いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第13話>防衛戦! / ガンダム外伝

2007-07-31 12:36:23 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話> から <第8話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/63984e00a496cc4ceab13c1caab8e05c
「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2
「<第10話>地獄耳?」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/fce28cf5b960fc78bf7e731c7ea0714b
「<第11話>連邦軍の内情・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4ceb149cd5bc66d3b05140f580d79a39
「<第12話>艦隊戦!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5eb7d34311a4712d15ee730d4f493f8c
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


「敵ビーム来ます、回避できません!!!」

そのとき、透き通った、高音の通る声が艦内に響いた!

「チョイ上げぇ~!」

声の主は艦長だ!
奇跡か・・ それとも我艦の艦長はニュータイプか?
今まで、聞いたことが無いような大きな音が艦内に響き渡り、その音と共に
寸是の所で艇下部をかすめるように、敵のビームが通り過ぎて行った・・
いや・・ 少しかすめたのかもしれない・・ 
そういえばサミー曹長が言っていたな・・対ビームコーティングを施していると・・
かすったぐらいでは、問題が無い! 直撃を避ければ良いのだ・・

というか、最後の最後にまで、あきらめず冷静に対処するグリフィンクルー達の
錬度とモチベーションの高さを再認識していた・・ 

「ふぅ・・・」 アドレナリンが沸騰している!

「ビームの発射先を索敵しろ!」

と叫びながら・・ 感じていた不安が爆発した・・

敵は前面のパプア級補給艦を囮にし、サーマルセンサーが効かない太陽の方向から
グリフィンに襲い掛かってきた・・ かなりの策士だし、手慣れでもある・・

自分だったらどうする?  考えろワサビィ!!  次の敵の手段は?
その間にも、艦は大きく回頭し、ビーム攻撃が発しられた方向に艦首を向ける。

その時、マスミン特務大尉がつぶやいた・・
「私だったらぁ・・ モビルスーツで丸腰の艦を落とす・・ か・・」

そうか・・ 対艦攻撃用のモビルスーツが・・ ザクが来る! ヤバイ! 丸腰だ!

「マスミン大尉! それ正解っ!」コントロールデッキが凍りついた!

ヒロ中尉達を呼び戻すしかないか・・
いや・・ 呼び戻したら、敵のMSが一緒について来る、グリフィンの周りが戦場に
なる事は避けるほうが良い・・
じゃぁ・・ 1機か2機だけ、呼び戻すか・・ いや・・ 敵のMSも少なくとも4機・・
多ければ6機出ている・・ 戦力比を下げる事は出来ない・・  他の方法は・・

「そうだ・・!」私はマイクに怒鳴った。
「サミー曹長! 整備班、サミー曹長! 至急連絡口に!!」

「・・・ 大尉!・・ なんですか?・・」

「オーリン曹長のジムは動くか?」

「・・・ まだです・・戦闘に入ったので・・作業中でした、
     でも、パネルを開けて、焼けた基盤は外しました・・
     また、新しい基盤だとパラメータなど、初期値データの入力や調整が
     必要なので、クマ軍曹機の基盤を使って、オーリン曹長機を先に修理しようって・・
     既にクマ軍曹機の基盤は外して用意していますので、はめればOKですが・・
     カーゴハッチが損傷を受けて、カーゴデッキが真空状態なので・・ 」

「解った・・ クマ軍曹機の基盤か・・ さすがだな! ありがとう!
 とにかく、優先事項だ! 緊急で修理をして欲しい!
 私もそちらに向かう! 頼んだぞ!」

「・・・ ひょっとしたら・・ また新手の敵ですか? 了解です!大尉!!」

私は艦長を振り返った・・

「艦長・・ マスミン大尉の言われるように、多分敵の対艦用のMSが来ます・・
 カーゴデッキのジムを何とか修理し迎撃準備をします!」

「修理が間に合うの? 状況は理解したわ、大尉・・お願いね!・・」

私は、カーゴデッキに急いだ・・ ヒロ中尉達も心配だが、今は艦を守る事!
できることの最善を尽くさないといけない!

ノーマルスーツ(パイロット用宇宙服)の気密を確認し、気密ブロックを抜け
カーゴデッキに入った・・ 中では整備班のメンバーが作業に取り掛かってくれている
私はサミー曹長を探し、ヘルメットをくっつけた、
真空状態での震動を利用した会話方式だ、

「どうだ? どれぐらいかかる?」

「あと15分ってところですか・・」

「急いでくれ・・ 」

突然ヘルメット内のスピーカーが怒鳴る!

「・・・ 大尉! マスミン大尉の予想が当たりました!
     敵モビルスーツです! 来ます!」

「何機だ!」

「・・・ 1機です! 機種はスカート付きと特定!」

やはり・・ 1機か・・ ジオンの考えが読めた!
機動性の高い、戦闘艦(多分ムサイ型だろう)でこちらの死角に入り
隙を見て対艦艇攻撃用のモビルスーツで攻撃をかける・・
囮のパプア補給艦も守らないといけないので、パプア補給艦側にモビルスーツは
対艦艇攻撃用の1機を残し、全てを回すはず・・
予想だが、こちらはこの1機を撃退すれば良いはずだ!
そして敵のモビルスーツはジャイアントバズーカ装備のMS-09リックドムだ・・
高機動だし、バズーカは対艦攻撃向けの装備でもある・・
ザクだったら、ザクマシンガンなら・・ 少しは持ちこたえる事もできるが、
相手がリックドムとなると・・ バズーカを喰らうわけには行かない!

「了解だ・・ 後、何分で遭遇する?」

「・・・ 3分です!」

「解った・・ 少佐を出してくれ!」

「・・・ ワサビィ大尉・・ クロヒッツだ!・・・ 何か?」

「副長・・15分、耐えてください、上部のガトリングで上部側に弾幕を
 お願いします。
 また、艦長に伝えてください・・ 敵のMSが来たということは、敵艦からの
 ビーム攻撃は多分ありません・・
 回避行動は艦長のお好きなように行ってくださいと・・」

「・・・ 解ったわ・・ でも・・ 艦の下部の防御はどうするの?」

「私に考えがあります・・ とにかく少佐は15分、艦の上部を守ってください・・」

「・・・ 考えって・・ まぁいいわ・・ じゃ下半身♪は任せたわよ!」

「了解! 艦長によろしくぅ!♪
 少佐殿の下半身は、私が守ってみせますよ♪」

「・・・ ばか・・・  艦内に丸聞こえよ♪」

・・・


私はカーゴスペースの中を見渡した・・ 上部クレーンに繋いだ戦闘ポッドの
ボール(RB-79)が繋がれている・・

「サミー! ボールを貸してくれ!」

「やっぱね・・ 大尉はきっと言うと思いました・・
 でもボール1機でリックドムと戦闘ですか?・・ 自殺行為ですよ?」

「艦の下部を守るだけだ、何とかなるだろう・・」

「1機じゃダメです・・ 2機ならなんとか・・   出ましょうか?」

「えっ・・・? 今なんて言った?」

「私も出ましょうか?って言いましたが・・
 基盤の交換は部下がやりますから・・」

私はサミー曹長の目を覗き込んだ・・ 目は落ち着いた静かな目だ!

