JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「癒しの遊女 濡れ舌の蜜」

2011-02-02 | 映画(DVD)
「癒しの遊女 濡れ舌の蜜」2010年 オーピー映画 監督:荒木太郎


独り暮らしの初老作家・大江は、執筆に活かす為に古い町並みを散策するのが日課だ。大江の執筆中「失踪」という小説は50歳の高校教師が、教え子でありデリヘル嬢のスミコと出会い、愛欲に溺れていくという物語。その日も大江は散策していた。夕立に遭い、急いで傘を差すと女が入ってきた。女は自分が暮らす路地裏の売春宿に大江を誘い、大江は金を払い女を抱く。事後、女は手料理をご馳走し、別れ際、指名してと「雪子」と書かれた名刺を渡した。大江は執筆に行き詰まると再び宿へ行き雪子を抱いた…。

1960年、1992年に映画化された永井荷風の傑作「墨東綺譚」をピンク映画界の名匠、荒木太郎監督が映画化。
前週の「新釈 四畳半襖の下張り」に続く上野オークラ劇場・永井荷風ピンクシリーズ

文芸映画としても作品化される永井荷風の原作を読んだのは遥か昔。細かい所は憶えていないが悪場所を俳諧する荷風という人物には憧れたもんです。映画の方は1960年の山本富士子版は機会が会わず未見。

「墨東綺譚(1992)」

ピンク映画で撮ると、このような没個性で意味不明な劇場タイトルを付けられてしまい不憫。
劇場には荒木監督自作の「墨東綺譚」ポスターが何種類か貼られていた。(TOP画像はその1枚)
自分でシコシコ、ポスターを作っている荒木監督が好ましい。



文芸作品と違ってピンク映画ならではという物がエロシーン以外にも欲しいところと思っていると、エロ・シーンは抑え目で、古い町並みのロケーションとして閉館した上野オークラ劇場が使われている。今後もピンク映画史上貴重な映像って事になる。
映写室から臨む上野の町。あの、変な三角地帯?を見ることが楽しい。

時代設定は現代の振りをしておきながら(秋葉原通り魔事件に言及するシーンも)昭和の匂いを感じさせる奇妙な世界観。

雨のシーン、傘にいきなり入ってくる雪子との出会いは確かに墨東綺譚。

作家・大江の那波隆史の風貌は永井荷風というより高橋源一郎かい。

雪子の早乙女ルイの可愛さが尋常でない。人気出るだろうな(もう出てるのか?)AVもがんばってるんでしょうけど映画出演も精力的にやっていって欲しい。

劇中小説としての監督・荒木太郎(高校教師・種田)と里見遥子(スミコ)の物語が切ない。

上野オークラ劇場

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