いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第9話>捜索・・ / ガンダム外伝

2007-06-28 09:47:26 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話> から <第8話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/63984e00a496cc4ceab13c1caab8e05c
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・

 「・・・ ブルーベース ユカです! 隊長! ミィ! 聞こえますか?・・・
ブルーワン! ブルーフォオ! 聞こえますか? 応答してください!」

かなり微弱ではあるが、グリフィンからレーザー通信が入った・・
ユカ少尉は何度も叫んでいたようだ・・
そうか、通信が繋がる距離までグリフィンが近づいたんだな・・ 一安心だ・・

「おう! ワサビィだ! 聞こえたぞ!!」

「・・・ あっ! 隊長! ・・ ご無事でしたか? 良かったぁ・・ ♪
     すぐに誘導信号を出しますね・・ 」

「おっと駄目だ! 誘導信号は出しちゃいかん!
 この海域には、まだジオンが潜んでいる可能性がある、発見されるとやられるぞ!
 艦の位置はこちらで探すから、心配しなくていいからな!
 すぐにヒロ中尉もこちらに来るし・・」

「・・・ 隊長!了解です。
     艦長に繋ぎますね、 通信オープンです! どうぞ!」

「・・・ 大尉! ご苦労様です・・ ちょっと嫌な感じがしたので、全速で来たけど
     連絡が取れて良かったわ・・ それで、状況は?」

どうやら艦長の気転で最大船速でこちらに向かってくれたようだ・・ ありがたい・・
第3戦速というのが、巡航時の最大速度なのだが、それはMAX速度ではなく、
艦の性能として維持できる最大の速度なのである。実際にはそれよりも速い速度に
あげる事ができるが、その速度を維持する事は機関に対する負荷等から難しい・・
つまり、第3戦速は巡航時最大速だが、艦のMAX速度はもっと出せる・・ということだ。

それが、第3戦速で向かう・・ ではなく「全速で向かう・・」という艦長の気遣いに
私は素直に感謝した・・ 

「艦長、ありがとうございます。・・
 どうやら、我軍のサラミス級巡洋艦2隻がジオンに強襲され、戦闘になった模様で
 残念な事に、サラミス級2隻は大破し、移住ブロック部分はズタズタです・・
 生存者の可能性がありますので、至急捜索をお願いします。

 尚、敵ジオンのMS3機とサラミス級搭載のジムとが戦闘中でしたので、
 私の判断で、私とミィ少尉の2名が戦闘に参加しました。
 ミィ少尉が1機撃破、サラミス級サドのジムが1機撃破、あとの1機は逃走・・。
 サド搭載のジムは中破しているものの、パイロットは無事で、クマ軍曹と
 名乗っています。至急看護室の準備をお願いします。
 MSデッキではなく、右舷のカーゴスペースにジムを降ろすのが良いと思いますので
 右舷カーゴデッキの準備もお願いします。」

「・・・ 大変だったわね・・ 大尉もミィ少尉も無事で何よりね・・
     至急、看護室とカードスペースの準備を行うわね・・
     あと5分ほどで、そちらに着くと思うけど、索敵は継続してね。」

「艦長・・ ありがとうございます。」

「・・・ おっ隊長!! いたいた!!」

艦長との通信と入れ替わりに、ヒロ中尉が私を見つけ流れてきた、
そして、私のランドセルをジムコマンドの腕で掴んだ・・

「隊長! お待っとぉ!!」

「おう!中尉! ちょっとヘビィだったぜ!
 で・・ミィ少尉とは会ったか?」

「隊長・・ やっぱ戦闘だったんすね・・
 ミィちゃん興奮しちゃって ♪  初陣だったんでしょ?
 1機やっつけたかもしんない! って
 で・・とりあえず、リン少尉が付き添ってグリフィンに向かわせました。」

「そうか! でな・・1機やっつけたかもじゃないぞ・・
 1機やっつけたんだ・・ ミィ少尉がな!」

「ひぃえ~! やっぱミィちゃん、すごいわ! 初陣で1機撃破っすか!・・♪
 やるなぁ・・」

「でな! このジムだが・・
 生存者だ! サラミス級サドのMS隊、クマ軍曹と名乗っている・・
 すまんが、至急グリフィンに連れて行ってくれないか? 艦長には連絡済だ・・
 もう1機のザクを撃破した殊勲者だ! 丁重に頼む!」

「軍曹っすか? 手も足もやられてボロボロなのに、さすが!ベテランパイロットすね!
 凄いや!
 じゃ! 連れて帰ります。
 で・・隊長は? 推進剤カラッポなんでしょ?」

「まぁ、バーニア(アポジモーター)の燃料は若干残っているのでな・・
 残りの生存者を探してみる、悪いがビームガンを貸してくれ・・ 
 私の分は・・ さて何処に行ったのか?
 (シールドと一緒にどこかに行ったようだ・・)」

「あららぁ・・ サミー曹長、怒るだろうなぁ・・
 じゃ・・ これを・・ 私のビームガンは、なくさないで下さいよォ・・」

と・・ヒロ中尉は私にビームガンを手渡し、クマ軍曹のジムを背後から抱え、
そのまま停止した・・ 何か会話でもしているのだろう・・ 心配りが中尉らしい ♪
暫くして、ヒロ中尉はスラスターを一閃し、グリフィンが来る方向に向かっていった・・

ヒロたちがいなくなると、私はデブリの中で単機になっていた・・
本来ならば推進剤も無い状態で、単機になるリスクは回避すべき行動なのだが、
戦闘区域での生存者の捜索は1分でも早い方が良い、人命優先だ!

私はクマ軍曹が言った(曹長がさっきまでそこにいた・・)の言葉が
非常に気になっていた・・

「オーリン曹長とか言ってたなぁ・・」

もし、間違いが無ければ・・・
ルウム戦役の時、同じの飛行隊のパイロットだった彼女に違いない!

宇宙暦0079年1月3日、ジオン軍が地球連邦に対し宣戦を布告。
各サイドに駐留していた連邦軍の各隊は壊滅的な打撃を被った、
そして、ジオンはサイド2の8バンチ(アイランドイフィッシュ)コロニーを
ラグランジュポイントから外し地球へ落下させる。
地球連邦は全力で阻止しようとするが、駐留軍の壊滅状態から戦力も不足し
コロニーの地球落下を阻止することができなかった。
30億人が死んだといわれる 魔の「一週間戦争」である・・・

連邦軍は体制を立て直すべく、宇宙にあるほとんどの艦艇を集め、ジオンに対し
艦隊戦を挑んだ、それが、宇宙暦最大の艦隊戦と言われるルウム戦役である。
このルウム戦役では、ジオンの人型兵器もモビルスーツ「ザク」により、
再度、敗戦した事は記憶に新しい・・ このルウムで35億人が死んでいる・・
集められたのは艦艇ばかりではない、急遽宇宙戦闘機乗りが集められ、
大規模な特別航空隊が編成され、ルウム戦役に投入された。

当時、中尉だった私も、多分に漏れず招集されている。
そんな寄せ集めの隊の中で、一番最初に声をかけてくれたのが、彼女だ!
つまり「ルウムの生き残り」また、修羅場を一緒に経験した戦友でもある!
彼女であるのなら、何としてでも助けなければならない・・
確証は無いが、なぜかこの場所を離れられない衝動が私を襲っていた・・

バーニアを軽く吹かせ、残骸の中を注意深く進む・・
サラミス級のMS搭載数は3機・・ 2機の残骸を探せば良い・・
私は、戦闘を始める前にジムの残骸を見かけた場所に向かった・・

「ええい! 解り辛い!」

MSのモニターは、カメラを通しコンピュータで形状を判断して映し出す方式だ、、
コンピュータが認識できる形状のものははっきりと映し出すが、細かな残骸などは、
コンピュータでは認識不明であるため、モニターにはゴミとしか映らない、
つまり、何であるかが解り辛いのだ・・

私はバイザーを降ろし、ノーマルスーツの気密を確保し、
ジムのコックピットハッチを開けた。 肉眼でデブリを観察するのだ!

宇宙では地上とは異なり、大気が無いため、大気中のチリなどが全く無い。
そのため、異常に遠くまで見渡す事ができる。そのため距離感が非常に掴み難く、
デブリ地帯を移動するのは、非常にリスクが高い・・
しかし・・ 肉眼でなければ、見つけることが出来ない事も事実である!

