JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「嗤う伊右衛門 」

2007-01-22 | 映画(DVD)
ビジネスホテルで深夜に有料TV鑑賞・・・睡眠不足になるわな。

2年ほど前に京極夏彦初体験で「嗤う伊右衛門」を読み、いたく感心したものだが、その後京極夏彦には手を出していない。ブ厚いんだもの・・・

その作品を蜷川幸雄が映画化という事で、いつかレンタルして観ようと思っておりましたが、なかなか家で鑑賞する時間が無さそうなので、これを機会に・・・

記憶がかなり薄れてしまっていましたが、これは以外と原作に忠実だったのでは無いでしょうか。
あぁ、そうだそうだと思い出し確認しながら観るってのも何ですが・・・

映像での色使いとかも面白かったし、何だか演劇っぽかった。
小雪という人が岩役ですが、恐ろしいまでの美しさという意味では適役でしょうか。
街中を歩く左横顔の岩の美しさ、正面に回っての疱瘡の後、眼までも白く濁り・・・迫力です。

唐沢寿明は印象としてボンボン的で伊右衛門役はどうなのかと思っていましたが、これは当方の認識不足だったようです。

又一(香川照之)と宅悦(六平直政)のコンビも良いし、伊藤喜兵衛(椎名桔平)の悪役ぶりも以外とピッタリ。

又一が岩の前に現れる場面、ふすま貼りをしている伊右衛門と岩の口論、又一の母との関係、直助(池内博之)の妹への愛。ラスト間際の伊右衛門の狂気には軽くスプラッタも見せます。ところが原作からの飛躍はあまりないように思えました。
そうなると、原作を読んでいない人には解りにくいのではないかと思える展開や心理描写に不安を感じてしまう。

京極夏彦が「四谷怪談」の伊右衛門と岩の物語を純愛ドラマに置き換えて書き上げた時点で見事に完結。原作とキャストに支えられたなんて言うと言いすぎ?


最後までぐいぐい引き込まれて観た事は確かです。

こういう場合は読まずに見た方が楽しめるのかな。それとも観てから読むか・・・
原作の魅力を損なう事は無く映画化は成功していると思うのだけれど、それだけじゃ物足りない。原作の魅力を損なったりするとボロクソに言われるし、なかなか大変なのですよ。

そういう意味では昨年の「嫌われ松子の一生」と「パプリカ」
映画によって原作がより輝きを増すといった好例ではないでしょうか。

「嗤う伊右衛門」 2003年 監督:蜷川幸雄
ビジネスホテルの有料番組
調子が悪く画像が途中で止まってしまうのが哀しい。


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