いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第59話>ムサイ級ワルキューレ / [小説]ガンダム外伝

2012-07-29 19:06:46 | [小説]ガンダム外伝

<ここまでの話>
【第1部】
<第1話> から <第24話>までのリンク
【第2部】
<第25話> から <第46話>までのリンク

【第3部】
<第47話>月面着陸・・
<第48話>敵か味方か?
<第49話>アロー市自衛軍
<第50話>大丈夫だよね・・
<第51話>フォン・ブラウンへ・・
<第52話>セカンド・ルナ
<第53話>スパイ容疑・・
<第54話>特務の内容・・
<第55話>情報戦・・
<第56話>妄想と現実・・
<第57話>再会?!・・
<第58話>違和感・・
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「そうだな・・ 深度はマイナスの方が良いと思う・・
 そこはワサビィの方が慣れているだろ、基地を発進したあとは、私との連絡も出来ない
 ワサビィに権限を委譲するので、適時判断で動いてくれ
 目的は、ジオンの核弾頭を搭載したパプア級輸送艦1隻だ! ジムコマンドで挑発し
 YUKIKAZEのメガ粒子砲で叩く! 具体的な作戦はワサビィに任せる!
 発進は30分後12:00だ、ソロモン掃討戦は、本日18:00に開始される・・
 機密だ、他言は許さん!
 その開戦の混乱に乗じ、ジオンは行動を開始するとの情報だ・・
 ボールのテスト訓練は15:00~17:00・・ その後、我々も作戦開始となる
 以上だ、何かあるか?」

「いや・・ なんか妙だな・・ その情報は、本当に正しい情報なのか?」

「ん? さっきも言ったと思うが・・ アロー市軍ヒックス司令からの情報だ・・」

「じゃ聞くが・・ 標的艦はパプア級なのか? そして伴艦は? チベ級か?」

「チベ級は無いだろ? あれはそんなに製造もされていない、パプアから核ミサイルとの事
 伴艦は護衛にムサイが1隻付いている可能性がある
 MSはザクが3~4機いるらしい・・ 多分3機だろ・・
 ただ、ザクが居るといろいろ面倒だからな・・ 
 標的のパプアから引き離すため、ジムが囮になる、解るな?
 ザクをしとめるのは、3対1では難易度が高いが、引きつけて時間稼ぎをするだけなら
 ジムコマンドの機動力があれば3対1であっても、性能面から優位だと考えている・・」

「ちょっと待ってくれ・・ 囮の話はきついがザクなら問題は無い、
 まぁ、トサカ付き(ゲルググ)だと、ビームライフルなのでかなり難易度は上がるがな・・
 だが、ジオン側の想定艦艇の話が合わんのだ!! 私が聞いた話だが・・ 良いか?」

「ああ・・ なんだ・・ 言ってみろ」

「グラナダで奪取された核弾頭は1つだ、その核弾頭の種類は不明だが
 その弾頭は、ヘルシング艦隊に搬送されたとの事だ。
 ヘルシングの旗艦は、チベ級のグラーフツェッペリンだろ?
 想定敵の艦隊構成にチベ級が居ないのはおかしい!」

「今度は私が同じ事を聞くが・・ その情報は正しいのか?」

「ああ・・ 更に艦隊はチベを含む3隻で、既にグラナダを出航している・・
 構成は、チベ級以外はムサイ級2隻だ、パプア級はいない、また数も3隻でないと合わない!」

「妙だな・・
 しかし、ヒックス司令からの情報は座標も明確でコースも適切なのだが・・」

「私が仕入れた情報を説明しようか?」

「ああ・・ ボインボインのおねぇちゃんの情報だな?」

「だな、さっきはチロル三尉がいたからな、
 グラナダで奪取された核弾頭は1つで種類は不明は良いな?
 さっき言ったように、核弾頭を搭載し、出航した艦船は3隻で
 艦隊長はフォン・ヘルシング大佐の艦隊・・ 旗艦はグラーフツェッペリン!
 そして、あとの2隻は艦の特定はできていないが、ムサイ級が2隻だ・・
 艦船の目撃情報があり、この3隻は他の3隻と合流し6隻になっている可能性がある
 それは、その宙域に6隻艦隊の目撃情報があるからだ・・
 だからこの2隻ってのは違和感がある・・
 更に、その目撃情報では、マスミンが言う座標ではなく、もっとサイド6に近い座標だ!
 最後にこの作戦の首謀者は、キリング中佐とかでギレン総帥の公国親衛軍直轄の参謀だ
 私軍として海兵隊を操っている・・ あのドクロマーク部隊が絡んでいる可能性がな・・
 合流した3隻が海兵隊・・ そう考えると辻褄が合うのだが・・」

