白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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山田和貴雄-仲邑菫

2019年12月26日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
上野愛咲美三段が、今年44勝目を上げて女流棋士の年間最多勝記録を更新しました。
昨年、藤沢里菜四段が更新したばかりだったのですが・・・。
この2人なら、まだまだ更新できるかもしれません。



皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された名人戦予選、山田和貴雄七段(50)と仲邑菫初段(10)の対局をご紹介します。

1図(実戦)
山田七段の黒番です。
本局は仲邑初段の悪手が多く、出来が悪かったと思います。
現在、地も無い上に左下や中央の白も薄く、敗勢と言って良いでしょう。

さて、ここで打った白△が怪しげな一手でした。
黒Aとつなげば何事もありませんが、黒の方が立場の強い場所なので、何か反発することを考えたくなります。





2図(実戦)
そこで、黒1とひねって受けました。
少しでも白に響かせようとしたのですが、ここですかさず白6!
これで勝負は分からなくなりました。
薄かった白が黒×を取って治まるようだと、細かい碁になりそうです。



3図(実戦)
そこで黒は1子を助けにいきましたが、白△と打たれて白AとBが見合いになっています。
ここで黒が投了、急転直下の終局となりました。
おそらく黒は、左辺黒に狙いがあることをうっかりしたのでしょう。
私もよくこういうことをやります・・・。



4図(終局後)
黒1と中央を助ければ、白2の置きで左辺黒に眼が無くなります。
左下白との攻め合いも勝てません。
逆転の可能性があるとすれば、右上白大石を取りにいくことですが、無駄なあがきとみて潔く投了しましたね。
実際、白に凌ぎはあるでしょう。

仲邑初段、とても勝てそうにない碁をひっくり返してしまいました。
結果的には、仲邑初段の仕掛けた罠に山田七段が嵌まってしまったような形ですね。
仲邑初段の碁にはそんな場面がしばしば現れます。
意識してのことかどうかは分かりませんが、それも勝負師の資質なのでしょう。

これで今年は17勝7敗となりました。
新入段者13名の中で一番の成績とのことです。



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