JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「奇っ怪博士!怪獣博士!大判昌司の大図解展」

2012-09-10 | 展覧会・博覧会
特撮展で時間を取りすぎ、梯子する予定が敵わなかった「大図解展」に行ってきた。

まず、東大脇にある弥生美術館。初めて来ましたが、エントランスのピンク電話で迎えられる、まさに昭和のイメージの建物が良いですね。
竹久夢二美術館と隣接合体していて、日頃行われている展示も高畠華宵など明治・大正・昭和の挿絵などが多いようだ。
ところで、大伴昌司の大図解展。これが思いの他良くて、興奮してしまった。
当時、少年雑誌で明らかに見たという図柄(後年の展示などで見た記憶ではない事が明確)が眼前に大きく展示されていて、一瞬のうちにタイムスリップしたような感覚。懐かしい感覚というのは良く感じるが、この感覚というのはちょっと無いな。
私の生まれもともとこの東大近くの森川町(ほとんど記憶は無いのですが)であるわけで、美術館に行く道すがらすでにタイムスリップ感覚の準備が整っていたのかもしれない。

あまり少年マンガ週刊誌を買って読む事はなく、もっぱら友人から借りる、床屋で読むといった程度だった。
今にして思えば少年マガジンは巻頭の大伴昌司企画の特集が興味を引く物であった場合、熟読して、あとは「天才バカボン」を読んでおしまい・・・だった。

大図解というと何やら胡散臭い、パチモンの匂いで円谷プロの外側で盛り上がっているという、まさにサブカルチャーの原点のようなものだ。
しかし、その仕事(主に少年マガジンの特集)はウルトラ怪獣にとどまらず、「宇宙家族ロビンソン」そしてあの「サンダーバード」まで図解していたのだ。
他にも、香山滋、江戸川乱歩、007、万博、横尾忠則、古代遺跡、未来社会、地球滅亡の日・・・





あらためて図解を見ると、怪獣たちの能力の秘密のあらかたはエネルギー袋等の○○袋にあることを再確認。案外、安易なんです。
バルタン星人はウルトラマンの八つ裂き光輪で真っ二つにされましたが、あのような複雑な内部は無かったような・・・。



これは展示だけでなく、なんとしても図版を手元に置いておきたいと思ったら、弥生美術館学芸員・堀江あき子編の「大伴昌司大図解画報」が市販されているので即購入。
今回はこの画報をそのまま実物展示する企画だったのだ。
勉強不足な私は大判昌司も挿絵画家の1人と思い違いをしていましたが、企画構成担当であり、絵を描いているのは石原豪人、南村喬之といった挿絵画家。大伴昌司はその下絵を原稿用紙に書いているわけで、実際の挿絵拡大複写と下絵原稿を見くらべながら進む展示構成。



それにしても稀代のプランナー・大判昌司恐るべし。
ジャーナリストの父の仕事関係で幼少の頃メキシコにわたり、ティオティワカンを遊び場に育っただけの事はある。
その面白着眼点は昭和の宮武外骨か。

少年マガジン内田勝編集長との熱い仕事ぶりも感じる事ができます。
この内田編集長、当時は我家の団地、2個隣の部屋に住んでいた有名人だけど、あのおっちゃん、こんなすごい人だったんだ、とあらためて。

大図解画報はなかなかよろしいのですが、絵が小さくて老眼には辛い。
当時の少年たちは、是非、弥生美術館の拡大複写で楽しむ事をお勧めします。
大伴昌司、エディトリアル・デザインの革命が見えますよ。



2階、トイレ脇に貼られていた「世界怪物怪獣大系統図鑑」(キネ旬増刊付録)は額装して部屋に飾りたいくらいなもんです。

「奇っ怪博士!怪獣博士!大判昌司の大図解展」
9月30日まで
文京区 弥生美術館

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