「助かる! ただ、前が私だ! サミーは援護を頼む!
 常に不規則に動いてくれ・・ 敵はバズーカだから、弾数に限りがある
 だからこちらには弾は使わないだろう・・ 艦狙いだからな・・ 
 サーベルで来るはずだから・・ かわすぞ! 機動性はボールが上回る!」

「了解です 大尉! 行きましょう!」

私とサミー曹長は上部クレーンに繋いだボールに取り付いて、中に入った・・
整備が出来ている。さすがだ!

メインスイッチをオンにして起動に入った、電気式の戦闘ポッドは即時起動した。
このあたりが、モビルスーツにない、使い勝手の良さなのかもしれない。
通信機をオンにする・・

「サミー曹長・・感度は良好か?」

「・・・ 感度良好です、大尉!」

「ゲートをオープンし、クレーンの保持索を外してくれ!」 

前部ハッチがゆっくりと開きはじめたが、動きがぎこちない・・
先ほどのミサイル攻撃での損傷痕が痛々しくみえる・・
開き始めたハッチの隙間から、太陽の光が差し込んできた。
敵に艦首を向けている事から、太陽に向かっているのだ・・
方向的には不利な迎撃体制だ!

軽くバーニアを吹かし、ゆっくりとカーゴデッキから表に出る。
サミー曹長も私に続いてカーゴデッキから表に出てきた・・
サーマルセンサーをオンにするが、太陽のせいで敵の位置を捉える事ができない・・

「サミー曹長・・ 艦の下部に潜るぞ! 着いてきてくれ・・」

「了解です・・ 大尉・・」

「艦長! 聞こえますか? ワサビィです・・ ボールで艦の下部に付きました・・
 しかし、太陽のために、サーマルセンサーが利きません、
 なんとか太陽との軸線を外すようには出来ませんか?」

「・・・ 大尉・・ わかったわ・・ 何とか外すよう動いてみるわね・・
     ボールがあったのね、例のサミー曹長から出てた依頼の機体ね♪・・
     でもMS相手にボールでは歯が立たないって聞いているけど・・
     無茶はしないでね。
     あっ・・ 敵のMSが来たわ・・ 注意してっ!!」

艦長との交信が終るか終らないかのタイミングで、艦のガトリング砲が吠えた!
一斉射だ!・・ すると太陽の中から、敵のMSリックドムが飛び出してきた!

艦の上部で方向を変化させ、後部に回り込もうとする、死角を探しているのだろう・・
必ず下部に回ってくるはず・・ 慣れないボールのコックピットの中で妙な感覚に
取り付かれていた・・ 来る・・ 奴は来る・・ なぜ、そのように感じたのかは
全く解らないが、妙な自信が私にはあった・・  

その時、予想したように艦の下に潜ろうと、リックドムは軌道を変えてきたのだ!

「来た!」 ボールの照準を合わす・・3点射撃で180ミリ低反動砲を発射した!
3点射撃とは照準地点に1発、そして右側転位点(重量下ではジャンプの頂点)に
2発目、そして左側転位点に3発目を打ち込む基本的な射撃法だ。

しかし、敵のリックドムも手馴れだ! 左右ではなく上部に回避する

再度、照準を合わせ、3点射撃を試みるが、今度は下部に回避した・・

「そうか・・ サミー・・ 聞こえるか?」

「・・・ なんですか、大尉?」

「3点射撃は左右ではなく、上下に切り替えて援護してくれ!」

「・・・ 了解・・ でも・・ 早いや・・ 照準が中々定まらない・・」

「あせらんでも良いぞ・・ 大丈夫だ!
 大体の方向が合えば、撃って良いからな・・
 ただ、弾丸は21発だ・・ 3点射撃を7回撃ったら丸腰だ・・
 途中で単発モードに切り替えてくれ・・
 スカート付きを落とすのではなく、射撃体勢に入らせなければ勝ちだ!
 それから、もう少し小刻みに方向変換を行なえ! 単純な動きは
 命取りになるからな!
 あと、常に艦を斜め前方に位置した場所をキープしろ・・
 敵と自機と母艦が1線上に並ぶと、敵の思うツボだ・・
 母艦を守るためにバズーカを阻止するには、自機で体当たりしか策がないからな・・」

サミー曹長に叫びながらも、私は3度目の3点射撃を左右で行っていた・・
やはり、敵のリックドムは上部に回避している・・間違いない・・ こいつの癖だ!

急にリックドムが距離を詰めてきた! まずい!! 私はバーニアをMAXで吹かす!
ボールは噂以上の高機動を発揮する・・ サミー機も上手く回避した!

私達の横をかすめ通過した、リックドムは、軌道を左に変えた・・
嫌な汗が噴出す!
私達に向かってきたのでは無く、艦を狙っていたのか・・ こいつはプロだ!
リックドムは、そのままグリフィンに一直線で向かい、バズーカを発射した!!

「しまったぁ!!・・」


と思った時、グリフィンから弾幕が広がり、バズーカの弾丸が空中で爆裂する!
気付かない間に艦が180度ロールし、ガトリング砲が設置されている艦の上部が
こちら側を向いていたのだ・・ 
艦長の気転か? 副長とのコンビネーションはさすがだ!

「サミー! 艦がロールした 下部に移動するぞ!」

「・・・ 了解!・・ 」

私とサミー曹長は機体を反転させ、またグリフィンの下部に回りこむ
そこには既にリックドムがグリフィンに対し射撃体勢に入っていた・・

「ええい!このスカート付きめっ!」

ほとんど目測で、トリガーをひいた!
180ミリ低反動砲は以前の設定のまま3点射撃を行う・・
とっさに私はボールを90度ロールさせ再度トリガーを引く90度ずれた3点射撃・・
結果として上下左右の5点射撃だ!

