白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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金秀俊-福岡航太朗

2019年12月29日 17時30分16秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
目立つニュースの無い時期は、この欄に書くことに迷います。
1時間ぐらい長考することも・・・。



皆様こんばんは。
昨日はお休みしました。
今年最後のお休み(予定)です。

さて、本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された、棋聖戦予選の金秀俊九段(40)と福岡航太朗初段(14)の対局をご紹介します。



1図(実戦)
金九段の黒番です。
福岡初段の白△が目を引きました。
このような状況では、白Aと押すことがほとんどです。
黒Bを待ってからケイマするか、あるいはさらに白Cと押してからか・・・
なにしろ、黒Aからの出切りが怖いですからね。




2図(実戦)
案の定、黒1と打って黒Aの出切りを狙ってきました。
そこで手をかけて守るようでは効率が悪くなってしまうのですが、白2一本で済ませ、白10、12で黒の眼を奪いました。(黒5は4の右)




3図(実戦)
当然黒1と出ましたが、そこで白2のハネを利かしてから白4と押さえれば支えているという読みがありました。
黒Aの方の切りに関しては、白Cと切る保険があるので大丈夫ですし、黒Bの切りに関しては・・・



4図(変化図)
黒1の方の切りも、白×が働いて脱出できると読んでいます。

福岡初段は理論的な碁だと思いますが、一方で積極的な打ち回しが多い印象もあります。
その積極性は、読みの裏付けによって支えられているのですね。
井山三冠や一力八段とも通じるものがあると思います。

本局は途中まで明らかに福岡初段が押しており、これは快勝かと思いました。
しかし、結果は金九段が意地を見せましたね。
右辺の戦いで黒がポイントを上げたようです。



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