JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

沢木耕太郎 「杯(カップ)-緑の海へ」

2006-06-10 | BOOK
さぁ、いよいよW杯開幕です。
日韓共同開催からもう4年。ついこの前のような・・・、遠い昔のような・・・
沢木耕太郎による日韓ワールドカップ観戦記。
4年前のあらゆる事が鮮明に思い出されますね。

個人的には日韓開催、というかアジアでの開催には否定的でした。
何故なら、サラリーマンにとって時差のない国での開催は生中継で見る機会が少なくなってしまうではないですか。
しかし、日本代表の試合に関しては、それは杞憂でした。
ベルギー戦、ロシア戦、いつも夜遅くまでいる同僚たちが蜘蛛の子を散らすように退社。チュニジア戦では、合宿会議の最中にも拘らず、皆、気もそぞろ。会議を中断してホテル・ロビーのテレビの前で皆で観戦しました。昼間行われたトルコ戦、食堂から大画面TVをオフィス内に持ち込んで、仕事そっちのけで観戦しました。

沢木さんはサッカーに関してアマチュアと謙遜していますが、そんな事を気にする必要はありません。読者は実況の再現など期待していないし、試合の周辺での日本人、韓国人の様子や、ふと、彼が考えている事の記述にこそ沢木ワールドの魅力全開なのですから。

成田から鹿島スタジアムへの車窓風景の美しさを見て、「海外からワールドカップを見に来たファンもこの風景を見るのだろうな」なんて外国人の日韓W杯観戦記の翻訳本とかあったら読みたくなっちゃう。

トルシエ・ジャパンの分析も面白く、日本と韓国の国民性、歴史・・・随所になるほどと唸る場面があります。

日本と韓国にとって2002を境に明らかに何かが変っていったのだなぁ。特に韓国の場合。
どこかに共同でなく、韓国単独開催にしてあげれば良いのにという考えがありましたが、共同開催の意義、効果もちゃんとあったわけです。

日韓W杯は、大枠では無事成功したと言えるでしょうが、そうそう、審判の技量で壊れちゃった試合や、厳しい環境(梅雨)で列強が最高のものを出し切れなかったとか、W杯としては消化不良気味の点もありましたね。

2006ドイツでは、特に審判の不手際の無い好ゲームに期待したいです。

沢木さんの意見で1箇所だけ(?)
それは映画「少林サッカー」の記述。映画「ピンポン」との比較において。(当方「ピンポン」見ていないので比較対照に相応しいのかもわかりませんが)

昨夜、テレビでやってましたね「少林サッカー」
初めて見ましたが、あの映画をあのように書いたら身もフタも無い。
くだらないB級映画には違いないかもしれないが、B級だけに出せるあのギャグ。
ギャグが拙ければ拙いほど見えてくる良さがある。屈辱の描写はかなり良かった。


沢木さんは真っ向から否定しているわけではないけど「プロレス」についてもあまり良い印象をお持ちでないようで・・・だったら無理も無いのかな。

W杯前だから「少林サッカー」を放映して盛り上がってもらおう。と言うのはちょっと違う気もしますが・・・


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2 コメント

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Unknown (kotetsu)
2006-06-11 14:10:52
TBありがとうございます。



彼(沢木氏)は今回もまたドイツにマンションでも借りて毎日試合観戦のようですよ。

大会が終わってからの出版がまた楽しみです。



ぜひまた覗いてください。

よろしくお願いいたします。
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ドイツW杯 (imapon)
2006-06-15 23:13:40
kotetsu様

いらっしゃいませ。

ドイツW杯楽しまれてますか。

ジーコの風当たり強いようですが、沢木さんは何を感じてるでしょうかね。



こちらもちょい不良(ワル)ならぬモロ不良(品)オヤジですが、よろしく。

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