リックドムは下部に転位する・・ そこに2度目の180ミリ砲弾が見事にHITした!
一瞬リックドムの動きが止まる・・

「サミー! 今だ!打ち込め!!」

「・・・ オオオオ~!!」

サミー曹長の叫び声がスピーカーから聞こえると同時にサミー機が連射した、
5連射だ! しかし敵のリックドムも紙一重で回避し、グリフィンから離れる・・

「くそぉ逃げられたか! そうは簡単にはいかないか・・」

「・・・ ですね・・ 大尉・・ でもいい感じでしたね・・」

「おう・・ とにかく、もう少し頑張ろうぜ!」

「・・・ しかし・・ 大尉・・ どうやってジムに乗り換えるのですか?」

「ん? すまん!実はノープランだ・・ 何とかなるかな・・と・・」

「・・・ ええ~っ! そんな・・ まさか私1人で守れと言わないですよね・・」

「とにかく、後で考えるとして、今はスカート付きを止める事が先決だ!!」

「・・・ まぁ・・そうですけどぉ・・ なにか良い案があるとばっかり・・
 ・・・ 整備班! 聞こえるか?サミーだ! ジムの修理はあと何分だ?!」

「・・・ あと数分です! 現在稼動確認中です!」

「・・・ 了解! よくやってくれた! ありがとう!!
 ・・・ 大尉、そろそろ真面目に乗り換えを考えましょう!」

「そうだな・・ サミー曹長・・ 真面目にな・・
 これはどうだ? 次の奴の攻撃を回避したら、すぐに私がカーゴデッキに飛び込む・・
 多分1分ほどで、乗り換えて出て来れるだろうが・・ 1人でいけるか?・・」

「・・・ やっぱりぃ・・ だから1人だと、不安ですって・・というか・・
     他の方法はないのですか? あと残弾数も気になりますし・・ 」

そうだ・・ サミー曹長は戦闘員パイロットではない・・ 無理な注文だったか・・
また、私の残弾もあと6発しかない・・・・ どうする?・・
2機一緒にデッキに飛び込むか・・ それもリスクが高い・・ 

「・・・ 大尉! また奴が向かってきました!」

「1発当てたのが、奴の右肩部分か・・ 機動関係には影響が無いみたいだな・・
 ただ・・ サーベルが使えなくなっていれば、良いのだが・・
 もう1発お見舞いしてやるしかないか!・・
 サミー、右に展開し、スカート付きが右に出ないよう援護してくれ!」

「・・・ 了解!・・」
 
私は、リックドムに向かってフルスロットルを吹かした
互いの速度がプラスされ、みるみる近づいてくる!
サミー曹長が撃つのと同時に、私は左にステップし、1発180ミリ砲を発射する!
リックドムは左ではなく、また上側にステップしサミー曹長と私の砲撃を回避する。

「ちぃ!・・ また上だったか!」

リックドムがヒートサーベルを抜いて、私のボールに襲いかかって来た!
すかさず、MAXでバーニアを吹かす。
リックドムの下部にもぐり込み180度回頭、180ミリ砲を1発発射・・
と同時にリックドムは右に回避する・・ 重そうな機体なのに、敏捷だ!
そのまま、逆噴射しリックドムとの距離を広げた・・
白兵に持ち込まれると、勝ち目が無い・・

再度、グリフィンのガトリング砲の連射がリックドムに撃ち込まれた!
常にグリフィンは艦をロールさせ、リックドムには艦底部を見せない機位を
取ってくれている・・

敵のリックドムは再び、グリフィンの下部に潜り込もうと軌道を変える・・

「待ちやがれ! そうはさせるか!」

と、私も、グリフィンの下部にもぐり込むが・・
リックドムの姿が見えた瞬間に私は異様な違和感を感じた、
すかさずバーニアを逆噴射させたが・・

瞬間、衝撃と共に、大きなGに襲われた。同時に機体内の電源が落ち真っ暗になる・・

「しまった!! 喰らった!!」

直撃ではないが、バズーカをどこかに喰らった?・・
全く制御できない・・ くそぉ!はじき飛ばされたか?・・
非常に時間が長く感じる・・ 状況が掴めない・・
一気に汗が噴出してきた・・
真っ暗なコックピットの中で自分の鼓動の音だけが大きく響いていた・・

「<第14話>軍法会議か?・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/a36a64d8648ab658f376df17dfe7ba33に続く・・・

(2007/07/31 12:36)


<目次> 第1話 から第12話までのリンク / ガンダム外伝

2007-07-23 09:37:55 | [小説]ガンダム外伝


「いちごわさびのガンダム外伝」 (題名つけないといけないなぁ・・)

<目次> 第1話 から 12話まで!  (^O^)/


「<第1話>宇宙暦0079年 12月11日・・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5a747c41d00b1628eb0c8e21e849a9e6
「<第2話>ソロモン海戦まであと13日」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/3657079adce925aa852a122ddf8467dc
「<第3話>敵襲!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/febb0ea54cab1eec8a5e43ef3c1fc04e
「<第4話>ESFSグリフィン 発進!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/442a20813586f90d0374f30ede983102
「<第5話>訓練開始!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/69b4168945e2ac0387709862e531bf2d
「<第6話>MS戦闘論」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/8c95957df215b12e4eb73b298b0bc0f5
「<第7話>索敵!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/261f46ba13114524daf67b7b59e8b46a
「<第8話>初めての戦闘!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/2735929407d935b8ffe65adba543f819
「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2
「<第10話>地獄耳?」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/fce28cf5b960fc78bf7e731c7ea0714b
「<第11話>連邦軍の内情・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4ceb149cd5bc66d3b05140f580d79a39
「<第12話>艦隊戦!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5eb7d34311a4712d15ee730d4f493f8c
・・・

<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


<第12話>艦隊戦! / ガンダム外伝

2007-07-23 09:37:37 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話> から <第8話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/63984e00a496cc4ceab13c1caab8e05c
「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2
「<第10話>地獄耳?」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/fce28cf5b960fc78bf7e731c7ea0714b
「<第11話>連邦軍の内情・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4ceb149cd5bc66d3b05140f580d79a39
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


「どうした! 何があった!」

「あっ隊長!・・」

リン少尉がこちらを振り返った・・
MSコントロールユニットで、艦長が通信を行っている
相手はヒロ中尉のようだ・・

「今、ミィ少尉を援護のため発進させたわ・・ 敵とは十分に距離を取って・・
 無理はしないでね・・ お願い!・・」

「・・・ ベリーツー、了解!
     やっぱ艦長は優しいな ♪ 野獣さんの隊長とは大違いっす♪」

まだ言っていやがる・・ 誰が野獣だ・・ 

「艦長!・・ ご対応ありがとうございます・・ 状況は?」

「ポイント707・・ルウムから25000の距離かしら・・
 ヒロ中尉とユカ少尉がジオンのガトル型戦闘機3機と遭遇したの・・
 ヒロ中尉が脚部に被弾しているようね・・ 稼動損は5%以内なので
 大丈夫・・ 敵のガトル1機をユカ少尉が撃墜しているわ・・
 敵が撤退したので、想定索敵距離を越えた距離を保ちつつ追跡を指示したの・・
 ジムコマンドのサーマルセンサーを最大にして、
 敵の母艦の座標が判明すればって・・
 でも、敵も索敵部隊で、熱源が少ないガトルでの索敵・・
 敵のモビルスーツが出てくる可能性が非常に高いのね・・
 ごめんなさいね、心配だったので艦長判断でミィ少尉を援護に向かわせたわ・・」