その時・・ 私の頭の中で、人の息使いが聞こえた・・
いや・・ 聞こえたような気がした・・ が、正しい表現だろう・・
私は、その息使いの方向に吸い寄せられるように、移動していた・・
いや・・ 方向が解った訳ではなく、勝手に体が動いていた・・ が正しい・・

ふとサラミス級の外壁破片の陰に、赤い物が目に付いた! 
他にも赤い物は浮遊している、しかし、何故かこの赤が気になった・・
近づいて凝視する・・

「ジムのシールド?」

我々のジムコマンド用のシールドは薄いブラウンに黒だが、
ジムのシールドは赤く塗装され分厚い物が使用されている。

私の鼓動が急激に早くなっていくのを、自分でも気が付いていた・・
そこにオーリン曹長が居る!と確信していた私がいた・・
私は腰にロープをつなぎ、MSの外にでた・・
軽くエアーを噴射し、体を流していく・・
サラミス級の残骸に取り付くと、中を伺った・・ ジムがそこにあった・・
ジムのコックピットに流れていく・・ 
どうやら、電気系統が完全にダウンしているようだ・・。
緊急脱出装置を使用された後がない・・ パイロットは、まだ中だ!
ジムの脚(足)部分の整備パネルを開き、手動でコックピットハッチのロックを外す・・
コックピットの隙間からエアーの流出を確認する・・

私はコックピットハッチを押し開き、コックピットの中に体を滑り込ませた・・
ジムのコックピットの中は真っ暗であったが・・ 頭の中に聞こえる息使いが
すぐ、そこから聞こえている。(真空なので聞こえるはずは無いのだが・・)

間違いない・・ オーリンだ・・ 
真っ暗で顔も見えないのに・・ 何故か私は確証していた。

私は、すかさずヘルメット同士を接触させる。
「オーリン! 私だ! ワサビィだ! オーリン!!!」

「・・・ えっ・・ 中尉?・・ 」

と一言・・ そのまま、また何も言わなくなっていた・・

「オーリン! オーリン! ・・・ 」

・・・・・

「どうやら・・、そいつらは、単独で行動するジオンの海兵隊のようね・・
 厄介だわ・・ 敵艦隊が近くにいるという訳ね・・」

私は、グリフィンからの救援隊に、後を任せ、艦長に報告するため、
グリフィンのコントロールデッキに戻っていた・・

「噂の海兵隊・・って奴ですか・・ ゴロツキ部隊と聞いています・・
 ここに来て、厄介な奴らですね・・
 ただ、海兵隊の奴らは、単艦から2艦ほどの少数構成で動いているとの
 話ですから・・ やり方によっては勝機はありますね・・
 艦長はどのようにお考えで?」

「そうね・・ それには先取攻撃が有効だけれども・・
 きっと網を張って待ち構えているのでしょうね・・
 危険だけれども、わざと網にかかる・・って手もあるわね・・
 マスミン参謀! いかがかしら?」

「艦長! この先のルウム戦役跡地には、今でも無数のデブリが浮遊しています。
 きっと奴らは、そこでデブリの陰に潜み獲物を狙っているのでしょう・・
 1部隊だけではない可能性もありますね・・
 フォンブラウンに向かう連邦軍補給船や民間の輸送船等が、最近消息を絶っている・・
 との報告がある海域でもあります。
 我らのグリフィンは、一見コロンブス・・
 ジオンの奴らは間違いなく獲物と思って、かかって来ると思われますが・・
 どこから、何時、来られるか不明である事から、
 艦長のおっしゃる(わざと網にかかる)のは得策ではないと・・」

「やっぱりそうね・・ マスミン参謀の言うとおりね・・ 
 情報不足かぁ・・  
 ワサビィ大尉、MS隊に哨戒任務をお願いして良いかしら?
 チーム編成を考えてくださらない?」

「艦長、了解しました、現在ユカ少尉がスクランブルシフト表を作成しています
 そいつを流用します・・ で・・何時から、哨戒を・・ 」

「ごめんなさい・・ ルウム跡地は目と鼻の先・・ 
 捜索活動が終了したら、すぐに哨戒を開始してほしいの?
 できるわね?」

この艦長・・ 口調は優しくかわいらしいが・・ 要求のレベルは・・キツイ・・
ひょっとしたら「S」なのか・・ 

「イエス、アイマム 定期哨戒任務表を作成し後で提出しましょう・・
 また、すぐに哨戒任務にシフトします。」

「はい♪ よろしくお願いします♪
 で・・ 今日の戦闘記録は、後でマスミン参謀に報告書として提出しておいてね ♪」

「イエス、マム!・・」

なんだか・・やけに仕事が増えたような気がするのは・・ 気のせいかなぁ・・
どうもあの「♪(笑顔)」にやられてしまう・・

「ユカ少尉! メンバー全員をMSデッキに集めてくれ!
 そして少尉も後から来てくれ・・」

「了解です! 隊長!」

「ベリーベースより ベリーチームへ!
 各機、捜索活動を終了し、グリフィンに帰艦せよ!
 捜索作業は、サミー曹長の捜索班に引継ぎ、全機帰艦の事!
 ベリーベースより ベリーチームへ・・・ 」

・・・

MSデッキでは、モビルスーツ着艦のための着艦ネットが準備されていた、
すでにリン少尉とミィ少尉の213号機と214号機は着艦し、
MSハンガーに収納されていた。 あとは、ヒロ中尉の212号機だ・・

ヒロ中尉のジムコマンドが目視できた・・
宇宙の中では距離感が全く掴めないので、人間が宇宙に浮かんでいるように見える・・
しかし・・  その人間は見る見る間に大きくなり10倍の大きさになって、
艦に飛び込んでくる・・

モビルスーツの着艦は壮絶だ! 運動エネルギーを一気にゼロにするのだから・・

最後のジムコマンドが着艦し、MSデッキの前面のハッチがゆっくりと閉まっていく・・
完全に閉まった後、パトランプが回り真空のMSデッキに急激に空気が抽入される。

真空に空気が触れることで発生する真空蒸発で、空気中の水蒸気が一気に氷結し冷却される。
突然、真っ白な霧に包まれるのだ。私は、その風景が好きだ・・ 
その霧の中から、勇猛なモビルスーツが現れる・・ まるで神が降臨するように・・
そんな気がするからかもしれない。

今までヘルメットの中のスピーカーからの音だけが、
徐々に通常の騒がしい音に変わっていく
空気が充満し、音が伝わるようになったからだ・・
私はヘルメットを外し、212号機から降りてくるヒロ中尉の方向に向かった・・

「中尉! すまん・・ 艦長じきじきのお願いだ
 哨戒任務で飛んでくれ・・  まず、ユカ少尉とペアだ!
 ユカ少尉も飛ばせておきたい・・」

「ふぅ・・ 演習から休む間も無くですね・・
 艦長も人使いが荒いや・・ ありゃ Sですぜ! 隊長!・・」

「そうかもな・・ で・・ オーリン曹長とクマ軍曹はどうした・・」

「2機のジムは回収し、隣のカーゴデッキに運びました。
 サミー曹長が、1機はすぐにでも修理できるけど、
 1機は少々時間がかかりそう・・ってさ
 で・・ オーリン曹長もクマ軍曹も、救護室に運ぶように・・と、
 コンペット准尉が担当されています。
 そういえば・・ 
 隊長って、コンペットちゃんと会った事無いんじゃないっすか?」

「えっ?いちごちゃんか? 貴様! 会ったのか?」

「チラっとですが・・・ 優しそうな・・中々っすよ♪」

「そうか・・ やっぱりそうか・・ 
 看護婦さん、セーラー服などは、いわゆる1つの萌え要素だからな!」

「ですよね~ ♪」

「こりゃ、楽しみが増えたな・・ 後で様子を見に行くか・・」

「そうっすね・・ で・・ 目的はどっちっすか・・」

「決まってるだろ! どっちもだ♪ で・・ 何人ぐらい救助できたか聞いたか」

「そうすね・・10分ほど前ですけど、大体、30余人ほどって聞いています。」

「30人程かぁ・・ サラミス級の要員は1隻300人だ・・ 2隻で600人・・
 冥福を祈るしかないか・・ でも30人も救えた! そう考えるべきだな・・」

「そうすっね ♪ プラス思考です! 特にベテラン要員を少しでも救えた事は
 我軍にとって、非常に重要なポイントでもありますから。」

「なに、2人で話をしているの?
 どうせ、おねえちゃんの話でしょ! もう、鼻の下を伸ばしてるんだから!」

そんな話をしているうちに、メンバーが回りに集まってきた・・

「リン少尉・・ 見損なうなよ! 今は、おねいちゃんの話はしていない、
 1分前ならしていたがな ♪ 恐れ入ったか!
 で・・ 全員揃ったか?・・」

私は、メンバー1人1人の顔を確かめた・・
良し!モチベーションは高いぞ!

「ユカ少尉・・ スクランブル体制表の話だが・・ コントロールデッキでの
 艦長との話は聞こえていたな・・ 
 悪いが、定期哨戒任務を含め案を作ってくれ・・
 ただ、明日で良いぞ・・今から飛んでもらうからな ♪」

「えっ? 私が飛ぶのですか?」

「ああ・・ ヒロ中尉とペアを組んでくれ!」

「よろしくねぇ~ ユカちゃ~ん♪」

「やはり、この後の事を考えると、パイロットは多い方が良い・・
 私の211号機を使ってくれ、シートセッティングなど、サミー曹長に頼みたいが・・
 現在も捜索作業中だ・・ ジムコマンドの整備は我々で行う・・
 ヒロ中尉とユカ少尉は、すぐに休息を取れ、
 リン少尉、ミィ少尉・・ 悪いがジムコマンドの整備に付き合ってくれ!良いな!
 211と212を先に整備するぞ!」

「了解!」

「隊長! 消臭剤って、どこかにありましたっけ?」

「リン少尉・・ 消臭って・・なんだ。」

「だって、ユカをオヤジ臭い、211に乗せるのでしょ?」

「・・・なにぃ お前だって・・ この前、高機動でおしっこ漏らしたって・・」

「ああ!! セクハラですってばぁ! 言っちゃダメ!」

「ふん 今日は勝ったな♪ まだまだ、青いぞ ♪
 で・・ ユカ少尉・・ 消臭剤は無いが・・
 スクランブル体制表のシフトチームの1番は、ヒロ中尉とユカ少尉、
 2番はリン少尉とミィ少尉としておいてくれ・・・
 明日は、私も飛ぶからな・・ バンバンシフトに組んでくれても良いぞ!」