「ほう・・ その座標というのは?」

「ああ・・ サイド5宙域からサイド2宙域に移動中だ・・
 サイド6には、サイド2の残骸宙域から攻撃をかけると見ている・・」

「全然方向が異なるじゃないか?」

「だろ?、もしこの目撃情報が正しければ・・ 待ち伏せ宙域には誰も来ず、
 ジオンの奴らのサイド6への核攻撃を成功させてしまうわけだ・・」

「難解だな・・ その情報の出所はどこだ? 信用に値する情報なのか?
 グラナダ出航は3隻で、なぜ、6隻に増やす必要があるんだ?
 そんな大艦隊では目立って仕方ないだろ? このジオンの作戦は秘匿作戦だよな?
 艦隊は少ない方が良いはずだ・・ そうは思わんか、ワサビィ?
 ちなみに・・・ その6隻の中に、パプア級は居たのか?」

「ああ・・ 1隻居ると聞いている・・」

「そうか・・ だったら3隻が6隻になったあと、
 2隻が艦隊から分離し、その4隻は囮としてサイド2に向かっている・・ と考えたら、
 我々は逆に罠に嵌められる訳だ・・ ちがうか?」

「まぁ・・ そういう事もありうるが・・ 普通は4隻側ではなく2隻側が囮だろ?
 囮だとしたら、挟襲もありうるよな・・
 こちらが奇襲のつもりでも相手に筒抜けだったら全滅するぞ!」

しばらくの間マスミンは、無言でスクリーンに表示されているサイド2宙域のマップを
睨んでいた・・ そして徐に・・

「どちらの情報を信じるか? は、私が判断する・・
 今は私がこの作戦の責任者だ! 私の指示に従ってもらいたい・・ 良いなっ!」

「まぁな・・ それは了解だ・・
 ただな、他に何か違和感があったら、その時は私の判断で動くが。良いな?」

「今は私の指示に従えよ! これは命令だ! ただな、最後の判断は貴様の野生の感で動け・・
 意味は解るよな?」

「解ったよ・・ お互いにな・・ とりあえず、そちら側も裏を取って欲しい・・
 戦うのは私達だ!・・ いいよな?」

「ああ・・ 裏は取ってみる・・ 確かに嵌められたとしたら大事だからな・・」

・・・

若干の違和感を残したまま、出撃の準備に入った。
ガボット突撃艇にブースターが取り付けられていたが、この形式は落下式で再生使用される小型の物だ
カタパルト射出後の数秒間の補助に過ぎず、月衛星軌道までは自身の推進力で月引力を振り切って
上昇するタイプだ。

月衛星軌道上には衛星基地があり、戦闘機や仮にMSがあれば、ガボット級での曳航は
この衛星基地から曳航開始となる。そのため、通常のパイロットであれば、ブースターを装着した
単なる発進は慣れた物でははあるのだが、このような訓練機会を見逃すアロー市軍ではない・・

チロル三尉やプラス三尉のボール射出訓練に合わせ、ガボット級のパイロットも現在士官候補生である
ラムとメロといった2人の准尉(士官候補生を卒業すると、自動的に三尉に昇格)が訓練として参加する。
また、この2名は、ボールの予備パイロットでもあるようだ・・

尚、今回のボール射出訓練は、ボール自身の推進力が弱い事から、宇宙戦闘機に使用されている
大型ブースターをボール本体の左右に接続し、カタパルト&ブースターでの射出となるようだ。
ボールに接続されたブースターは、ガボット級で使用される落下式ではない。
ブースターの前面に、9連装の小型ミサイルポッドが装備されているタイプで、左右で18発が実装できる。
左右に設置された大型ブースターの間には、これも大型のプロペラントタンクが設置されており、
完全に月軌道外活動をも視野に入れた改装となっているようだ・・
これは、連邦軍のボールの仕様とは大きく異なり、かなりの推進力が期待できるため、
今までのボールとは全く異なった特性を持つ武器に改装されたと判断される・・
ただ、非常に短期間での改装であるため、装着のやっつけ感は否めないのだが、
当初からボールを採用する計画があったとも推測もできる。
つまり、そのような想定された設計があるから、短期での改装が可能であったという事が論拠だ。