「了解です・・ さて・・ 何が出てくるか?・・ですね・・
 リン少尉は MSデッキで自機のスタンバイを開始してくれ!
 そのまま、待機だ!」

「了解しました隊長!」

リン少尉がMSデッキに向かう・・ 
4機目を発進させるということは、母艦をもぬけの殻するという事でもある
4機目の発進判断は非常に難しい・・
ふと、回収したオーリン曹長やクマ軍曹のジムを思い出した・・

「艦長・・ 回収したサドのジムは、戦力として使っちゃぁ まずいですかね?」

「そうね・・ 所属は変わってないけど、彼らも根無し草なので・・
 基本は元隊復帰が原則ね・・ ただ、緊急戦時処置として、私が指揮権を
 行使する事は、軍規の範囲で可能だけど・・」

「使用できるよう配慮いただけないでしょうか・・」

「マスミン参謀に相談し、司令部へ報告を入れてもらいましょう・・
 といっても、正式な異動前であっても緊急戦時処置であれば、問題ないわ♪」

「了解♪! ありがとうございます・・
 サミー曹長・・ サミー曹長! 連絡口に・・」

「・・・ ハイ! サミーです! なんですか?大尉?」

「おう・・ 回収した2機のジムだが・・ 修理は可能か?」

「・・・ えっと・・ 2号機・・ あっオーリン曹長機はですね・・ 
     こっちはショートした基盤の交換で動くはずです・・
     で・・ 3号機、クマ軍曹機ですが・・ パーツ交換でなんとか・・
     基盤もパーツも「サド」から運んで来ましたから、使用可能にする事は
     できますけど・・ 修理するんですか?」

「そうか・・ 修理可能か・・ じゃ・・忙しい所すまんが、修理してくれ・・
 艦長からの緊急戦時処置として指示書が発行される・・
 優先順をあげて、今からすぐに開始しても良いぞ・・ 
 作業完了予定時刻は、プランニングが終ったら、艦長まで報告してくれ!
 すまんな・・ よろしく頼む!・・」

「・・・ 了解です! 大尉! こちらも例の件・・、宜しく♪」

「おう! 大丈夫だ!♪・・」

「あれ?・・大尉ぃ?  例の件って、いったい何かしら?
 怪しいわね、・・ この艦の中の出来事は、艦長として把握する義務があるわ ♪
 一体・・ なぁに?・・」

「・・・ た・・大尉どの! あとは宜しく・・ ・・ ・」

ああ・・ サミー・・ 逃げたな・・ 

「いや・・その・・ 男同士の軍機でありまして・・ 」

「ふぅん・・ 上官命令を発動しても良いかしら・・♪ ・・」

ヤバイ・・ 艦長の目が・・ 据わっている・・

「ですから・・ あのぉ・・」

そのとき・・

「・・・ こちらベリーツー・・ グリフィンどうぞ?・・」

おお! 中尉!! ナイスタイミング!!
私は艦長の目を見ながら、マイクを素早く取った。 

「おう! ベリーベース、ワサビィだ! ベリーツーヒロ中尉・・ どうした?」

「・・・ サーマルセンサーに大型艦船の熱源をサーチしました・・」

「距離は?」

「・・・ およそ10000・・ ルウムの端っこですね・・」

「敵のガトル戦闘機の進行方向なのか?」

「・・・ はい・・ ガトルの母艦かと推測されます・・」

「そうか・・ そのまま索敵を続行してくれ・・」

「・・・ ベリーツー了解!・・」


「艦長・・ 敵艦補足です・・ やりますか?」

「そうね・・ やるしかないわね・・
 副長! マスミン参謀をブリッジに呼んで頂戴!」

「了解!
 ・・・ マスミン大尉・・ マスミン大尉・・ 至急ブリッジに!」

「機関長! 第三戦速にアップして!」

「了解! 第三戦速、ヨーソロォー・・」

「各員、第1次戦闘配置に移行!」

「イエス! マム!」

艦内にアラームが鳴り響く・・ブリッジ内が慌しく動き始めた・・

「まずは、敵の戦力の把握ね・・ ヒロ中尉に索敵を継続させるわね・・
 MSコントロールは大尉にお願いするわ・・
 副長! 火器制御装置のスタンバイを!」

「イエス! マム!! FCS制御、CIWS制御、スタンバイ宜しく!
 艦長・・ 制御コントロールをONにします。」

と、クロヒッツ少佐が制御コントロール席に移動した・・
と・・・入れ替わりに、マスミン特務大尉がブリッジに入る・・

「どうされました? 艦長?・・」

「索敵中のMS隊が、敵の艦艇を発見しました・・
 これより、戦闘態勢に入ります・・
 参謀! よろしくね、♪ 」

「了解しました! 艦長!!
 モニターに、マップを! 現地点と敵位置、ならびにMS隊の位置を表示しろ!」

・・・


「こちらベリーベース・・ ベリーツー聞こえるか?」

「・・・ ベリーツー 聞こえます・・」

「もう少し、詳細の情報が欲しい・・ ベリーフォオミィ少尉と合流したら、
 敵艦との距離を詰めてくれ・・
 艦艇の種類と数が知りたい・・
 敵のガトルはどうした・・」

「・・・ こちらベリーツー
     ガトルは敵の艦艇に収容されると思っていましたが・・
     なんか、通り過ぎちゃいました、戦闘機の母艦じゃ無いみたいっす。
     なんか変!・・
     ベリーフォオは、もうすぐ合流予定・・、さっき通信が入りました・・
     で・・ 今、丁度良い大きさのデブリの鉄板があったので
     その陰に隠れ、その鉄板ごと、流れるように敵位置に移動中っす・・
     ドキドキしますね・・ ねっ♪ ユカちゃん!
     あっ、ベリーファイブユカ少尉は隣にいます。損傷なし!
     私は、数発喰らっちゃいましたが、大丈夫っす!♪
     敵艦の数はセンサー上は1つ・・
     単艦でしょうか? 単艦だったら補給艦か輸送艦かなぁ・・・
     しかし・・護衛なしですかねぇ・・?」