「ねぇ・・隊長って・・  やっぱMなんすか? ♪」

「バカを言うな!・・ 
 でも・・ほんの少し・・あるのかもしれんな・・ ♪」

「<第10話>地獄耳?」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/fce28cf5b960fc78bf7e731c7ea0714bに続く・・・

(2007/06/28 09:47)


<目次> 第1話 から 8話まで! / ガンダム外伝

2007-06-19 18:45:48 | [小説]ガンダム外伝


「いちごわさびのガンダム外伝」 (題名つけないといけないなぁ・・)

<目次> 第1話 から 8話まで!  (^O^)/

「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46a
「<第8話>初めての戦闘!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/2735929407d935b8ffe65adba543f819


・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


<第8話>初めての戦闘! / ガンダム外伝

2007-06-19 17:38:48 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46a
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


私がミィ少尉を視認した時、ミィ少尉のジムは3時方向を指さしていた・・
私も3時方向に目をやった・・  なにぃ!! 戦闘中か!!
バーニア炎とビーム交差の輝きが目に入る・・ 距離は2500といった所か・・
私はまた、214号機の背中部分にMSの手を触れた・・

「ミィ少尉 行くぞ!」

ん?返事が無い・・

「どうした? ミィ少尉?」

「あっ・・ ハッ・・ハイ・・ 大丈夫です・・」

少々パニックになっているのか?・・ そうか・・少尉は初めての実戦だ! 
作戦を少し考えないとまずい・・・

演習の時のロックオン回数の多さ・・ それがミィ少尉の武器だと感じる・・
それを生かすためには・・、 距離を取らせよう・・ 狙撃&射撃だ!
その分、私が接近戦になるのだが、
この新型の機動力があれば、そうやすやすとはやられる事もあるまい・・
ただ、ジオンのパイロットがベテランであった場合、この新型でも1対1になると
苦戦するだろう・・ それほど、ジオンのパイロットの技術は高い!
それに対応するためには、機動力とチーム戦・・ それが全てだ・・

「ミィ・・ いいか良く聞け・・
 お前には私が付いている、心配するな、絶対に守ってやるからな・・
 でも・・ あそこで戦ってる仲間は、守ってくれる仲間がいない・・
 それを守ってあげれるのは・・ ミィ・・ お前の勇気だ!」

「ハイ・・ 隊長!」

「よし! いい子だ!♪ 近くまでデブリの陰を伝わって行くぞ!」

戦闘区域と我々の間にデブリがある位置に移動し、スロットルをくれてやり、
1000ほどの距離があるデブリに取り付いた・・

ジオンのMSは3機・・ ザクが2機に新型のゲルググが1機だ・・
味方のジムは初期生産型で、以前に私が乗っていたタイプだが・・
右腕と左足をやられている・・ だが・・パイロットの腕が良いのだろう、
バランスが取りにくい状態であっても、機敏な動きをバーニアの制御で行っている・・
スラスターは使用していない・・ どうやら推進剤がなくなっているのだろう・・
右腕がやられている事から、ビームスプレーガンは持っていない・・
残った腕のシールドと頭部バルカンで、果敢に応戦している・・
それだけで、ベテランのパイロットである事が見て取れる・・
しかし・・ 形勢は極めて不利だ!

「ミィ・・ いいか?・・ 敵さんの動きを見ろ・・
 敵さんはザクが2機、そして新型らしいトサカ付きが1機だ・・
 奴らは、ジムの母艦が無い事を承知の上で、チーム連携も無く、
 ジムを追い詰めているのが解るか?・・
 また、奴らはこちらを全く意識していない・・
 やれるな?・・
 動きの単純なトサカ付きをここから狙え! まず新型の足を止めたい
 私は、奴らの背後に回り射撃位置に付く、
 私が撃つのが合図だ、私が撃ったらミィも撃て!
 狙撃後は、私の援護に回ってくれ! 距離は保てよ!
 私は、奴らの懐に飛び込み、かく乱する・・
 お前なら出来る! 大丈夫だ! 私が保証する!」

「了解です! 隊長!」

言葉に力が戻ってきたか・・
1つだけ、言葉を飲み込んだ・・ 
私がやられたら全速力で逃げろ・・きっとヒロ中尉たちと合流できるから・・
伝えておきたかったが、それを言うと不安が増大するだろう・・
今は、言ってはいけない・・
大丈夫だ! 私も出来る!
ミィ少尉に言った言葉を私自身にも言い聞かせていた・・

「よし、あいつを助ける事を優先するぞ!
 敵をやっつけようと思うな・・ 足を止めろ、稼動しなくなれば良い!
 帰ったら、おいしいミルクでもご馳走してやろう!
 ミルクパーティだ♪ 楽しいぞ!」

「うふっ♪ 楽しそう!・・ 大丈夫です、 やれます!!」

「よし! 作戦開始だ!」

本当にミルクパーティをするつもりなど、全く無いのだが・・
無事に帰る・・ つまり「生きて帰るのだ!」というメッセージが
ミィ少尉には確実に伝わっただろう!
そうそう・・ 戦闘区域内では、酒はご法度だ・・

私はデブリを蹴り、敵MSの背後に回りこんだ・・ 距離が近づく・・
ビームガンの照準をジオンの新型ゲルググに合わせ、ビームを放った!
すかさず、ゲルググが反転し、私の攻撃をかわした瞬間に
ミィ少尉が放ったビームガンの一閃が見事にゲルググを貫いた!
ゲルググは機能を停止した・・

  1機撃破!

すかさず2機のザクが左右に飛ぶ! どっちだ?
ミィ少尉が左のザクの行く手をさえぎるようなビームを打ち込んでくる!
いい援護だ!
素早く、足が止まった左のザクの懐に飛び込み、ビームサーベルを振りぬいた!
ザクはザクマシンガンで私のサーベルを受け止める・・ 手馴れだ!
モニター全面にザクのモノアイが赤く不気味に光った
ザクの肩にはドクロマークが描かれている!趣味が悪い! しかしエースか?
やはり、新型は新人だったか! ザクのパイロットの方がはるかに腕が上だ!!
バルカンを一制射したあと、得意の蹴りをドクロ野郎のザクの腹部に見舞ってやった!
ザクとの距離が離れる・・
その瞬間にもう1機のザクにビームガンを合わせ、打ち込んだ!・・
こいつは動きが速い! このザクはF型ではなく、高機動の改良型か?!!
長引くと分が悪くなりそうだ・・
ミィ少尉が狙撃位置から射撃位置までポジションを変えて援護射撃をしてくれて
いるが・・ まずい・・ ミィ少尉が狙われる! 近づきすぎだ!

先ほど蹴り倒したドクロ野郎が、ミィ少尉に向かって攻撃を仕掛けていた・・
迷わずミィ少尉に向かうドクロ野郎の進路方向に、ビームを数発打ち込むが・・
「ピーピーピー・・ ちぃ!! ロックオンアラームか!」
高機動の奴が私を狙ってやがる! 機位を反転させ、フルスロットルをくれてやる!・・
ミィ少尉もフルスロットルで転蛇し、ドクロ野郎の攻撃をかわしていた・・

その時ふと気が付いた・・ ドクロ野郎はマシンガンを使用していない・・
そうか! 先ほどの私のビームサーベルの攻撃をマシンガンで受けたため、
マシンガンを損傷しているのだ!・・
すかさず、レーザー通信の回路を開いた(傍受されてもかまわん!!)

「ミィ! ドクロ野郎はマシンガンが使えねぇ! 距離を取れ!」

そうなると、こっちは・・
「お前さんが私の相手だ!」・・と 高機動型のザクにビームガンを発射した!

「ちょこまかと良く動く奴だ!」
相手もそう思っているだろう・・ こちらも新型だからな スピードなら互角だ!
近づいてはクロスし、また離れては射撃での応戦!
こいつ・・ 喰らいついてくる! 先ほどのジムはこんな奴らと戦っていたのか!
離脱が難しい・・

ビーム残数が1発になった・・ ミィ少尉にかかっているドクロ野郎に打ち込む!
ドクロ野郎は感も良く、方向を変える・・
ここから、ビームガンが15秒使用できない、懐にもぐりこむか・・
それとも距離をおいて時間を稼ぐか?・・
時間を稼げばヒロ中尉達も到着するだろうが・・
手負いのジムのパイロットの様子も心配だし、ミィ少尉も追い詰められている・・
更に悪い事に、推進剤の残量アラームが赤く点滅を始めている!
ミィ少尉も同じだろう・・ 時間は掛けられない!

「ええい! 南無参!」

ミィ少尉の援護が無くなっている・・ 既に弾切れか?・・ ケリをつけねば!
私は迷わず、ビームサーベルを抜いて高機動ザクの懐に飛び込んだ!
ジムのビームサーベルとザクのヒートホークとがぶつかり合い火花を散らした。

その時、私は左手に持っているシールド(盾)をザクに投げつけ、その手で2本目の
ビームサーベルを抜き、ザクに突き出した!
シールドを捨ててのビームサーベルの二刀流だ!左手のサーベルがザクの頭部を
ぶち抜いた!

