JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「黄金の馬車」

2024-01-21 | 映画(DVD)
「ヌーヴェル・ヴァーグ前夜」

「黄金の馬車」1952年 監督:ジャン・ルノアール

18世紀のスペイン統治下南米にやってきたイタリアの旅芸人一座。花形女優カーミラは土地の総督と浮き名を流すが・・・。総督が手に入れた黄金の馬車をめぐるドタバタとカーミラ役のアンナ・マニャーニの魅力、そして素晴らしい色彩とセット。ヴィヴァルディの曲が全編を彩り、フィナーレの大団円に拍手を送らずにはいられない。トリュフォーが”ルノアール最高傑作”と称えた1本!



これ素晴らしい。ルノアールの映画あまり観てないうちに見ちゃって今後大丈夫かいな。いろいろ観たいのあるんだが。
劇中劇とシームレスに展開していくお話に於いて舞台セットが素晴らしい。特に中二階をメインとして下階に馬車が入ってくる。上階の高貴な方々を配する宮殿セットがそのまま舞台になってる。これを表と裏から。劇中劇展開する中で、舞台、舞台袖、楽屋、屋外と目まぐるしく場面展開していく様が楽しい。
高見の窓から下の舞台を眺める貴族。観客席にはソンブレロとポンチョ姿の貧しい現地人。



まずスペイン統治下の南米が舞台というのが堪らん。
黄金の馬車と同じ船でやってきたヨーロッパの劇団。与えられた舞台は豚小屋同然。観客はリャマ?可愛い。
因業な小屋の主。劇場は大盛況なのに上がりが少ない。貴族からは金が取れないし、貧乏人は金がない。金を払うのは我々中産階級だがお友だちからは金が取りにくいという言い草。
花形女優カーミラはコロンビアーナを演じる。
道化や子供たちが常に周囲でアクティブに動き回る。
総督のお付きの人たちが周囲で無駄と思われる行動を無駄なく動き周る。



英雄、闘牛士が無銭で入場してくると観客はそちらに大喝采で舞台そっちのけ。闘牛士とアドリブかまして、観客を舞台に引き戻すカミーラ
アンナ・マニャーニ演じるカミーラはわがままな面や女の厭らしさもあるけれど、時折りメチャクチャカッコいい。



カーミラを取り合う男3人。
劇団に付き添ってた恋人である騎士は未開人との戦場に志願して劇団を離れるが未開人に囚われ、文明を配した彼等の生活に共感しカーミラを連れて行こうと。
黄金の馬車をカーミラにプレゼントするほど入れ込んでいた総督は恵まれてるからちょっとの事では心動かない。しかし、貴族たちの反乱を抑えるためにカーミラを裏切る署名を迫られ仕方なくサインしようとするとカーミラから強く「小さい男」と罵られ、サインを拒否して失職。普通の男として恋を選ぶ。
闘牛士は何も考えない真っすぐさで闘牛と芝居の客を引き寄せられるとカーミラに求婚。



全編ビヴァルディなら決闘の立ち回りアクションシーンもビヴァルディか。

劇団員の居住空間の扉、扉、扉。
どうなってんだろ、舞台配置ともども、どなたか平面図描いてくれないかw

芝居の中ではうまくいくけれど現実世界はうまく行かない。カーミラが取ったラストの選択は・・・













シネマヴェーラ渋谷
2023年1月






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