JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

半村良 「石の血脈」

2007-04-13 | BOOK
古い本を整理していたら積読のままの物が幾つか出てきた。
半村良の「石の血脈」を読んでみる事にした。
角川文庫のリバイバル・コレクション エンタテインメントベスト20('60~'80)
というシリーズの物。

筒井康隆に心酔していたものの実はSFあまり読んでません。
小松左京も星新一も眉村卓もこの半村良もほとんど読んでません。
「石の血脈」は何回かチャレンジしたけど、すぐ他の本に目移りして積読になっていました。

SF伝奇ロマンの最高傑作とかいうけど、確かにスケールがでかいし、あらゆる要素が楽しめる荒唐無稽伝奇には間違いない。
けれど、これは好みの問題なのでしょうが古代の宗教儀式、伝説。巨石信仰だの吸血鬼だの犬神説話だの、狼男だの、アトランティス、暗殺教団だのと言われると引いてしまう。まぁこれが特撮映画かなんかだったら楽しめるんだろうけど・・・
読者に伝説、由来を理解させるために、それらの知識豊富な登場人物にしゃべらすのだが、どうにも説明的になって眠くなる。
そんなわけで、今回かなり読了に時間かかってしまった。

いろんな要素のある作品で、中でもポルノ性がかなり強い。
描写は伝奇ロマンの域で留まるけれど書いてい事柄はSM小説。いや、下手なSM小説以上でしょう。

媚薬を使って超人に引き入れ石化の前に酒池肉林を繰り広げる。
この陰謀がどのように決着を付けるのか、後半はかなり引き込まれて読み進んだ。
主人公格の隅田。その友人の会沢が最後に訴える啖呵はなかなか良い。良いというより滑稽さも伴う。
超人として人間には計り知れない性の快楽を得て性の開放感を楽しんだ後に化石人間となり、数千年後に蘇って不死を得る。
不死の資格を持つために人間は激しい闘いを繰り広げると言うが・・・
死は確かに恐ろしいけれど、不死はもっともっと恐ろしい事だと思ってしまうのでした。

ケルビム:(ラテン)旧約聖書で、神殿に仕える天使。四枚の翼をもつ人、獅子、牛などの姿で描かれる。智天使(大辞林)
キリスト教・ユダヤ教で、知識をつかさどる天使。九天使の第二位にあたる。(大辞泉)
ウルトラマンメビウスに同名の怪獣登場。



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