にオムニバスにしても面白そうだけど、ダメでしょうか。
他にもF・カフカの「変身」にイギリス昔話「カメの遠足」を加えた「虫になったザムザの話」なんてのまであります。ザムザの口調が可愛いだけにブラック。
一編、一編は短いお話なので一気に通読も良いけど、時間の合間に少しづつ楽しむ読み方が良い。私は2ヶ月弱かけて読みました。
倉橋由美子は旧仮名使いで書く方なので、それも読んでいて気持ち良いです。
自分の中で勝手にイメージを作り苦手な女流であってもこのおばさんの書くものはイケるかもしれないと思ったりしていたわけです。
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童話の残酷さを前面にリメイクというジャンルの走りですね。
あとがきで著書がG・K・チェスタトンの理論を用いて現代の小説のつまらない理由を説き、お伽噺にはきちんとした法律・理論があるとしているのが興味深いです。
それぞれの話に「教訓」が付いています。最初、それはちょっと余計な事なんじゃないかと思いますが、その教訓が格好のスパイスになりブラック度エロ度を増す効果を上げています。
さて、やはりエロ度の強い話が面白い。
巻頭の「人魚の涙」「一寸法師」「白雪姫」なんて、題材としてはいろいろなところでエロティックに解釈されているわけだけれどもなかなか意表を突く展開とエロで気に入ってしまう。
好きだったのは「鬼女の島」
元は①宇治拾遺物語 九十一 「僧伽多行羅刹国事」、②今昔物語巻第五 「僧迦羅・五百商人、共至羅刹国語第一」
これなどは大人のファンタジーとして映像化してもらいたい。
他の作品と一緒にオムニバスにしても面白そうだけど、ダメでしょうか。
他にもF・カフカの「変身」にイギリス昔話「カメの遠足」を加えた「虫になったザムザの話」なんてのまであります。ザムザの口調が可愛いだけにブラック。
一編、一編は短いお話なので一気に通読も良いけど、時間の合間に少しづつ楽しむ読み方が良い。私は2ヶ月弱かけて読みました。
倉橋由美子は旧仮名使いで書く方なので、それも読んでいて気持ち良いです。
倉橋 由美子 / 新潮社(1984/01)
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