メインカメラを無くしたザクは、その場を離脱しようと、後方に跳ね飛ぶ・・が・・
そこに間髪入れず、最後の力を振り絞った手負いのジムがザクの背後に回り込んだ!
ジムは迷わずバルカンをフル制射し、ザクに数発がHITした!
ザクの足が一瞬止まる! 

「よし!」

私は2本のビームサーベルを高機動ザクのコックピットを避けて突き刺した!

  2機目を撃破!

執拗にミィ少尉を追いかけていたドクロ野郎のザクは、僚機がやられたのを
見た瞬間に戦闘区域を離脱した・・ 深追いは禁物だ・
引き際が良い・・ できるパイロットの証拠でもある・・
やはり、ジオンのパイロットは錬度が高い・・

スーっと汗が引いていくのを感じた・・
各部センサーとレーダーを確認する、他の敵が残ってないか?の確認だ・・
戦闘が終了した後のちょっとした隙が命取りになることを、私は経験から学んでいた・・

サーマルセンサー、レーダーの各部に異常なし・・

「ふぅ!・・」

ヘルメットのバイザーをあげ、私は大きく溜息をついた・・ 戦闘終了だ・・
 
ミィ少尉の214号機に近づき背中部分に手で触れる・・

「ミィ、やったな!!・・ 初陣で1機撃墜だぞ! それもトサカの新型だ!」

「もう、無我夢中で、何にも覚えていませ~ん・・ ドクロ大っ嫌い!」

「いやいや・・
 本当に良くやったぞ! さすがベリー小隊の一員だけはあるな!
 ちゃんと、ミルクは奢ってやるからな♪・・ いちごミルクは美味いぞ!」

「え~・・ 隊長ぉ・・
 私は子供じゃ無いですよ! お・さ・け♪で、おねがいします♪」

「そうだな・・ お酒は、この作戦が終ったら付き合ってやろう!
 まぁ今日はミルクパーティ!だな ♪
 では・・ 私は負傷のジムの救助を行う、・・
 ミィ少尉はヒロ中尉がそろそろ到着すると思う、連絡を取ってくれ!」

「了解です! で・・ たいちょお?・・」

「なんだ?」

「さっきまで、名前で呼び捨てだったのにぃ・・
 もう、戻っちゃったな・・って ちょっと残念 ♪ ・・・
 ベリーフォオは ベリーツーとのコンタクトを取るべく哨戒任務に入りま~す!」

「おう!♪ いい子だ! 行って来い! 推進剤の残量には気をつけろよ!」


私はミィ少尉と別れ、急いで中破したジムに取り付いた・・ 
ジムの肩に手を置きふれあい通信を行う・・

「オイ! 無事か? 官姓名は名乗れるか?
 私はMS運用艦グリフィン所属のワサビィ大尉だ・・」

「援護ありがとうございます! 大丈夫であります!
 自分はサラミス級巡洋艦、サド(佐渡)のMS隊所属、クマ軍曹であります!
 本当に援護頂き・・ ありがとうござ・・うっ・・ うっ・・・・」

「軍曹!! どうしたんだ!?」

「いえ、こうして生き残ったのが・・ 信じられなく・・ 仲間にも申し訳なく・・」

「そうだな・・ せっかくの生き残った命だ!
 仲間の分まで生きていかないといけなくなったな・・
 しかし! 重荷にはするなよ!」

「は・・はい! あ・・ ありがとうございます!・・」

「他にお前の隊の生き残りはいないのか?」

「隊長は・・ 小隊長のマーク少尉は・・ 戦死されました・・
 あと曹長が・・ オーリン曹長のジムが・・
つい先ほどまで、そこに居られたのですが・・・」

そういえば・・
デブリの中に我連邦軍のジムやボール、そして敵のザクが流れていた事を思い出した・・


「そうか・・ 私達の母艦がそこまで来ている・・輸送船の改造艦だがな・・
 皆で捜索することを約束しよう!
 艦についたら、今は何も考えず、ゆっくり休め!・・ わかったな・・」

「大尉殿・・  ありがとうございます!・・」


・・・

「・・・ たいちょ~ぉ・・どこっすかぁ~」

おっ? ヒロ中尉の声だ! 

「おーい!! ここだぁ!
 推進剤を使い果たしてしまった・・ もう一歩も動けないぞー
 グリフィンに至急連絡してくれ、生存者がいる、受け入れ準備を頼む!」

私はジムコマンドの両腕で光るビームサーべルを振り回し叫んでいた・・

「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2に続く・・・

(2007/06/19 17:38)


ガンダム外伝を楽しむための補講(3) / ガンダム外伝

2007-06-15 12:36:25 | [小説]ガンダム外伝


お待たせの(^O^)/ 3回目の補講です。

今回は、MS運用艦グリフィンの主要兵器であるモビルス-ツについて
説明します(^O^)

写真は、ドリームキャスト用ゲーム「ガンダムバトルオンライン」の攻略本(講談社)
より引用しちゃいましたσ(^^)

宇宙空間で戦っているジムコマンドです。左下に見える緑の艦は
敵のジオン軍ムサイ型巡洋艦で、左上の奴はジオンのジッコ突撃艇です。
写真は本の中の小さな写真でしたので、接写してもボケちゃって・・

でも、この物語に一番感じが似ている絵でしたので、イメージをつかむのに
良いかな?と感じUPしました。

で・・ どこかに書きましたが、この物語を書くきっかけになったのが、
りんぞうさんが作られたジムのガンプラです。そのブログを見て頂きますと、
ガンプラの写真が貼り付いていますので、どんなモビルスーツなのかがすごく
理解しやすいと思います。(ガンプラはRGM-79で、ジムコマンドではありませんが・・)

<補足>
第7話の最後から6行目ぐらいに出た
「戦闘ポッドのボール」ですが。 (RB-79 という形式番号です)。
(これはきれいな絵が下記のサイトにあります
http://www2.plala.or.jp/kobaruto/shiryou.htm <=こちらのサイトです。

では、説明を・・・
------------------------------------------------------------------------------
<第21独立部隊 MSグリフィン隊(通称名:ベリー小隊)>

 グリフィンが艦名であることから、正式名称は「MSグりフィン隊」です。
しかし、艦内では艦名と同じでは、運用上の伝達ミス等の恐れがあり、通称名
(コール名)をつけています。

 本来は「ストロベリー」とする所ですが、長いのでσ(^^) 都合上「ベリー」と
しました。(他意はありません)そのため、コールサインは「ベリー」に数字を
付けて呼称する事になります。

ベリーワン、  ワサビィ大尉(小隊長)
ベリーツー、  ヒロ中尉
ベリースリー、 リン少尉
ベリーフォオ、 ミィ少尉
ベリーファイブ、ユカ少尉 尚、MSオペレータ時はベリーベースと呼称します。
この後、増えるかもしれませんが・・
増えたらベリーシックス、ベリーセブンになります。


 部隊マークは「かじったいちご」で、運用機はジム・コマンド(宇宙戦仕様)4機。
ちなみに、コロニー内など重力下での運用はできない「宇宙空間専用機」です。
(写真を参照・・ こんな感じのモビルスーツです)
 21独立部隊の「21」に「1」~「4」を付けた「211号機」から「214号機」で
呼称されます。MS番号はMSを表す番号であり、上記コールサインは、パイロットを
表す呼称ですが、どちらでも通用する場合は区別をつけず使用されます。

「おい!212! なにやってんの!?」=「ヒロ中尉なにしてるの?」と同意になります。

尚、通常では小隊は3機構成ですが、現在は4機で2つに分けるには運用機数が
不足するため「現時点では小隊での運用」と定義しています。


<グリフィン搭載MS>

ジム・コマンドGS(宇宙戦仕様:RGM-79GS)が4機です。
重力下でも宇宙空間でも汎用的に運用できる、ジム(RGM-79)を「宇宙空間専用型の改装」
を行った機体であり、重力下での戦闘用の機器は全て排除し、宇宙専用機とした事から、
短期間で高性能な機体を開発しています。(重力下では運用できません)

ジム系のモビルスーツの中で、1年戦争時代では最高スペックのモビルスーツです。

緒元(制式サイト設定)

ジム・コマンド宇宙戦仕様
 型式番号 RGM-79GS
 生産形態 少数量産型
 頭頂高 18.0m
 本体重量 44.6t
 全備重量 75.0t
 ジェネレーター出力 1,390kW
 スラスター総推力 74,000kg
 装甲材質 チタン・セラミック複合材
 武装 ビーム・ガン、ビームサーベル×2、60mm頭部バルカン砲×2
 装備 シールド


次に、第7話で戦闘中だった、初期型のジムと簡易戦闘ポッドボールの緒元も
必要ですので追記しておきます。比較してみてください。
(ジムは大気圏内重力下での稼動も可能です)

ジム
 型式番号 RGM-79
 生産形態 量産機
 全高 18.0m
 本体重量 41.2t
 全備重量 58.8t
 ジェネレーター出力 1,250kW
 スラスター総推力 55,500kg
 装甲材質 チタン系合金
 武装 ビームスプレーガン、ビームサーベル×1、60mm頭部バルカン砲×2
    ハイパーバズーカ
 装備 シールド

ボール(戦闘ポッド)
 型式番号 RB-79
 生産形態 量産機
 全高 12.8m
 本体重量 17.5t
 全備重量 49.0t
 ジェネレーター出力 400kW
 ジェネレーター方式 燃料電池
 武装 180ミリ低反動砲(弾数21発)
 特記事項 180度姿勢変換 2.2秒