「こちらベリーベース・・ そうか・・ 単艦か・・ 気になるな・・
 また、212号機は大丈夫なんだな? 残弾は?大丈夫か?」

「・・・ エネルギーCAPを切替ました・・ ユカ少尉もいけます・・・」

「了解した・・ 詳細が判明したら、また連絡をくれ・・」

「・・・ ベリーツー! 了ぉ解ぃっ!!」


「マスミン大尉・・ すみません・・太陽の位置はわかりますか?」

「太陽?・・ サーマルセンサーが効かない方向か?・・
 今だったら本艦の4時方向・・ 斜め後ろになるが・・・」

「敵は単艦です・・囮かもしれませんね・・
 気になるので太陽の方向の探索を強化してください・・
 あと、待機中の213号機リン少尉は、そのまま待機させておきましょう・・
 ちょっと丸腰になるのは避けるべきかと・・」

「そうか・・ 太陽の方向から急に敵が出てくる可能性があるとの事だな・・
 解った・・ 強化させよう・・」

「大尉・・ もし、索敵の隊が敵MS隊と戦闘になったらどうするの?」

「艦長・・ もう少し情報を収集しましょう・・・とにかく敵に近づきましょう
 そろそろ、敵のセンサーにもこのグリフィンが察知される頃です・・
 敵の動きも見て判断しましょう・・」

しかし・・ 今日はなんて言う日だ・・朝の訓練開始から連続的じゃないか・・
こう緊張が続くとケアレスミスや判断ミスにも気をつけないといけない・・
さて・・ 敵はどう動く?

私はセンサー表示上での、グリフィンと敵との位置関係を凝視していた・・
すでに距離は詰まりセンサー表示上には敵艦の位置が表示されていた・・
そのとき、小さな光点が敵艦から飛び出したように見えた・・

「こちらベリーベース! ベリーツー 敵艦から何か発進されたが・・
 見えるか?!」

「・・・ こちらベリーツー なにも見えないけどぉ・・・
     あっ・・ ミサイルです!! 対艦型の大型ミサイルが2発!
     グリフィンに向かっています!」

ヒロ中尉の声が変わった・・ 彼も戦闘モードのスイッチが入ったか・・

「艦長!! 正面に敵のミサイルです!」

「なに? いきなり撃ってきたの?
 ミノフスキー粒子、戦闘濃度散布! 急いでね!
 上位仰角5度、取り舵一杯ぁ~い!」

「仰角上位5度、とりかぁ~じぃ・・」

艦の急激な動きに対し、体に大きなGがかかる・・
オペレータが叫ぶ!

「艦長! 85秒後に敵ミサイル到着予定です!」

「副長、対ミサイル防御宜しく!
 またビーム砲の準備を!」

「CIWS制御装置、オールグリーン!ノーマルです!
 FCS制御 スタート、ビーム砲エネルギー充填開始!」

「敵ミサイル上部に1つ、左舷に1つ・・・  来ます! 」

「もぐりこむわよ・・ 操舵手、 仰角15、潜り込んで!
 副長、タイミング良いわね? 総員、ショックに備えてね!!」

「潜行15度! よぉ~そろ~ぉ・・」

ミサイルの軌跡が迫ってくる、艦はそれを、すり抜けるようにもぐり込む・・

「CIWS制御スタート! ガトリング砲、射て!」

艦に細かな震動が発生する、
敵ミサイルに対しグリフィンのガトリング砲2門が吠えた!

突然、大きな衝撃に見舞われ・・少し遅れてとてつもなく大きな音が響き渡る・・
艦の電気が消え、非常電源に切り替わり、ぼんやりとした赤いライトに切り替わる・・

「各部署! 点呼! 異常個所は?」

各部署から順に応答が入ってくる、艦への損傷は無いようだ・・

「マスミン! 敵との軸線は?」

「取り舵7度、上位仰角9度!」

「操舵手 取り舵7度 上がるわよ! 仰角9!
 副長、ビーム砲用意して!」

「敵、座標入力しました・・ ビーム砲充填完了!」

「・・・ こちら・・ ツー・・ 敵・・と遭遇・・ 戦闘・・入り・・・・ 」

ミノフスキー粒子の散布で通信状態が悪くなっている・・
レーザー通信には距離がある・・ 私はマイクに怒鳴っていた!

「ベリーツー! 本艦との軸線を外せ! ビームを撃つぞ!
 聞こえるか 断片でも良い・・状況を!」

「・・・ ・・艦はパプア・・ ザク・・ 」

敵艦はパプア級の補給(輸送)艦か?・・ MS母艦への改造型なのか・・
敵もMSを出してきたらしい・・ ザクだけか?
センサー表示を見る、敵艦から複数の小さな光点が出ている・・
敵のモビルスーツが2機か3機か?・・ 数が解らん!
ただ、ヒロ中尉達が戦闘に入った事は事実だ!・・
さて・・援護に4機目を発進させる必要があるか?・・
冷静になれ!ワサビィ!!

MS戦は本艦と敵艦との軸線から左に外れている場所で始まっていた・・
ヒロ中尉が軸線を外したな・・

「少佐! MS隊軸線退避OKです!  MS隊、敵MSと交戦に入りました!」

「了解! ビーム砲発射準備完了! ロックオン完了! ビーム砲・・ 撃て!」

「ビーム砲発射!」

細かな低周波の震動が艦をとり包む・・

「第2射用意! 仰角下げ3度!」

「下げ3度!了解! ビーム砲発射準備完了! ビーム砲・・ 撃てぃ!」

敵艦が下に逃げるとの読みでの第2射である・・
オペレーターが状況を報告する・・

「第1射・・ 敵艦にかわされました・・
 第2射・・ HITしました!!  でも・・敵艦の動きに変化はありません・・」

おお! 艦内にどよめきが上がる・・ さすがだ、クロヒッツ少佐・・

「ミサイル1番、2番用意!、ビーム第3射目も行くわよ!」

「・・・ ミサイル1番管充填終了! ・・・ 2番終了!・」

「1番右に2度、2番左に2度・・ ビーム仰角マイナス1度・・」

「・・・ 1番右2度、2番左2度、設定良し!」  
「下げ1度!了解! ビーム砲発射準備完了!」

「ミサイル1番2番・・  ぅてぃ!!」

「ミサイル発射!!」

今度は艦がミサイル発射の衝撃に包まれる・・

「ビーム砲・・ ・てぃ!!!」

「ビーム砲発射!」

副長でもあり、砲雷長でもあるクロヒッツ少佐の頭の中を見てみたい・・
どんな風にイメージしているのだろうか・・さすがコンピュータだ!
と・・ センサー表示の敵艦から、新たな光点が飛び出した・・
前に数点・・ 横に2つ・・ 何? 横?

