いい女よりもいい男の数は少ない

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現役ラガーマン1

2011-04-04 02:17:44 | 男の生き様

1

大昔のある日、掲示板を覗くと現役のラガーマンが載せていた。真っ黒に焼けた顔に短い髪、マッチョな体。年はまだ20代前半だった。ダメ元でメールを送ると返事が来て、今いっぱい来てるから遅くなってごめん、との事だった。凄く優しくて、いつもメールをくれて、本当に好きだった。でも、きっとタイプじゃないし、会ってもくれないだろう。自分に自信がないが故に、どうしても「会いたい」とは切り出せなかった。自分は細くてカッコ良くもないし、SEXの経験もほとんどない。ゲイのスタートラインにも立っていない存在だ。だから、諦めよう。嫌われたくはない一心で、自分にこう言い聞かせた。

「嫌われたら100%会ってはくれない。だから、これでいいんだ。」

もう彼の事を思い出すこともなく、数年が過ぎた。
今日ネットを色々見ていると、見知らぬ男性を見つけた。ラグビーを長年やっている様子だ。日記には教えているチームのことや移動中のバスからの風景などなど、人柄が伝わる文章がほのぼのと伝えられている。何ページも読み進んでいくうちに、何かが心をかすめていった。

「何だろう?」

どこかで聞いた話や、誰かに似ているような、懐かしい感じだった。何かは分からなかったが、きっとオレが知っている誰かなのだろうという予想はできていた。そして、あの彼だったことがようやく分かった。

「久しぶり、元気?」

もう2度と会うことはないと思っていた。いや、会ったことすらまだないが、永遠に会うことはないのだと思っていた。そんな彼が普通に大阪にいる。あの頃だったら大阪を理由にまた会うのをためらっただろう。でも今は違う。距離もそうだが、自分に対する自信が違う。オレはオレなりの大きな山の頂上を目指して生きてきた。彼と比べる必要もなく、堂々とお茶でも何でもすればいい。体自体も彼に100%負けるワケでもない。彼よりまだ細かったとしてもバランスの良さでもチ○ポのデカさでも勝負するところはいくらでもある。こう思える自分になれたことが、大きいのではないか。

「今度こそ会おう。あの時とは違って。」

そう思って、メールを送った。
(mixi日記2010年01月08日より抜粋)

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