JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「薔薇の葬列」

2017-12-17 | 映画(DVD)
「追悼・松本俊夫 ロゴスとカオスのはざまで/映像の発見ー松本俊夫の時代」

「薔薇の葬列」1969年 ATG 監督:松本俊夫

ゲイボーイ、ヒッピー、学生運動、ハプニング・・・。1969年当時の風俗をリアルなドキュメンタリー的手法で作品に取り込んだ長編デビュー作。そのセンセーショナルな内容と、この映画でデビューを果たした当時16歳のピーターの妖艶な美しさも加わって、大きな衝撃として受け止められた。
新宿のゲイバー「ジュネ」でカリスマ的魅力を誇る少年エディ(ピーター)は、経営者の権田(土屋嘉男)と関係を持ち、そのことを知って嫉妬する店のママ(小笠原修)と対立するようになる。やがてママはエディの顔を傷つけようと謀るも、失敗して自殺。しかし、店も権田も自分のものになったエディは、権田が実の父親だったことを知ってしまう……。



かわいいアウグスティン
かわいいピーター 池畑慎之介くん。



監督の松本俊夫、今年の4月に亡くなってたんか。
追悼特集。松本俊夫ならこのカルト映画。念願叶って初鑑賞なので他の短編作品等も興味深いが今回はこれ1本で。
半世紀ほど経過してゲイの世界は大きく変わったようで実はそうでもないかも。少しづつ着実に前進している事は確かと思う。
だんだんマイノリティーの虐げられた者故の美しさという点が損なわれていくのは良い意味なのか悪い意味なのか、なんて事をボーッと考えてしまった。
劇中、ゲイバーの人が丸山明宏VSカルーセル麻紀みたいな話してて興味深い。
歴代数多くいるこの世界の功労者。個人的には世代から言って池畑慎之助と木川田源一って事になるかな。後者は架空だけど。
初めてピーターを認識したのは歌手としてデビューした時、女みたいなのに低音の魅力。だけど当時はやはり気持ち悪いという評価しかできなかった。成人してこの名曲を素直に評価。ネットは無いし、カラオケも学生の物では無かった当時、「酒場で俺達のナツメロ」として良く歌ったもんだ。
・・・逸れました。



そのピーターのデビュー作である本作は下膨れ気味の池畑慎之介少年が美少年というより化粧映えする素材なんだって事が解る。
映画は実験的手法。というかヌーヴェルバーグを見習った演出。ATGでは大島さんもやっているドキュメントチックなインタビュー挿入。

モノクロ作品の中でもハレーション気味に白を活躍させる美しいホモ映像。土屋義男渾身の演技?
内容を見ていくと主人公の名がエディだという事が理解できる。「オイディプス神話」がベース。



近親相姦を父と息子で描いてる。
男女の近親相姦は血の濃さから孕むと何者が産まれるのかという罰があるけど男同志だと道徳観に絞られるからかえって凄惨な事になるのかね。
ユーモア感覚は悪くないけれど、残虐シーン直後に淀長さんを持ってくるバランス感覚っていったい何なの?
突っ込んだ題材だけに妙な感覚にさせられた。



ゴーゴーシーンとかピーターが凄くカッコ良いんだけれど、この映画にゴールデン・カップスの曲を乗せられているYOU TUBEがあって、そのセンスが最高。お気に入りの動画ですので貼って置きます。

Golden Cups - This bad girl - 1968 Freakbeat Rave up Fuzz Japan





  




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