「MSデッキ! 待機中の213号機緊急発進!
 213ベリースリー、リン少尉、準備良いか?
 本艦は現在戦闘中だ、軸線を外し、最大速でMS戦闘エリアに向かえ!」

「・・・ ベリースリー了解です・・ 待っているのって辛くって・・
     出たくてウズウズしてました・・」

「大尉! どうした?!」艦長が聞く・・

「敵艦からミサイルの発射と、新たなMSらしき発進を複数確認しました!
 待機中の213号機を発進させます! 良いですね艦長?!」

「回避行動中よ! 発進をいそがせて!」

「ベリースリー聞こえるか? シグナルオールグリーンだ!すぐに発進しろ!」

「・・・ ベリースリー リン いくわよ!」

オペレーターが叫ぶ!

「敵ミサイル扇状に来ます! また、敵艦がビーム第3射を回避しました・・」

「そのまま直進するわよ! 副長!ミサイル迎撃お願いね!」

クロヒッツ少佐が叫ぶ!

「了解! で敵はどちらに回避した?」

「左に・・ あっ・・ミサイル来ます!!」

「やったな♪
 よ~し、こっちは迎撃だ! 上部と前部ガトリング砲、射て!
 砲身が焼けても良い! 弾幕を張れ!」

「やりました!敵艦に我艦のミサイルが命中しました!」

再度、艦内にどよめきが上がる!♪
敵は少佐の囮のビームに気を取られ、本命のミサイル回避ができなかったようだ・・
クロヒッツ少佐の計算通りということか・・ 

しかし・・・こっちは回避できるのか?・・ ミサイルの雨が襲ってくる!
センサー上でミサイルの光点と本艦が重なる・・
グリフィンは再度大きな衝撃音と震動に襲われた・・  警報音が鳴り響く

「各部署! 点呼! 状況を報告せよ!」

「本艦の前方50で敵ミサイルを撃墜・・ センサーにダメージ!
 右舷カーゴベース前方に損傷あり! カーゴベースの気密ブロック閉鎖します!」

「他の損傷は無いわね? 体制を立て直すわよ!」

そのとき、オペレータの悲壮な叫びが響いた・・

「4時方向からエネルギー反応! ビーム攻撃です!」

なにぃ? 4時方向?太陽の方向からか? やはり嫌な感が当ったか・・
くそぉ前方のパプアは囮だ!!

「緊急回避、最大戦速!! 仰角最大取り舵一杯! 各員何かにつかまって!!」

グリフィン全体がバラバラになるのでは?と思えるような大きな軋み音と震動に包まれ、
何かにつかまっていないと、いけないぐらいのGが体を襲う!・・

敵のビームがグリフィンに襲い掛かって来た!

「敵ビーム来ます!!」 悲痛な叫び声が艦内に広がった!

「か・・ 回避できません!!!」


「<第13話>防衛戦!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4a661111cb22be7e9be5de0507a92b06に続く・・・

(2007/07/23 09:37)


地震・・ その2・・

2007-07-19 01:24:15 | 独り言・・(時事ネタ)
地震・・ その2・・ 2007.07.19
昨日書いちゃったので、じゃ・・もう1つ・・
懸念している事があるのです。

実は、また3年ぐらいの間に新潟で大きな地震が起きる可能性があるかも・・
                         ということなんです。

地震の発生は断層のずれ、との説が、アメリカを始め日本でも有力視されている
のですが・・ 実は実証されているわけではないのです。
(どうして教科書に載せるのだろうって疑問に思っています、疑問視する学者も
 いるのに・・ プレート説も実は実証されていないのです・・)

他の説に水素爆発説があるのですが・・
(実は化学出身の私には、この説の説明に違和感がないのも事実ですが・・
 こっちも認められていないというか・・
 ○○大学の地震学の偉い先生がプレート説の信者なので、
 この説は、学会から無視されています・・)

簡単に言うと水がマグマの高熱に接すると酸素と水素に解離します。
こうしてできる混合ガスが地下で爆発することが地震の原因・・というのが
水素爆発説です。

で・・気になっている新潟なのですが・・

京都議案書などで有名になった、二酸化炭素を地下に埋める研究ですが・・
それが新潟県長岡市深沢の○○石油で実施されています。
その場所から北西に20kmが今回の震源地・・
3年前の中越地震は・・この深沢から南東に20kmの木沢近辺です。

つまり、40キロの円の中に2つのM6.8地震の震源地があるのです。

地下の帯水層に二酸化炭素を投入しイオン化することで、空中には戻って
こないのですが・・ 水は確実に重くなり、地下の圧力は高くなります。
(その分、天然ガスを取り出すのですが・・)

この地下水が重くなり、地下の深部にもぐった場合・・マグマの高熱に接する
事もありえるわけで・・

この因果関係がまったく無い!と実証されるまで、不安は残っています。

この3年の間に、また新潟で同じような地震があった場合・・ 
このブログを思い出してみてください。

                     温暖化防止策も大事だけど・・

(2007/07/19 01:24 -サイト内のみ公開-)

地震・・

2007-07-17 16:38:18 | 独り言・・(時事ネタ)
地震・・ 2007.07.17

16日に発生した新潟の地震・・
ご不幸に会われた方々に対し、ご冥福をお祈りします。
(Kumachanさん、大丈夫だったようで何よりです)

あまり、ここには書いていませんが、とあるサイトでは
地震についてかなり書いていました・・
書いていると、他の方から「当った」とか「当らない」とか・・
予想屋さんでは無く「備えあれば憂いなし」のつもりなのですが、
読まれた方が不安になる! とも書かれ・・
ちょっと書かないでいたのですが・・

昨日の地震で、ちょっとだけ書いておこうと・・ σ(^^)

現在「余震」が続いていますが、余震が少なくなって収束する・・
とは考えない方が良いなぁ・・ ということです。

  それは「まだ地震は収束していない・・ 」と言うことです。

6月19日にニュースで出てたオホーツク海での巨大な畝状の雲
その時の観測データから見て、30日~45日で開放される・・・という
予測なのですが。
その30日~45日間は、電磁異常「異常Eスポ伝搬」報告や地電流の異常報告、
異常な大気中重イオン濃度などが継続的に観測されます。
これらの観測情報が、現在も観測されつづけているのです。

ですから、昨日の新潟中越沖 M6.8、奈良 M4.7、京都沖 M6.6はどれも
前駆地震であり、本震では無い・・という考えです。前駆地震というのは、
30年以内に確実に発生するといわれる、南海地震や東海地震などの
海洋性地震の前に頻繁に発生する大型の直下型地震の事を表します。
(海洋性の地震はプレートの沈み込みで発生しますので周期性がありますが
 直下型地震は大陸プレートのぶつかりで歪が発生しそれが開放されるので
 周期性がありません・・ 昨日の3つの地震はどちらも直下型です)

つまり・・ 「終った!」という訳ではなく「いよいよこれから始まる・・」
と考えるべき・・ ということなんだけど・・・

さて、今までは、千島列島や南関東方面が怪しかったのですが・・・
こりゃ、違うなぁ・・こっちの方が先かな・・と
こっちの方とは信濃川断層群地帯(能登・若狭・琵琶湖・京都)や
東海マイクロプレート(四国吉野川・三重県津市・愛知豊橋)」と
それを繋ぐフォッサマグナや野島断層・・(大阪、神戸も含まれます)ですね。

皆が一番恐れている東海地震の前駆地震と捉え、もうこれは「発生する!」と
考えておきましょうね!