参考までに「ガンダム」の緒元も書いておきます、比較するとやっぱりパイロットの
アムロ・レイがすごかった事が理解できますね。装甲材質が特殊なだけで、スペック的
にはジムコマンドの方が上なのです。
(ただ、ガンダムは大気圏内重力下での稼動も可能ですが、ジムコマンドは宇宙専用です)

ガンダム
 型式番号 RX-78-2
 生産形態 試作機
 全高 18.0m
 本体重量 43.2t
 全備重量 60.0t
 ジェネレーター出力 1,380kW
 スラスター総推力 55,500kg
 センサー有効半径 5,700m
 装甲材質 ルナ・チタニウム合金
 武装 ビームライフル、ビームサーベル×2、60mm頭部バルカン砲×2
    ハイパーバズーカ、ハイパーハンマー、ガンダムハンマー
    スーパーナパーム
 装備 シールド


<搭載MS(ジムコマンドGS):火器>

 ここでジムコマンドの携帯火器が「ビームライフル」ではなく「ビーム・ガン」で
ある事に気がつきます。ジムコマンドのベースになったジムはビームスプレーガンを
装備していました。ビーム・ガンはそのビームスプレーガンの強化型であり、
ビームライフル程の威力ではありません。しかしながら、ビームの収束率を上げているので、
射撃有効距離が上がっています。地上(大気圏内)での有効距離が950メートル
(スプレーガンは450メートル)なので、ビームの減衰率が低い宇宙では、約2倍の
1900メートルを有効射撃距離と設定しています。MSの身長は18メートルですから、
感覚的に距離は10分の1で想像すると、理解しやすいと思います。(2000メートル
からの射撃だったら、200メートル離れたところからの射撃する・・って事ね)

 なお、ビーム兵器(ビームとはメガ粒子の事で大型の物はメガ粒子砲とも呼ばれます)は
エネルギーCAP(縮退してメガ粒子に変化する直前の状態で蓄積しておく装置)内に充填
された素粒子をビームとして使用していますが、1年戦争時代の物はエネルギーCAPが
銃に内蔵されたタイプしか出ていません。そのため、弾数に制限がありビーム・ガンでは
12発となっています。
 ただ、再チャージが1回だけ可能な容量と想定しており、15秒のチャージ時間で
再度12発撃つ事が可能ですが、15秒のチャージ時間内は撃つ事ができません。
(たった12発では、話が続かない・・って事で、でもガンダムのゲームのように
 チャージ時間さえ逃げ回れば、何度でもチャージできるのも、おかしいと考え
 1度だけ、チャージできるとしています。まぁエネルギーCAPは2つあって
 それを切り替える時間・・と思ってください)

 60mmバルカン砲は頭部に2つ付いています。艦のガトリング砲と同様に実甲弾です
ので、弾数は300発x2との想定です。連続射撃では30秒で撃ち尽くしてしまう弾数です。
また、5秒連続で射撃するとオーバーヒートを起こしますので、1秒以内で小刻みに
発射する事が必要です。
 尚、頭部に設置されているため、発射時の反動が上半身にかかりますので、そのまま
では、のけぞってしまいますね・・ そのためバルカン発射時には、バーにアなどでの
姿勢制御が必要になりまが、まぁコンピュータがその辺は制御してくれたりしますが・・

 あと、グリフィンのカーゴ(倉庫)に予備パーツが積み込まれています。その中にも
予備の火器も積み込まれています。

ビーム・ガンx4、ビームスプレーガンx4、試作バズーカx2 との設定ですので、
戦闘でビーム・ガンを無くした場合、ビームスプレーガンに持ち替えるしかありません。
(バズーカは威力は高いのですが、対MS戦では命中率が低くなります。対艦攻撃向き
 ですね)

おおよその、火器比較を書いておきます

ビーム・ガン
 威力 24(バルカン砲の弾が1発Hit!した時を「1」と設定)
 弾数 12発
 大気圏内有効距離 950メートル
 チャージ時間 15秒
 チャージ回数  1回

ビームスプレーガン
 威力 12
 弾数 20発
 大気圏内有効距離 450メートル(250で威力半減)
 チャージ時間 10秒
 チャージ回数  1回

試作バズーカ
 威力 20(+誘爆効果で+15)
 弾数 6発
 大気圏内有効距離 1500メートル

60mm頭部バルカン砲
 威力 1
 弾数 300発(10発/1秒とかなり低速に設定です)
 大気圏内有効距離 300メートル(200で威力半減)
 連続掃射時間 5秒(5秒以上でオーバーヒート)
 


<小隊編成での戦闘方法>

小隊は本来3機構成です。そこに1機の予備機がある構成ですが、戦場では1機でも
多いに越した事はありません。そのため、4機での戦法を実施しますが、基本は3機
での構成です。

・1to2の基本フォーメーション
 3機が別のタスクを受け持ちます。
 1、白兵
   近距離に位置して敵と交戦する白兵タスク、ガンやサーベルなどでの対戦です。
 2、射撃
   中距離で、白兵タスクを援護する射撃タスク、常にガンでの攻撃です。
 3、狙撃
   遠距離から、射撃と白兵タスクを援護する狙撃タスクで、自分の母艦にも一番
   近いことから、母艦を護衛する任務も含まれています。
   このような3つのタスクが基本で、敵側の援護ラインを切断し、敵を単機に
   孤立させる事が目的です。


 敵の出方次第でここのタスクチェンジを行う事が前提であり、1機の敵に固執せず、
 臨機応変に敵と交戦します。常に味方機の状態をチェックし、味方の援護を中心に
 戦闘を行います。
 早い話が、自分が敵にロックオンされていても、その敵を味方の誰かが攻撃してく
 れる事を前提に、自分は他の味方機を攻撃しようとしている敵を攻撃し、味方機への
 ロックオンを外す事が目的です。
 ジオン軍のパイロットは個人技に長けたパイロットが多い事や、武勲を立てることが
 出世に繋がる考えがあることから、必要に自分で撃墜する事を目的とし、攻撃をしか
 けてくる傾向があることから、その攻撃をかわしつつ、徐々にダメージを与え、
 撃退する作戦になります。

 尚、4機の場合は射撃タスクを2機にし、白兵タスクとのチェンジ回数を増やす
 事で、白兵タスクの疲労を少なくする方法と、
 新たな4番目のタスクとして、対艦タスクを与える方法があります。

 4、対艦
  対艦タスクとは、MSの戦闘エリアを単機で離脱し、敵艦船に対し単独で
 アタック攻撃をかける戦法です。
 あくまでも、敵艦船から全機のMSが発進していると判断された場合に実行し
 敵艦船にダメージを与え、パイロットの逃げ場を無くす方法です。
 MSは母艦がなくなると、宇宙上で孤立してしまいます。そのため、母艦を守る事
 が、常に一番高いミッションになっているのです。

 対艦タスクが敵艦船にアタックをかけると、敵のMSは母艦を守るべく、離脱運動
 を開始しますが、敵MSを戦闘区域から離脱させないよう、交戦を引き伸ばす戦い方に
 白兵や射撃タスクの目的を変更します。


・2X2フォーメーション
 4機の運用になることから、2機の小隊2つに分けて運用する作戦です。
 基本は1to2の基本フォーメーションの白兵タスクと射撃タスクのみの
 チームを2編成で運用する戦法です。
 ただ、通常の2機編成の2つの小隊と異なる点は、射撃タスクはコンビの白兵タスク
 のみにあらず、別チームの白兵タスクも援護します。つまり、援護が2機、白兵が
 2機で互いにクロスするイメージです。

 尚、この戦法の際は、母艦の護衛がおろそかになる危険性があるのですね・・
 使い方を間違えるとリスクが高くなる難しい戦法になります。
 一機でも予備のMSがあれば、良いのですが・・

 MS運用では最小編成が2機編隊であり、絶対に単機での運用は行いません。
 (ガンダムだったら、話は別ですが・・ 奴は単機で十分ですね σ(^^) )
 逆に敵を出来るだけ単機にする・・ それがMS戦闘の基本になるのです。


ということで、MS小隊の説明を終ります。

                                     ではでは(^O^)/

・・・・・
<本編>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46a
「<第8話>初めての戦闘!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/2735929407d935b8ffe65adba543f819
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
・・・・・

(2007/06/15 12:36)


<第7話>索敵! / ガンダム外伝

2007-06-12 12:03:37 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


白兵の相手はヒロ中尉か! ちぃ!厄介な奴が相手だ!!・・
しかし!!まだ甘い! ビームサーベルが遅いっ!!