(ボール本来の小回りの効く挙動が、ブースター装着で宇宙戦闘機的な直線的な動きになるだろう
 私が思うに、それなら宇宙戦闘機や突撃艇で良いではないか・・と感じるのだ・・
 だから、実際の配備時にはブースターは脱着式に変更し、戦闘時はブースターを外して
 本来の機動力を生かしたボールの運用を行うべきだと・・と考えている・・ が・・
 武装にミサイルポッドを装備している事から、ブースター使用の突撃艇的な運用方法で
 ボールを使用する考えだと読める・・
 それだと運用パイロット数を減らすことは出来るが、武器としてはガボット級とは変わらない・・
 アロー市軍とすれば、現存武装のガボット突撃艇との連携を考慮して・・と判断されるが、
 ボール本来の持ち味である自由な機動性を殺すことは適切ではないと感じている・・
 まぁ、そのような変更が選択されない事を祈ってはいるのだが・・ 時として軍の決定事項には
 不可解な事が良く発生する事も事実だ・・
 今回の訓練は、そんなテストも兼ねての訓練なんだろうな・・ と、推論する・・ )

つまり今回のボールの射出訓練は、万一の有事を想定した
「ブースターを使用した月面基地からのインターセプト訓練」と
「ブースター装着機体での無重力宙域での擬似戦闘&ガボット突撃艇との連携訓練」と理解した。

アロー市軍側の準備は万全だ・・
しかし、我々側の準備は、全くと言って良いほど行われていなかった・・
YUKIKAZEのカタパルト使用許諾は取り付け、既に数回の射出訓練をオーリン准尉が行っている。
これは、オーリンの訓練ではなく、アロー市軍の月面基地クルーの訓練となっている感が強いが・・
まぁ。YUKIKAZEについては問題なく射出されるだろう・・

しかし、問題はジムコマンドである・・、既にビームガンはエネルギーCAPも100%補填され、
どこから仕入れたかは不明ではあるが、予備としてビームスプレーガンが1丁
シールドの裏に装着されていた・・ 
武装は問題がない。そして、バーニアの推進剤も満タンに補給されてはいるのだが・・

月には大気はないが、引力はあるわけだ・・

連邦軍は、モビルスーツの配備がやっと行き渡ったかな・・という状態であり、
モビルスーツの有効な運用体制までは、まだまだ整備されている状態ではなかった。
つまり、連邦軍のMSフライトシステムなどは、確立されているはずがない訳だ・・ 

ジオン軍には、重力が強い地球上であっても、巨大な推進力を誇るドダイ型爆撃機を改良し、
MSフライトシステムを確立させている。宇宙空間においても然りで、やはりMSの運用については
連邦軍よりジオン軍の方が一日の長がある・・

そしてアロー市軍の軍事システムは連邦軍のコピーであり、ジオン軍配下では無いため、
アロー市軍にMSフライトシステムなどは存在しないし、現時点では必要性も低い

いや・・ 早い話が、無い!

そのような背景が原因とも考えられるが、要は私達は
フライトシステムを使用せず、どのようにして月の引力圏から脱出することができるのか
正直あまり考えてはいなかった・・


「オーリン・・ ちょっと気になるんだけどな・・ 私はどうやって宙に上がるんだ?」

「さっきマスミンが言ってたよね・・ YUKIKAZEをブースターにして・・ってさ・・」

「いや・・ それは解っているんだが・・ 実際にはどうするんだ?」

「あれ? 方法があるんじゃないの? YUKIKAZE使いのワサビィが知ってるって思ってた・・」

「えっ? オーリンが知っているんじゃ・・」

「そんなの知る訳ないじゃない!
 私は2回カタパルトを使ってのテストをしただけだし、そのまま宙に上がれるから・・
 ジムコマンドの事は考えてなかったわ・・ 宙に上がった後なら、YUKIKAZEの背中に
 貼り付けばいい訳だけどさ・・」

「おいおい・・ まさかカタパルトから射出されてから、ジムコマンドのバーニアを使う・・
 なんて言わないだろうな・・ 折角満タンにしてもらった推進剤が空っぽになるぞ!」

「そうだね・・ ガボット級にでも曳航してもらう?」

「いや、掴まる場所がないだろ? 曳航ロープに引かれてってのは、無重力宙域だったら可能だが
 月引力圏からの離脱には、曳航ロープは無理だろ、挙動を制御できない。
 ミサイル懸架装置にぶら下げる事は出来るかなぁ・・」

