トミーさんの井戸掘り勉強塾

[マチャアキJAPAN、2011ネパール、2012ザンジバル、2015カンボジア][2013/Dash島]テレビ出演

井戸掘りの 「イドセン」

井戸掘り30年、個人職人の井戸屋さんです。 時代と共に井戸掘りの機械は随分変わりました。 小さな機械で井戸を掘る昔ながらの井戸屋はほとんど姿を消しました。 このブログより、井戸掘りの理屈を皆さんに提供していきたいと思います。 「自分で井戸が掘りたい」「井戸について知りたい」など、井戸についてご質問のメッセージを頂ければ詳しくお答えいたします。 個人職人の井戸屋さん「イドセン」http://www.idosen.sakura.ne.jp/idosen/

古井戸は素晴らしい財産

2012年09月10日 | 日記
財産といえば、金?土地?家?

まあ、財産にはいろいろありますが・・・

あなたの家に、古井戸(手掘りの丸井戸)がありますか?

昔は多くの丸井戸がありました。

時代とともに、丸井戸はどんどん埋められその姿を消しています。

水道の普及で井戸の実用性がなくなってきました。

私のところにも、年に何十件と井戸を埋めたいという相談だ寄せられます。

埋めたいと言う人に、「埋めちゃダメ!」とは言いませんが、

せっかく水が汲める井戸をなんで埋めちゃうの?

災害時の為に井戸というものは絶対に役に立つはずですよ。

丸井戸は、通常70cm~90cm位の大きな太さで掘ってあるため、

その中に貯まる水の量は相当なものです。

わずか1cm水位が上昇するだけで約5Lの水量が増えます。

こんな豊富に水が貯まる井戸を新たに掘ればどんな大金がかかることか・・・

今の時代、穴の中に入って手掘りで井戸を掘る業者っているのかな~?

井戸屋である私ですら知りません。

まあ、手掘りで10mも15mも掘るなんて命懸けですからね。

命をつなぐため命懸けでも井戸を掘る。

昔の人の気持ちを考えれば、本当に御苦労さんですね。

このように、昔ながらの古井戸は今の時代、手掘りで掘る職人もほとんど存在せず、

本当に貴重な宝物と言っても過言ではありません。

井戸の中の水が汚れていても、どんどん汲み出せば井戸は生き返ります。

井戸は古くても、地下水は動いています。

だから、どんな古い井戸でも綺麗な水が出てきます。

せっかくの貴重な財産を埋めないで欲しい。

井戸屋として、私はそう思います。


そこで1言・・・

「古井戸にポンプをつけろ!」

古井戸にポンプをつけて、庭の散水や車の洗車などに使うと水道代の節約にもなり、

また、常時汲み出すことによって綺麗な地下水を保つことが出来るので、

いざという時に、必ず役立つ時が来ます。





井戸掘りの「イドセン」のfacebookページ作りました。

2012年09月08日 | 日記
多くの方に閲覧していただき有難うございます。

井戸掘りの「イドセン」というfacebookページ作りました。

facebookをされている方は、こちらの方にも遊びに来てください。

「イイネ」をして頂ければ有難いです。


いろいろな現場の写真や動画などをアップしたり。

井戸掘りに役に立つ事なども御報告したいと思います。

もちろん、こちらのブログも今までどおりの御愛顧宜しくお願いいたします。

打ち込み井戸を作るときの注意点

2012年09月02日 | 日記
YouTubeなどに、多くの井戸掘り動画がアップされています。

その中でも、やはり多いのが打ち込み井戸ですね。

以前、私の仕事に見学に来られた岐阜県の庭師の女性の方が、

VP75の塩ビパイプを、カケヤで7m叩き込んで井戸を作った話を聞きました。

女性でも、やる気になれば凄いパワーだなと感心しました。


今日は、打ち込みについて御説明いたします。


私は、井戸屋でありますが、元々の職業は地質調査技士です。

いわゆる、ボーリング調査の仕事を主としてやってきました。

ボーリング調査は地質を調べる他、地下水の試験をしたりします。

その試験のためや、砂礫層の崩れを止めるためケーシングを打ち込む事があります。

ケーシングとは、鉄製の鞘管のことです。

通常は、泥水を使って回転で挿入する事が多いのですが、

場合によっては、モンケンという63,5kgの錘で打ち込みます。

これだけ重いモンケンで叩き込んでも、途中で入らなくなる時があります。

その理由は、3つあるのですが・・・?

みなさん、分かりますか?

答えは、パイプ先端が硬いものに当たった。また、パイプ内の先端のつまり。

もう1つはパイプ側面の地層との摩擦です。


硬いものにあったたり、パイプ先端のつまりは、パイプ内部の土砂を取り除けば

パイプは再び叩き込めるようになります。

実際に、我々は50mでも叩き込んだ経験は何度でもあります。

中掘りを先行させれば、鞘管の打ち込みは容易にできます。

ところが、パイプ側面の摩擦はどんどん強くなっていきます。

そのため、摩擦がかかるのを最小限にしなければなりません。


先端を鉛筆のように尖らせて打ち込めば、土を避けながら無理に刺さって行くので

パイプ側面にものすごい摩擦が発生します。

粘土層なら、急激に打ち込み速度が落ち、打ち込み不能になります。


以上のことから、パイプ先端は尖らせない。

逆にソケットなどを付け、打ち込みパイプより先端は少し太くする。

そして、パイプ外側に泥水を入れてやれば、滑りやすくなり摩擦力は低下する。

かつ、中掘りを先行させてやれば打ち込みは楽になる。


以上のことが、打ち込みをする条件の注意点です。


あくまでも、これはある程度太いパイプの場合であり、

浅く、比較的ルーズな砂層などの場合は、パイプ先端を尖らせても大丈夫です。


今日は、打ち込みに起こる状況と、回避策の注意点を書き込みました。

では、・・・