「魏志倭人伝」、「古事記」など書物からちょっと離れて
古代と変わらない物シリーズで
九州の地形から倭国を考える。
に続いて樹木を考えてみました。
ご存知の通り、日本は
・南北に2500kmと長く伸びている。
・周囲が海である。
・山岳、山脈があり、長い川、きれいな水脈がある。
・春夏秋冬と四季の変化がある。
世界でも稀な環境地代です。
これらが、日本の樹木の大きく影響しているようで、日本独特の樹木が多数あります。
ネットで検索してみると
日本の森林分布
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/fa/b09e155081a732ebbf13ad4bf6786a0b.jpg)
が参考になります。
西日本
低地・・・照葉樹林(樫の木、椎の木、椿類)
高地・・・落葉広葉樹林(ブナ、ミズナラ、ケヤキなど)
東日本
低地・・・落葉広葉樹林(ブナ、ミズナラ、ケヤキなど)
高地・・・常緑針葉樹林(松類、シラソビ、コメツガなど)
この状況は、現在も2000年前も変わらないでしょう。
倭人、日本人による伐採、植樹での変化はあったでしょうが。
では、古代の人が樹木をどの様に使ったか想像してみます。
・石器時代
道具と云えば、黒曜石など鋭い石を探して、枝に結び付ける(?)斧
大きな木の根元を切る事は出来ません。
枯れ木や低木の木、枝を切り落として、火をおこして燃やす材料に使い始めた時代でしょう。
・縄文時代
焼物ですので、火も必要です。料理もしますので、燃える樹木の需要が増えたでしょう。
・弥生時代
大陸から高倉式の建物、農耕、織物など伝わります。
建築に使用する木材を切り倒したでしょう。鉄製の斧など道具が普及した時代です。
杉やヒノキなど太く背が高い樹木を木材として使いますし、樹皮が屋根などに使われます。
「古事記」のスサノオ神話の中で、ヒノキを建材として使うことが示唆されている様です。
素戔嗚も弥生時代の人物像かもしれませんね。
・古墳時代
大きな古墳が作られ、焼物には埴輪などがあります。
王家の屋敷などが更に大きくなったでしょう。
・飛鳥時代
あの有名な法隆寺(五重塔など)がヒノキで作られているようです。
とにかく、高度な木材の加工がなされていて木造建築の建築技術は現在でも使われています。
他にもちょっと調べてみると
ヒノキ(檜、桧)ヒノキは日本と台湾にのみ分布する。日本では本州中部(福島県)以南から九州まで分布する。
杉(杉の木)
松(アカマツ)
と日本独特、九州、西日本に多い樹木が建材に古くから使われています。
中国、朝鮮半島、日本それぞれの建築文化は、自国にある樹木が影響している部分も多いと思います。
長野県諏訪市の御柱祭りで、切り出される柱は、樅(もみ)の大木の様です。
あれだけの大木を切り倒して運ぶのですから、古代の人は凄いですね。
ちなみに、朝鮮半島は日本より北側にある為か、アカマツなど松類を使った建物、仏像などに使われてるようです。
古代中国、三国志の時代には、木造の大きな船が活躍しています。
紀元前4世紀位に、徐福一団が船で日本まで渡航しています。
大陸で起きた魏蜀呉の戦争は木造の大きな船を作る技術を高めたのでしょう。
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