「ワサビィ・・ それは無理でしょ・・ ガボット級のミサイル懸架装置は小型だからね
 パブリク級に改装されていれば、大型ミサイルの懸架装置に変換されているけど・・
 でも・・ あったとしても、まさかね・・ ミサイルにしがみつくの?
 馬鹿みたい・・ やっぱ無理でしょ?・・ 」

「あぁ・・ そうだよな・・ じゃあ、私はどうやって上がればいいんだ?」

「今の準備状態だと・・ ジムコマンドをカタパルトから射出してもらい、
 バーニアで落下を阻止しつつ、YUKIKAZEの射出を待つ・・
 YUKIKAZEに曳航ロープを装着し、YUKIKAZEをカタパルトで射出後に加速し、
 ジムコマンドを追い抜く際に、曳航ロープにコンタクト・・
 そうするしかないでしょうね・・
 しかしさ・・ 速度を合わせるのが難しそうよね?・・
 時間がかかると推進剤も浪費するし・・ あまりお勧めとはいえないわね?」

「確かに良策とは言えんな・・ マスドライバーがあれば問題ないのだが、
 せめて、月引力圏からの脱出までは、自機の推進剤は使いたくはない・・」

「とは言ってもね・・ ガボット級の機体にMS用の接続フックでもあればさ・・
 ジオン軍だとフライトシステムを持っているんだよね・・
 アロー市軍にそれを期待するのは無理な相談でしょう!
 わがまま言わず、ジムコマンドのバーニアで・・」

「あのね・・ 隊長・・」と、横で聞いていたチコ伍長が話に割り込む・・

「どうして、MSを操縦して・・ って考えるの? 操縦しなかったら、良いじゃん♪」

「ん? チコ・・ どういう意味だ?」

「荷物になっちゃえば? 衛星基地まで、荷物は毎日運んでるよね?」

「おう! 貨物コンテナか! すごいぞチコ!
 私が貨物コンテナに入り、衛星軌道でリリースするんだな? いけると思わないか?」

「なるほど♪ チコちゃん偉い!・・ ジムを荷物にすれば良いのね、これ、いけそう♪
 そうなると、貨物コンテナ輸送機の手配が必要だよね・・ ちょっとマスミンに聞いてくる!
 ただ・・ 準備できるかな? ワサビィだけは、後発になるかもしれないね・・
 あっ・・ チーフに連絡した? 私もチーフと話したかったけど・・
 よろしく♪ って伝えておいてね!」

「おう! すっかり忘れていた・・ 時間は大丈夫か?」

「まだ、大丈夫じゃね? あっ、チコちゃん・・YUKIKAZEの発進確認、先にやっといて!」

「はーい♪」

「じゃ・・今から掛けて来るかな? 輸送機(コンテナ)の手配は頼んだぞ!」

・・・

オーリンが思い出してくれなければ、すっかり忘れていたチーフへの電話
困った顔のチーフの顔を思い出しつつ、食堂に設置された公衆電話からチーフの店に電話をかける・・
(クレジットのパスワードだっけ・・)

「・・・ はい、セカンド・ルナです・・」

「なんだ! 奥さんじゃないのか? 非常に残念だ・・」

「・・・ おっ!中尉・・ いや、ワサビィ大尉殿! 嫁さんは駄目だって言ってるよね?
     つうかジャストタイミング! すごい情報が入った、点と点が繋がって・・ あっ、公衆回線か?」

「ああ・・ そうだ・・」

「・・・ じゃ、悪いけど、今から言う番号にかけなおしてください・・・ コード3で!」

「解った・・ メモするから待ってくれ・・」

コード3とは、ルナ・ツー防衛隊時代に良く使った、仲間間の合言葉のようなもので、
番号の場合「3」を引く・・ 『4番目の子は俺が頂く!コード3でな♪』とか、何にでも応用できる

チーフが伝える電話番号は携帯キャリアの番号だった・・
その番号から「3」を引いた番号に電話をかける
(何の情報だ? ジオン側の動きが解ったのか?)焦る気持ちを押さえ、電話のコール音を聞く・・

「・・・ 手数を取らせ悪いね、この番号は盗難電話だから1回だけの番号、すぐに捨てるので・・ 
     というか、トムが用意してくれたんだよ・・ ほんと気が利く奴だ♪
     で・・、グラナダの軍港で、核弾頭を積み込んだ可能性がある艦名がわかった
     ムサイ級の『ジークフリート』と『ワルキューレ』!」

