生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

奈良県保健医療計画と医師会

2010-05-11 16:19:58 | 日記

 この4月に、奈良県保健医療計画が公表されました。遅れに遅れて全国最後の医療計画だったようです。
 232ページに及ぶ膨大なものですが一応目を通してみました。
 首をかしげたのは、「医師会」がこの医療計画にどれだけ関わっているのか全く不明な点です。医師会の名前が出てくるのはほんの数箇所だけです。県が意図的に医師会の名前を外したのか、医師会側が参画を嫌がったのか、よくわかりません。

 一般救急や小児救急の疲弊や崩壊が叫ばれています。特に2次救急病院の勤務医の疲弊や離脱が深刻です。
 こうした深刻な医療状況を打開するに際して先ず率先して立ち上がるべきは、一次救急を担う開業医=医師会ではないでしょうか。医師会は、一次体制の不備が二次・三次にしわ寄せをしているという現状を認識していないのではないかと思えてなりません。
 確固たる一次体制を固めたうえで地域医療提供体制を再構築をしない限り、二次救急の崩壊は決して止まりません。

 生駒市には「生駒メディカルセンター」という一次救急を担う休日夜間診療所があります。医師会の協力を得て年間億単位の市補助金で運営されているようです。金をかけている割には存在価値は低いようです。
私に言わせれば、税金の無駄遣いであり一方医師会側の怠慢です。休日夜間の一次救急は、医師会や開業医としての当然のミッションです。
しかし、サラリーマン化した開業医にとっては、休日や夜間の診療はやりたくない というのも本音でしょう。その気持ちはわかりますが、救急がここまで疲弊した以上原点に立ち返って(顔を洗いなおして)、独自の輪番体制を新たに且つ早急に再構築して欲しいものです。
 その上で、このメディカルセンターは廃止できるでしょう。

 いずれにしろ、奈良県の新医療計画に医師会の積極的参画姿勢が殆ど見受けられなかったことは、驚くとともにがっかりもした次第です。
 医師会さん、いつも批判や嫌みばかり申し上げていますが、心を新たに一念発起してください。お願いします。


医師会の出方は?

2010-05-05 18:09:05 | 日記

 連休もあり、パソコンにも殆ど触れることもなくブログも手付かずにのんびり過ごしました。

 さて、生駒市病院事業推進委員会が再開されることになったようです。医師会側の愚にもつかない理由で中断していた委員会ですが、何はともあれ再開されることは結構なことです。
 ただ、医師会の委員推薦状には条件が付いていました。
曰く、「指定管理者の指定について否決された特定の指定管理者を前提としないことを条件とし」です。特定の指定管理者とは、徳洲会のことです。
 この条件は、いみじくもまさに医師会の本音です。徳洲会と医師会との関係は水と油で、絶対に混ざり合うことはありません。
 しかし、指定管理者を前提にしないままで病院事業を本当に議論できるのでしょうか。「仏作って魂を入れず」になりかねません。ハードと看板だけで後はよろしく では現下の医療崩壊への対応は不可能です。魂を入れるのは、指定管理者です。指定管理者候補を外した委員会議論は、まさに「魂の入っていない仏を作る」だけのことになります。公園やプールの指定管理者とは違う別次元なのです。
 徳洲会にしても、生駒市立病院に医師や看護師を振り向けるのは苦しいはずです。その苦しいなかで、グループ全体で何とか人員のやり繰りをしようと、公募に手を挙げてくれたわけです。これを評価せずして何を評価するのでしょうか。
 徳洲会は、24時間365日の救急受入を社是としています。勿論100%の完璧な受入は不可能でしょう。それは仕方のないことだと思います。しかし救急告示病院の看板を出していても、看板倒れの病院が多い生駒市や奈良県です。
 はっきり言わせてもらえば、こうした看板倒れの救急病院は最初から救急医療をやるべきではないのです。看板を降ろすべきなのです。却って救急隊を混乱させるだけです。

 要は志の違いです。この点は決定的だと考えます。

 委員会においてはこうした下らない話を外して、本質の議論を期待します。