いけざわこどもクリニック日記

クリニックの出来事やスタッフの雑感を不定期につづります

14歳の水平線 椰月 美智子

2019年08月25日 08時15分13秒 | ブログ
14歳の一夏の瞬間を描いた作品ですが、
大きな入道雲、すべてが照らし出すよう太陽、どこまで深いオレンジ色の水平線、深遠なる暗闇から漏れ出す星空の光と美しい小さな島が舞台です。
息子が島でのキャンプ参加で衝突しながらも仲間を育んでいく過程と、父親が14歳の頃に父親が亡くした物語も交互に合わさり構成も素晴らしかったです。

「サッカーやめたのも知らないなんてそれでも親かよ」
昔、似たような事を言っていた自分に読んでいて恥ずかしくなる時もあります。

しっかりと将来写真家になりたいと言う友人の台詞
「切り取られた写真の、そのまわりを想像できる写真を撮りたいんだ」
当時、ボーッとして、ビジョンさえ持っていませんでした。今だったらチコちゃんに叱られそうです。

読み終えたので娘に本をあげますが、大人が読んでも十分引き込まれていきます。10代親に悪態をついていましたが、今はその親も老いて子が親の状態を案ずる歳になるのを感じ、幾年も重ねてきた人の営み思い知ることになりました。

院長秘書 矢野耕治

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