「ほう!2隻に絞れたのか・・ で、どちらに積んだか解ったのか?」

「・・・ ん? 忘れた? どっかで聞いた名前はない?」

「ん? どういうことだ?」

「・・・ ワルキューレ・・ ヴァルキューレって発音かもしれない・・
     フォンブラウン工科大学のザクⅡのC型・・ どこに搬入するか覚えてないか?
     実は、俺もうっかりしてたんだけど・・
     ザクⅡのC型は、核バズーカを装備できる核攻撃型じゃなかったか?
     開戦当時は、あの核バズーカで、サラミスなんか一発で轟沈させられた・・」

(な・・ なんだ・と!!)

「すごいぞ!チーフ! 繋がった!繋がったぞ! やっぱり真実は矛盾なく1つに繋がるよな!!
 ザクⅡのC型かぁ・・ なんであの時に気付かなかったんだ! くそぉ!!
 この時期にわざわざ調達する必要が発生したのは、MSが足りないからじゃないんだ!
 そうか・・ C型でないと、核攻撃が出来ない・・ ポンコツでもC型が必然だったんだ!
 核弾頭も核バズーカ用は、核ミサイル用より小型だ・・ グラナダでの移送時も
 小型であるため、目立ちにくいから、目撃情報も入らなかった・・
 全てが繋がるじゃないか!!」

「・・・ だろ? あと補完情報だけど、C型用の単発バズーカを1丁、
     ジャンク屋商会が発注を受け納品してた履歴が見つかった・・ 納品場所はグラナダのF埠頭・・
     この時間にF埠頭に駐留していた艦の中にワルキューレが居たとの情報も確認済みだ!
     どうだ? ビンゴだろ? 報酬を頼むぜ♪」

「こりゃ、確定だな! ワルキューレか・・ 確かに核弾頭はバズーカの単発式でないと発射出来ない・・」

「・・・ で・・引渡しの座標は覚えているか?」

「サイド2宙域だっけ?」

「・・・ そう! サイド2の残礁地域で、ワルキューレという名前のジオン艦とランデブー・・
     って事だっただろ。
     実はその場所は、あの8番コロニー『アイランドイフィッシュ』があった場所・・
     なんか、嫌な場所だね?
     俺も思い出したくはないんだが・・ 逆に因果を感じるよ! こいつは阻止しないと・・
     ちなみに、ワルキューレは後期型、ジークフリートとの見分けはコムサイ接合部の形状だ!」

「おう! 後期型のムサイなんだな・・ 艦橋の形が違うのでは?」

「・・・ いや、艦橋は改装されている可能性がある・・
     でも、コムサイの接合部は改装できない。確実な方で見極る方が良いだろ?」

「ああ解った・・ 本当にありがとう! これで目処がついた! 他には何かあるか?」

「・・・ いや・・ というか、本当にジャストタイミングだとおもうぜ♪
     何とか連絡をつけようと考えたが、方法がなくてさ・・ イライラしてた訳だ
     これは運だ! 成功するパターンだね♪ 期待しているよ!」

「ああ・・ なんとしてでも成功させる!  おう!そうそう・・ オーリンも居るぞ!」

「・・・ おっ?・・ 姉御、MIAだったんじゃ? そうか生きてたか・・ 元気にしてるのか?」

「すこぶる元気さ、さっさと終らせて、すぐに帰るから『ムサカ』を作って待っててくれ!」

「・・・ ラジャ! 通信終わり! お二人のご武運を祈っています!」

「ああ! 期待に添えるよう、やってやるさ! 吉報を待っていろ! 通信終わり!」


何という事だ! 全てのモヤモヤが払拭され、点と点が線で繋がった・・
嵌められた感もなく、全ての情報が連鎖し、アドレナリンが沸騰している・・
これは、神が私に与えた試練だ!
サイド6リボーコロニー、200万人の市民の命を救え!と、神が言っている。

(さて5分前か・・)

最初の射出はガボット級突撃艇で、そのあと2機のボールが続く・・
アロー市軍の訓練が終った後、YUKIKAZEの射出だ・・
(そろそろ、ジムコマンドに乗り込むか! 輸送機&貨物コンテナは準備できたのか?)
と、格納庫に向かった。

<第60話>カマかけちゃおうよ♪」に続く・・・

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