「中尉! 距離が150になったら、迷わずシールドを前にし、ビームサーベルを抜け!
 最初の一撃に集中しろ! 白兵戦の時間はMAXでも15秒以内と考えろ!
 チャンバラはするなよ! 一撃離脱が基本だ! ウロウロしていると味方に撃たれるぞ!
 離脱の際は足を使え! ザクを蹴り倒すのは非常に有効だ!
 ザクと接触した後に離脱する際は、直線で移動するなよ、必ず方向転換を行え!
 直線で移動すると敵からは狙い目になるからな!」

ヒロ中尉の212号機は、私のビームサーベルをシールドではじき返し、
素早くガンを私に向けてきた・・やるな・・ 
私は軌道を変え、リン少尉に向かう、ヒロ中尉は素早く追走し、行く手を阻む・・

「常にターゲットを変更しろ! 1機の敵にかかっていると、他の味方機が危なくなる。
 離脱したら、次の敵にアタックをかけろ!
 敵と距離が離れたら、射撃タスクに移行しろ! 狙撃タスクの機位も確認を怠るな!
 味方が自分を援護できない状況と判断した場合は無理をするな! 敵との距離を保て!」

と言っている間に、ヒロ中尉のビームサーベルが私のシールド(盾)に突き刺さった、
いい間合いである、迷いが無い、良い太刀筋だ・・ 
だが、きれいな筋であるから、逆に読める・・ 
私はシールドをヒロ中尉のジムにぶつけ、はじき出しフルスロットルを吹かせた・・
そして、その瞬間に援護位置にいた、213号機をガンカメラに捕え HIT!した!

「・・・ こちらベリースリー 一発やられました・・」

「・・・ しまった!」と・・ヒロ中尉の声が混じる・・

「リン少尉、援護位置は射撃タスクだ! 私を落とす事ばかりを考えていたろう!
 だから、ヒロ中尉の背中ばかりが見えて、射撃を躊躇していたな?・・
 射撃は距離500前後で、動きながら白兵タスクの援護射撃を行え、止まるなよ!
 白兵タスクが相手をしている敵の動きを予測し、敵が味方のジムに接触できないよう
 進路を塞ぐように援護しろ! 敵を落とそうとは考えるな!援護が任務だ!
 白兵機が敵と接触し、離脱するタイミングを逃すな! 狙い目だ!
 敵の動きに注意しろ! 敵は1機ではないぞ! 自分に向かってきたら、
 即座に白兵タスクに移行すること!
 狙撃タスクの機位も意識しろ! 狙撃タスクのジムに敵が接近した場合、
 援護を行うのも射撃タスクの任務だ! チームで戦う事を意識しろ!」

私はリン少尉にビームサーベルで切りかかった!
ヒロ中尉は射撃位置で援護に回っているが、リン少尉の後ろに回ればヒロ中尉は撃てない!

「・・・ ベリースリー 離脱しろ! 後は俺がやる!!」

ヒロ中尉の声がする・・ リン少尉の防御が遅い!

「シールドは飾りか?! コックピットブロックの前に常に構えろ!
 メインカメラががら空きだぞ! ジムの頭部も守れ! やられるぞ!
 メインカメラをやられたら、迷わず後方に待機し、狙撃タスクに移行しろ!」

リン少尉がシールドで防御を固め、私との距離を開けた!
ヒロ中尉機がリン少尉の機体に重なり死角が出来た瞬間、私は反転し!
ミィ少尉の位置に機首を向ける・・ その際、ヒロ中尉にガンを向けるが・・
ガンのスコープから消える! ヒロ中尉も跳ね上がっていた! 

「・・・ くそぉ・・ 隊長め! ゴキブリみたいに早いや! ・・ 」

と、弱音のようにも聞こえるが、しっかりと、私がミィ少尉を狙って近づく進路に
的確に射撃をし、私の動きを止めている・・(口は悪いが筋は良い!・・)
そして、こちらの狙いにも、予測できない動きを継続しているため、
その後の私のガンカメラがメンバーを捕らえる事が出来なくなっている事も事実だ・・
ヒロ中尉も、リン少尉も新型への機種変更での障害は無いようだ!
というか・・ こちらも、動きを止めると、すぐにロックオンアラームが鳴る!
214からか・・ミィ少尉のロックオン回数がやけに多い・・
ミィ少尉、狙撃向きか・・ 油断できない・・

「・・・ ベリースリー 左から回れ! ベリーフォオ援護しろ!」

まずい・・ 囲まれた・・ 
ヒロ中尉が再度白兵を挑んで来る、的確だ!・・
しかし、そんなチャンバラには付き合えない!
サーベルを交わす瞬間に、私はヒロ中尉のジムの腹部を足で蹴り上げた!
最後の荒業である、その反動でミィ少尉のジムに向かった

「中尉すまんな・・  これが一番確実な離脱方法だからな!・・」

「・・・  あああ・・ 大尉ぃ!! ジムを壊さないで下さいよぉ~
      演習でしょ? 無茶しちゃ駄目ですってばぁ・・」

ん? サミー曹長の声だ・・ グリフィンではみんなが見ているのか?・・
じゃ・・観客の声援に応えて、もう一丁!派手にかますか!   と、

調子に乗って狙撃位置の214号機にガンをあわせた・・ HIT! いや・・
かわされたか?・・ くそぉ!

「ミィ少尉! 上手くかわしたな・・ 今の位置は狙撃タスクの位置だ!狙撃は
 距離1500あたりで、状況を把握しつつ、狙撃を行う事!
 狙撃したら、すぐに移動だ! デブリ等を有効に利用する事も1つの方法だぞ!
 今の距離はちょっと近い、 近すぎると、相手に狙われるぞ! 
 宇宙ではビーム減衰が少ないので、2000からの狙撃も有効だが、
 ジムコマンドにはスナイパー機能がないので、1500程度を目処にしろ。
 しかし、自信があれば2000でも良い! 位置関係は三角形を意識しろ!
 そうそう・・さきほどみたいに、敵の狙撃MSがいないかの索敵は怠るな!
 サーマルセンサー(熱探知センサー)の出力はMAXにしておけ!
 敵の狙撃タスクMSを発見したら確実にしとめろ!
 また、異様を感じたら、即時移動しろ! 自分が狙われているぞ!」

ロックオンアラームが鳴る! 今度は213号機・・ リン少尉か・・
狙撃位置についたな・・ 的確だ!
私はミィ少尉のジムの懐にもぐりこんだ! これでは撃てまい!
今度は、ジムのボディを相手のボディにぶつけ、はじき出す!

「狙撃ターゲットは支援タスクの敵MSだ!
 敵の動きに法則性があれば、新兵の可能性が高い、あおり撃ちや3点射撃で確実にしとめろ!
 射撃タスクの味方機の位置を常に意識しろ! 敵が射撃タスクの味方機に接近した場合、
 即座に射撃タスクに移行しろ。
 また、敵が接触してきたら、即時白兵タスクに移行しろ!
 その際しばらくは援護が無いと自覚しろ、無理をするな! 敵との距離を保て!
 こういう風になっ!」

私は、ビームサーベルを抜いてミィ少尉に白兵を挑んだ・・その瞬間・・

「HIT! HIT!・・212! 212!」モニターが赤く点灯した・・

「・・・ うっひょう! やったね~ ♪!」

くそぉ!! ヒロ中尉にやられたかぁ・・ もうちょっと強く蹴りだしてたら
脳震盪でも起こしてくれてたのにな・・・ まぁ・・良いか・・

「よし! 終了だ! 良くやった、みんな、今の動きを覚えておけ!
 実戦でも同じだ・・ そう簡単に弾など当る物では無い!
 つまり、敵の弾もそう簡単には当らん、ということだ・・
 5機落とせば、エースと言われる、その意味が解るだろう・・
 そう簡単に落とせる物ではない事を理解しろ!
 そのためにチームで戦い、味方機を援護する事を一番に考えろ!
 最後に、狙撃タスクは母艦の一番近くにいる・・ 戦闘区域を抜け出す
 敵に注意しろ、母艦の援護も狙撃タスクの任務の一つだ! 覚えておけ!
 次はタッチアンドゴーの訓練だ、
 タッチアンドゴーのあとは2X2フォーメーションの訓練に移るぞ!」

「・・・ た~いちょ! 最後の動きが甘かったっすよ~ ♪
     これで、2度目ですね たいちょうを 仕留めたのは!
     気分が良いや!! いやっほう!!」

「ああ・・ 私も甘ちゃんだな・・ ミィ少尉を頂いてやろう!って
 ちょっとあせったかもしれん・・」

「・・・ へへ! だって今は私が小隊長ですもんね♪
     やっぱり部下を野獣さんから守らなくっちゃ!!」

「こら! 誰が野獣だ!」

「・・・ たいちょぉ!」
「・・・ 隊長!」

リン少尉とミィ少尉が同時に答えてきた・・ 誰が野獣だ! こんなに優しいのに・・
さて・・ 私の1対3の奮戦をちゃんと艦長どのは見てくれていたかな・・
ちょっと、顔がニヤついた ♪


「・・・ ベリーベースよりベリーワンへ! 緊急連絡です!」

「ん? こちら、ベリーワン なんだユカ少尉!
 艦長が私に惚れたってか?」

「・・・ もう・・隊長ったら・・ 全艦に音声が流れていますよ ♪
     というか、緊急連絡です!!
     艦の進行方向、約50000に熱源反応が出ました、
     レーダーではデブリ(浮遊物)と認識していますが・・
     デブリは複数あるので戦闘痕のようです・・
     艦長が、気になるので索敵してもらえないか? と・・」

「了解だ! 艦長の頼みなら断れん! ベリーワンは索敵にまわる、
 ベリーフォオは私に付いて来てくれ!
 ベリーツーとベリースリーは、着艦に慣れるため、
 タッチアンドゴーの訓練を続行のこと、
 まぁ、我々の訓練とターチン軍曹チームの訓練でもあるので、
 ヒロ中尉が責任を持って実施してくれ!・・・  小隊長殿♪ 」