地震が発生したあと、どのような行動をするのか?
何を準備(物だけでなく、集合場所なども)すべきか?などを家族で話し合って、
おかれると良いかな・・ なんて感じています。

備えあれば憂いなしです! 


<補足>
それにしても、原発の事故・・ 滅茶苦茶怖いですね。
昨日の報告では「放射能漏れはありません」でしたのに、
今日は「放射能に汚染された排水を垂れ流した・・」とか・・
それって、やばくない?

また・・
炎上したのは発電施設ですが、もし、この施設が原子炉への電源を
供給していたらって考えると・・ 
冷却水ポンプがストップするわけで、原子炉が暴走する可能性が
ありますね。 福井県の原発って、スゴク古くって・・
原子力発電所を作る場所って、断層なんか考えていませんもんね・・
ドーン!と来たら、本当に危ないんです・・ 実際に・・

                         では (^^);

(2007/07/17 16:38 -サイト内のみ公開-)

<第11話>連邦軍の内情・・ / ガンダム外伝

2007-07-11 11:17:04 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話> から <第8話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/63984e00a496cc4ceab13c1caab8e05c
「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2
「<第10話>地獄耳?」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/fce28cf5b960fc78bf7e731c7ea0714b
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


看護室の中は、さながら戦場のようであった・・
コンペット准尉を探したのだが、どうやら走り回っているとの事で、
この部屋にはいなかった・・
私はクロヒッツ少佐と2人で、看護室内の負傷兵達を見て回った・・

「みんなやけに若いですねぇ・・」

「そうね・・ 学生? 子供?って感じも受けるわね・・」

その中の1人に年齢を聞くと・ 学生であり、志願した兵だという・・
連邦軍はこんな子供まで戦争に動員しなければならないほど不足しているのか!

そんな若い兵の中に、数人のベテラン兵士も混じっていた・・
その中の1人が私達を見つけ、直立し敬礼をする・・
私達は、そのベテラン兵士に流れて行った・・

「楽にして良いぞ!」

ベテラン兵士の胸にMSパイロット記章があるのに気が付く・・

「ん? 貴様は・・ もしや?クマ軍曹か?」

「そうであります! 救出頂き、本当に感謝いたします!」

「そうか・・ ワサビィだ・・」

私とクマ軍曹は、何を言うのでもなく、握手を交わしていた・・
一度でも生死を分かち合い、共に戦った戦友である・・
言葉は不要だった・・

「こちらは、第21独立部隊MS運用艦グリフィン副艦長のクロヒッツ少佐だ・・」

「クマ軍曹ね♪・・ ザクを一機撃破と聞いているわ・・ 凄いじゃない!」

「え・・ あれは大尉が・・」

「いや、軍曹のバルカン掃射で奴の動きが止まった・・
 あれは軍曹のスコアだ・・ 私が見ていた間違いない ♪」

私は軍曹にウィンクで合図を送ると、軍曹は照れ笑いを浮かべた。

「で・・ 様子はどうなのだ?」

「はっ! 大丈夫であります!!
 あっ! 大尉どの! オーリン曹長を助けていただいたそうで!
 本当に感謝であります!」

「いや・・そんなに、硬くならんで良いから・・・
 で・・ オーリン曹長は今どこに・・」

「はっ! 准尉殿と精密検査とかで、治療室に入られています・・」

「そうか・・ で・・ まだ口調が固いぞ、軍曹♪
 で・・ 攻めてきたジオンの奴らについて・・ 教えてくれないか?・・」

「ハイ・・ 地球衛星軌道上からルウム方面に向かうルートを進んでいた時
 突然奴らが現れたのです・・
 母艦は確認できず何処からの飛来か不明で、いきなりMS4機でかかって来ました・・
 あっと言う間にです・・ かなりの手馴れですね・・
 装備がバラバラでしたので、輸送船荒らしの海賊みたいな奴らではないかと・・」

「ジムの出撃は3機か?」

「・・・ かろうじてですが・・」

なんだ・・ 言葉を濁すな・・ 

「しかしあのドクロ野郎、今度会ったら、絶対にやっつけてやる!
 最初に私にかかってきやがって、私の右手と左足を破壊した後、
 トサカ付きに相手をさせやがった・・
 それを楽しむかのように、手を出さずに見ていやがった・・
 思い出しても胸糞悪い!」

「ああ・・ そんな感じを私も受けた・・
 艦長も言われていたが、どうやらジオン軍海兵隊のように思える・・
 個人技スキルでは奴らの方が上かもしれん・・
 しかし、私も軍曹と同様に無性に腹が立っている、次は逃がさない!
 やり方が気に食わないからな!」

「大尉殿もそう思われましたか・・ そうですよね・・
 まるで、子供に与える玩具のように・・ くそぉ!!」

「まぁ・・ 生きてさえいれば、また刃を交わす可能性もあるってもんだ!
 よくぞ、最後まであきらめず、頑張ったな・・ 
 ところで・・君達の母艦サドだが、
 見たところ運用艦とは言えないような作りだったな・・
 MS保持索を甲板に設置しただけのように見えるが・・」

「ハイ・・我らの船はジャブローから打ち上げられた物資(MS保持索など)を
 衛星軌道上で受取り、巡洋艦の上部甲板にMSデッキとして取り付け、
 MSを運用するように簡易改装された艦ですので・・
 最初からMS運用を考えて作られた艦ではありません。
 MSに乗務するのも、一旦艦の外に出て乗務するしか方法が無く、
 今回のように奇襲を掛けられると・・ 
 艦の回避行動中に艦外に出るリスクは、とんでも無く高く・・ 
 この艦とは雲泥の差です・・
 艦の運用もMS運用を主とされている訳でもなく・・・」

「なにぃ? 戦闘中に艦外に出てMSに乗り込むのか?」

「そうです・・ まぁ作戦展開中はMSコックピット内で待機です・・
 それが、奇襲だったら・・ 乗り込む前にやられてしまう事もあり・・
 で・・この艦ですが・・回収された際に見た時には・・
 単なる補給艦コロンブスか?・・ と思いましたが・・
 私の考えが間違っていた事が先ほど解りました。」