「・・・ 小隊長のベリーツー 了解で~す。
     ベリースリーとタッチアンドゴーを行いま~す・・
     でも・・ そっちの方が楽しそうっすね・・」

「ああ・・ ただ、何が在るか解らん・・ 
 申し訳ないが、タッチアンドゴーのあと、全力でこちらに向かってくれ・・
 こちらの推進剤も半分だし、なにか嫌な感じもする・・」

「・・・ 了解です!  じゃ・・ ベリースリーさっさと済ませちゃおうぜ!」

「・・・ はいはい 仮小隊長どの!」

「・・・ なんだよぉ! その言い方はぁ!! 仮ってなんだよぉ!」

「・・・ はいはい♪」

「・・・ ハイは1回! もう・・ 行くぞ!!・・」


全く・・ いいコンビだ ♪

「ベリーフォオ、ミィ少尉・・ 大丈夫だな?」

「・・・ こちらべりーフォオ・・ 行けます!」

「ビームガンやバルカンの訓練モードスイッチを解除しておけ、
 艦長が言ったように、実弾装備をしておいて良かった・・
 何が出るか解らんからな・・ 全速で行く、付いて来い!」

私とミィ少尉のジムコマンドは、同時にスラスターを全開にし問題海域に機首を向けた。


「ベリーワンから ベリーベース! 位置情報を送ってくれ!」

「・・・ 了解! ベリーワンとベリーフォオに位置情報送ります。
     ミィ・・ 注意してね!」

「・・・ ベリーフォオからベリーベース 大丈夫よ 野獣さんと一緒だから♪」

「おいおい・・ 何に注意するんだぁ? 中尉はあっちだろぅ・・」

「・・・ 聞こえてます・・よぉ・・ 隊ち・う・・・」

ん? ノイズが入る・・ミノフスキー粒子が散布されているのか?

「ベリーフォオ・・ 聞こえるか?」

「・・・ ノイズ・・ありますが・・・聞こえます・・」

私は214号機の背中部分にMSの手を触れた・・
直接個体を繋ぐ事で震動を利用するMS同士のふれあい通信だ・・

「どうやら・・ 戦闘があったようだな・・
 手を離した後の通信はレーザー通信に切り替える・・
 グリフィンとの通信は、ミノフスキー粒子のおかげで、届かない・・
 私の機位を見失うなよ・・
 デブリの陰になると、レーザー通信も届かないからな・・」

「了解です。隊長!
 で・・  ユカが送ってくれた座標まで、あと4000程です。」

モニターに目をやった・・ 大きな2個のデブリを表す表示と無数の小さなデブリ
を認識した・・

「なにか見えるか?」

「大きなデブリは・・ あっ!!あれは・・ サラミス級の巡洋艦です!!
 滅茶苦茶やられちゃってますよぉ・・」

「警戒態勢だ! 周りに注意しろ! センサー値をMAXに上げろ!」

「熱源反応はサラミスからですね・・ 他にも小さな反応があるようです・・」

「そうだな・・ ついさっきやられたって事か・・動いている反応には注意しろ・・
 私とは距離を取れ! 一緒にいると、同時にやられるからな・・」

2機のジムは互いに距離をとり援護位置まで離れた。

「・・・ 隊長・・それにしても、ひどいやられ方ですね・・」

「ああ・・生存者がいないか、捜索にあたろう・・ ベリーフォオは左舷を見てくれ」

「・・・ ベリーフォオ・・了解!」

1つ、2つ・・ 2隻のサラミス級巡洋艦の残骸が浮遊している、その中に、
我軍のMSジムや戦闘ポッドのボール、そして敵であるジオン軍のMSザクの姿も見える・・
生存者がいる可能性は非常に高い・・ 
ということは・・ まだ敵が潜んでいる可能性も非常に高いという事だ・・

「・・・ あっ!! 隊長ぉ!!!」

サラミス級の左舷にまわっていた、ミィ少尉の叫び声だ!

「なんだ!!」 というより早く、私はスロットルを全開にしていた・・

「<第8話>初めての戦闘!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/2735929407d935b8ffe65adba543f819に続く・・・

(2007/06/12 12:03)

 


<第6話>MS戦闘論 / ガンダム外伝

2007-06-05 20:07:52 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
・・・・・

突然艦内放送が鳴り響いた・・

「・・・ ブー、ブー、ブー・・ エマージェンシー!エマージェンシー!
 ・・・ これは訓練です。これは訓練です・・
 ・・・ 13時方向、距離20000に不明艦発見!
 ・・・ MS隊緊急発進よろし!・・」

「・・・ 緊急配備! 第1次戦闘配備
 ・・・ 艦内員は全員ノーマルスーツを着用の事!・・・」

放送が鳴り止まぬ間に、ノーマルスーツ(宇宙服)を着込む・・
パイロット用のノーマルスーツは艦内作業員の物とは異なり
窮屈だが、非常に薄く動きやすく出来ている。
気密確保のためのジョイント部分には注意し、腕を通した段階で
ヘルメットを小脇に抱え、私は部屋を出た・・
同様のタイミングでヒロ中尉が飛んでくる・・

エマージェンシーコールの場合はブリーフィングは行わない、
その代わりに、オペレーターからの指示に従い、作戦行動するのだ。
そのため、エマージェンシー発令時は、作戦室には向かわず
そのままMSデッキに向かう事になる。

気密ブロックを越えると3階部分のベランダがあり、そのままMSデッキの
自分のMSへ飛び移るのだが・・ 既にミィ少尉がコックピットに取り付いているのを
確認した・・

「やるな・・ 」

「おい! 中尉!」

「なんすか?隊長!」

「ミィ少尉が、早い・・ 良い事だが・・注意しておけ!
 ハイテンションも必要だが、自分を見失う可能性もある・・」

「了解っす! リン少尉にも伝えておきます!」

整備員が準備をしてくれている・・
彼らの錬度も高い! サミー曹長も中々やり手だ・・

「どうだ?」

「各部、異常ありません!」

「よし! ありがとう!」

「お気をつけて!!」

整備員が離れていく・・ 私はコックピットに座りジムのハッチを閉めた・・
閉まったタイミングで前方のスクリーンがオープンになる、カメラからの映像を
コンピュータ処理してモニターに映し出しているのだ・・
3枚のモニターで視野はおよそ160度である。全方向を目視できた戦闘機に
比べると、少々不安があるが・・ 後方等はセンサー類に頼るしかない・・
各部のコントロール類を確認しつつ、マニュピレーターを動かしビームガンを取る・・
OKだ! オールグリーン!!

「・・・ ベリーベースより、ベリーチームへ・・」

おっ!ユカ少尉も配置についたか?

「こちらベリーワン ワサビィだ 状況を報告してくれ!」

「・・・ ハイ! 本日の1to2訓練の設定を説明します
     隊長がアグレッサ-(仮想敵)ですので、最後に発信します。
     あとは、エマージェンシーとの仮想ですので、
     出発準備が出来たユニットから、随時発信します。
     順番はこちらのコントロールに従ってください!」

「・・・ ベリーフォオ 了解よ!」

「・・・ ベリーツー 了解っす!」

「・・・ ベリースリー 了解したわ!」

「・・・ MSデッキの扉を開くわよ? ジムのハッチは閉まってて?」

「大丈夫だ!
 こちらベリーワン! 本日の小隊長はヒロ中尉だ!
 中尉・・ 任せたぜ!」

「・・・ 隊長! ベリーツー 了解であります!!」

「・・・ え~っ・・ 中尉に従うのですかぁ?・・」

「リン少尉・・ たまには中尉の言う事も聞いてやれ!
 そういう、かわいらしさが、女の子には必要なんだぜ!・・」

「・・・ もう!! 隊長ぉったら!!」

「よし! いい子だ!」

「おい! ミィ少尉! 聞こえているか?」

「・・・ は・・ ハイ! 隊長!」

「緊張しなくていいぞ、自分のペースで良いからな・・
 ただ、皆の動きを良く理解しろよ! そして、中尉に甘えろ! ♪」

「・・・ そうそう、ミィちゃん 俺様に任せとけってね?
     全部、教えちゃうから!! 手を取り、足を取り、あそこ取りぃ・・
     そして、あんな事やこんな事もぉ ♪」

「・・・ ベーリーベースより、ベリーチームへ
     おしゃべりはコントロールデッキに垂れ流しよ ♪
     クロヒッツ少佐が不機嫌そう・・ 中尉 大丈夫?・・
     艦長が「ヒロ中尉は ヒロ注意だね♪」って 
     じゃ、カタパルトの射出順を言うわね・・
     射出はベリーツー、ベリーフォオ、ベリースリーの順で射出します
     順次カタパルトに移動の事 以上!」

「・・・ えっ・・ 今なんて言ったの? ねぇ・・」

「・・・ さぁ♪・・ 」

「・・・ そんなぁ・・」

「中尉・・ あきらめるんだな・・
 ただ、逆に考えると 女性に「注意」なんて言われるのは男の勲章だぜ!」

「・・・ そうすか?・・  勲章かぁ! よっしゃぁ! やるぞぉ!!」

「あと・・ 少佐殿が不機嫌というのは?・・ 中尉、なにか心当たりは?」

「・・・ え~ ・・ あっ!ゲートが開きま~す! 」

何人かの笑い声が入ってきた。これぐらいの余裕があればOKか?

MSデッキの空気を抜いて真空状態にするために、整備員への警告音と
パトランプが激しくまわっている・・ 音がスピーカからの音だけに変化した・・

MSデッキ正面のハッチがゆっくりと開き始める・・
漆黒の宇宙に、ポツンと浮かぶ月が見えている・・ 
月があると機位を見失う事が少ない・・ ロケーションも良い感じだ・・
ヒロ中尉の212号機がカタパルトに向かい、台に乗った。

「・・・ ベリーベースより、ベリーチームへ
     シグナルオールグリーン 進路クリア ベリーツー、射出OKです! 」

「・・・ ベリーツー、グリフィン212・・ ヒロ 行きま~す!」

ズン!という重い感じと衝撃が艦に伝わる・・
前方の月の位置がドンドン変わって行く・・ 
艦のスラスター制御を行わなかった時の艦への影響は、予想以上に大きそうだ・・

突然スピーカーが唸った!

「・・・ 艦の前でチョロチョロするんじゃないわさ!
     ケツにミサイルぶち込むわよ!」

クロヒッツ少佐だ! 見ると、艦の前をヒロ中尉が飛んでいる。
私はデッキの扉の所まで移動した。中尉は搭載艦勤務が始めてなのだ・・

「すまん すまん ベリーツー聞こえるか?」

「・・・ こちらベリーツー! 怒られちゃいました・・
     ケツにミサイルなんて・・ オカマになっちゃったら
     どう、面倒見てくれるんでしょうね ♪」

「ああ・・ 言っておくのを忘れていた・・ 皆も聞いておけ!
 艦から離れたら、進路を下げろ、艦のビーム砲の軸線には近づくなよ!
 砲雷長のクロヒッツ少佐からオカマを掘られるぞ♪
 戦闘時は必ず援護射撃があるからな・・
 また敵艦船のビーム砲の軸線でもある、
 艦船のビームなど喰らったらお陀仏だからな・・ 解ったな?」

「・・・ ベリーツー了解です! 進路下げます!
     ケツに喰らって、目覚めたらどうすんのよぉ~ ♪・・」

「・・・ あら? 本当に撃って欲しいのかしら? 艦長?どうしましょ?」

「・・・ あっ 少佐! ウソウソ! 撃たないでぇ~
     お婿に行けなくなっちゃう!」

「・・・ 貰ってあげましょうか? うちに来ない?」

「・・・ あっ!料理得意っす!
     専業主夫で良いなら、考えちゃおっかな~w って・・♪」


クロヒッツ少佐も中々やるなぁ・・
さて・・チームの射出後の動きや連携を見ておきたいが・・
MSデッキの入り口ではどうも見にくい・・ 外に出るか・・

「ベリーベース ・・ ワサビィだが・・ 先に出るぞ!」

「・・・ えっ? 隊長?」

私はMSデッキの床を蹴って艦の外に飛び出しスラスターを軽く吹かせ艦から
離れた・・

「・・・ ベリーワン!応答せよ 隊長! どこですか?」

「ああ・・ すまんすまん・・ 艦の外に出た・・ 
 私は単独行動を行う・・
 記録上はカタパルトが故障したときの訓練とかにしておいてくれ・・以上だ!」

「・・・ こちらベリーベース 了解しました。
     続いて、ベリーフォオ、スタンバイOK、発信します!」

「・・・ ベリーフォオ ミィ 出ます!」

艦からミィ少尉が飛び出してきた・・ ヒロ中尉と編隊を組む・・
ヒロ中尉が出てからここまでで、やはり30秒ほど経過している
もう少し早めないと、エマージェンシーの意味が無い・・
それとも、先に1機だけでも現場に先行させるか?
時間リスクという目に見えない危険性をどのように把握し、指揮するのが
私の役目なのだが・・ 判断基準がその時で異なるので判断が難しいが・・
今は、チーム戦術に特化しよう・・ そう決めたじゃないか、ワサビィ・・

「・・・ ベリースリー、スタンバイOK、進路クリア!発信します!」

「・・・ ベリースリー リン いくわよ!」

今度は25~6秒で、リン少尉が飛び出してきた。
ターチン軍曹も頑張ってくれているようだ・・

リン少尉が出てきたタイミングで ヒロ中尉のスラスターが光った!
続いてミィ少尉も加速し、リン少尉に合わせて行く・・

「全開にしたな・・  よし、私も戦闘態勢に入ろうか・・」

識別信号をオフにした 皆のモニターには隕石か何かの浮遊物として
表示されているだろう・・ 熱を放出したら、アンノーン表示になるはずだ・・
暫く、隕石になって様子を見よう・・

3機のジムは当初の指示通り艦の13時方向に進み、その後、演習に入るため旋回し、
こちらに向かってくる、演習予定区域に入った瞬間から1to2演習の開始だ!

後ろの一機の動きが単純だ・・ ワン・・ツー・・・・ ワン・・ツー・・・・
ジグザグに軌道を変えるのは教科書通りだが、規則性があるので次の動きが
予測できてしまう・・
ガンカメラが214号機を捕えた・・ HIT!

「・・・ こちらベリーフォオ やられました!!」

「・・・ こちらベリーツー どっちからだ?」

「・・・ 10時の方向です!」

「・・・ ベリースリーは援護に回れ、ベリーフォオは距離を取れ!
     くそお・・隊長め・・どこにいるんだぁ?」

無線がチーム内の通信を伝えてくる・・
今日は通信ONで行こう・・

「宇宙に出たらケツに目を付けろ!
 体の中の全てのチャクラを開けるんだ!
 360度だけでなく上下も全てを意識しろ!
 違和感を感じたらすぐに動けよ!
 浮遊物(デブリ)を確認したら軌道を変えろ!
 ザクが潜んでいて、狙っているかもしれんぞ!
 潜んでいるとサーマルセンサー(熱源探知機)には反応しにくいからな!
 今の私は、デブリだろ?・・・」

通信に怒鳴った瞬間、スラスターをオンにした!
急激な加速だ・・
この新型・・ すごいな・・ リミッターを解除したらどうなるんだ?
奴らも面食らっているかもな・・

「よし! 演習開始だ! かかって来い!!」

「まず、ミィ少尉! 一発当っただろ?
 慣性運動は等速度運動だ! これほど狙いやすい標的はないんだ!
 ましてや、止まるなんて、もってのほかだ!
 方向転換のタイミングが同じだぞ! 予測できたら駄目なんだ!
 ランダムな間隔で方向転換しジグザグに航行しろ! 基本だ!
 相手に動きを読まれるなよ!

 次にAMBAC(Active Mass Balance Auto Control)での方向転換だ!
 バーニアで方向を変えるだけでなく、ジムの手や足を振って、その反動で
 方向転換しろ、向きが変わったらスラスターを全開だ!
 足は飾りじゃないんだぞ!
 逆噴射と同じになるからGに注意しろよ、気を失う事もあるからな・・
 さっき、全開にしたが、この新型、パワーがすごい・・
 演習中はリミッターは解除にするな! 

 そして、噴出剤(重金属の粒子)の残量は常にチェックしろ!
 戦闘時以外はバルブを閉めろよ! 無駄使いは命取りだ! 艦に帰れなくなるぞ!

 ただ、戦闘領域に入ったら、常にフルバーニアだ! バルブは全開にしておけ!
 全体の戦闘時間は長くて10分だ!、判断が遅れるな!、離脱するタイミングを
 意識しろ!

 最後に!無駄弾は撃つなよ!
 ジムコマンドのビームガンはビームスプレーガンの強化型だが、
 収束率が高くなっているので命中率が低くなっているぞ・・
 ヒロ中尉とリン少尉は、前の感覚が残っているだろう、早く感覚で覚える事!
 まぁ、地球上では無いのでビームの減衰率が低いから、
 長距離からの射撃ができることが魅力だが・・
 ライフルではない事は十分に意識しろ!

 そうそう・・ビームガンのチャージ時間も意識しろ!
 残弾数にも注意だ! 限りがあるからな!
 今までのジムのビームスプレーガンは20発でチャージは約10秒だったが、
 今回のビームガンは12発しか撃てんぞ! そしてチャージは約15秒かかる。
 いちいちモニターチャックしなくても良いように感覚を身に付けろ!
 尚、再チャージは1回だけだ、エネルギーCAPが空になったら、終わりだからな
 臨機応変に対処し、白兵に持ち込むのも手だ!
 白兵時には頭部バルカンも有効だ! ただし、発射時反動には気を付けろ!
 弾数にも制限があるぞ! 連続掃射は控えろ!
 敵が上からかかってきたら、バルカンを掃射しろ! バルカンの発射時反動で
 機体がのけぞり、上を向く時間が早くなるのと同時にバルカンの弾幕にもなる!
 宇宙だけで使える技だ! 覚えておけ!」
 
「・・・ た・・ 隊長ぉ そんなに沢山・・ 一度に言わないでよぉ・・」

「何を言っている・・ いつも言ってる事じゃないか! 読者サービスだ!」

「・・・ ええ?? 読者って? ♪ 」

私のジムコマンドとヒロ中尉のジムコマンドが交差した!
漆黒の世界にピンク色のビーム粒子が輝きながら弾け飛ぶ!!
それは、花火のように一瞬美しく輝き、また闇の世界に戻っていく・・


「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46aに続く・・・

(2007/06/05 20:07)