「何が違っていたんだ?」

「着艦は右舷のカーゴデッキに入りましたが、
 左舷のMSデッキに移動し装備を見て仰天しました!
 まるで、噂話で聞く、ホワイトベースのような作りで・・
 MSデッキの人に聞くと、ルナ2での改装とか・・ 
 やはり『ルナ2統治エリア(宇宙軍)』は宇宙の事が解っていますね。
 その点、ジャブローは何も解っちゃいない・・
 あっ! すみません! 今の発言は取り消します!
 ジャブローには宇宙の事をもっと知って欲しいという願望であります!」

「そう硬くならんでも良い。ここには憲兵は居ないからな ね? 少佐殿 ♪」

「ええ・・ ここなら思った事を全て話しても大丈夫よ・・」

「恐縮です・・いやこの艦は、凄い装備ですよ・・
 ジムも新型のコマンドタイプですし・・
 なんと言っても、この艦の搭乗員の錬度の高さが凄いです・・」

「その訳は私が答えるわね・・」

クロヒッツ少佐が話を始めた・・ 私の知らない話も出るかもしれない・・

「この艦の主たる部署要員は、ルウム以来の生き残りで構成されているの・・
 ルナ2のワッケイン司令が特別に編成したのね・・
 大尉には、ちょっと話したとおもうけど・・この艦はペガサス級などの
 MS運用の実験艦だったの・・ そのために要員の錬度も高いのね・・」

クロヒッツ少佐の話が続く・・

「最初はね、MSパイロットは他のメンバーで構成されていたの・・
 でも、ルナ2出発前に要員の変更があって、
 本来なら私も含めて、艦の要員の半分もルナ2残りの予定だったんだけど・・
 でもね、補充要員の不足と出発スケジュールの関係で
 要員はそのままで出発しちゃったわけ・・
 ・・・
 ただ、MSパイロットは、ルナ2アグレッサー隊(指導教育隊)として抜けちゃって
 新しく配置されたのは新任の2名だけ・・、あとで補充との条件で出発したのね、
 その後、ワッケイン司令からサイド6のコロニー保守隊から1小隊まわそう・・
 との話で、ワサビィ大尉の隊が、この艦に配属されたって経緯があるのね・・
 ルウム戦役を宇宙戦闘機セイバーフィッシュで駆け抜けた、歴戦の隊長がいるって・・
 女癖が悪いのが 玉に瑕と・・ワッケイン司令もおっしゃっていたわ・・」

「えっ!それが私なんですか?
 なんだ・・ ルナ2のワッケイン司令の命令だったんですか・・
 女癖が悪いなんて、そりゃ偏見ですけど・・・ ♪
 確かに司令には、サイド6への転属が決まった際に言われましたね・・ 
 『そんな所(L4)で遊んでて、楽しいか?ワサビィ・・
  まぁ、良い話があったら、楽園に移動させてやるからな、お前さんにとって
  一番楽しい楽園にな・・』って・・
 その楽園が、グリフィンだったんですね・・
 まぁ少佐殿のような聡明な美人がおられるグリフィンは確かに楽園ですが・・
 司令も人が悪いなぁ・・一言言ってくれれば良いことを・・」

「仕方ないわよ・・ 軍機ですからね・・
 言われたように、女癖さえ悪くなかったら、意外とマシな男なのにね♪
 大尉は口がお上手そうで・・」

「少佐殿・・ それは誤解です!
 まぁ、司令も良くここまでデタラメを吹き込んだものだ・・・ 参ったなぁ・・
 本当に少佐殿のような美人には、そう簡単にはお会いできる物でもなく・・
 なぁ、そう思うだろ、軍曹!」

「そうですね・・ 大尉殿の言われるとおりです。 少佐殿は美しい♪」

クマ軍曹・・ 結構やるなぁ・・ 中々いい奴だな♪

「で・・ 軍曹・・
 救助した彼らを見て感じているのだが・・
 君らの艦は子供の集まりだったのか?・・」

「そうですね・・ 
 我々の乗艦していた『サド』の要員は半数以上が新兵で、錬度は非常に
 低かったと思います。艦長も新任で、始めて艦長になられた大尉でした・・
 まぁ、戦時特需で少佐扱いとなっておられましたが・・
 元の乗員は艦長も含め、数ヶ月前にジャブローに大量に降ろされたそうです。
 ジャブローには、次期決戦のためのマゼラン級などの新造艦が百数隻
 準備しているらしく・・
 それには、MS搭載機能も装備されていて、そのための要員を全軍から集めて
 いる・・と聞いています・・
 我々の前の小隊長も、同じパイロット仲間も何人かジャブローに降りています・・
 それに代わってやってきたのが、新米の小隊長でしたが・・
 青ちゃんでしたが、責任感は強い人でした・・
 でも、責任感だけでは戦闘には勝てません・・ 」

クマ軍曹の話は続く・・

「我々MS隊はまだ良い方です!
 隊長のマーク少尉は青二才でしたが、一生懸命隊長を務めようと・・
 無理して・・
 その隊長を私は守れなかった・・・
 というか・・
 ボール小隊の隊長に比べると、青二才でもずっとましな隊長でした・・」

「ボール小隊というのは『マウイ』の搭載小隊か?」
 
「はい・・ ボール小隊の小隊長などクズだった・・
 ボール小隊に配属ののパイロットは我々のようなパイロットでなく
 学徒動員の志願兵だったんです・・ ウェーブ(女性兵・士官)もいました・・
 その志願兵を『ヒヨっこ』と馬鹿にして・・
 ろくな訓練もせず・・  
 まぁ、MSではなく簡易戦闘ポッドに乗せられた・・って気持ちも
 解らなくはないですが・・
 よく言われましたよ・・ 
 『お前らは良いよな! モビルスーツに乗りやがって!』とか
 また、私達の隊長に対しても
 『青二才のお守も大変だよねぇ・・
  ママのおっぱいが恋しくて、敵前逃亡しないように気をつけな!』とか・・
 出航してからは別の艦ですので、それ以降は解りませんが・・ 」 

「ああ・・ そういう輩は何処にでもいるのだが・・
 配属された部下がかわいそうだな・・
 結局、ボールは2機とも『マウイ』の甲板上に残っていたそうだ
 学徒兵の彼らは出撃すらできなかったんだな・・」

「出撃というより・・  ばら撒きなんです・・」

「どういう意味なんだ?」

「ある意味仕方が無いかもしれません・・・」

「仕方が無い? 意味が解らんが・・」

「そういう訓練を受けていない・・と言う方が正しいかもしれません・・
 現在準備されている決戦の計画をご存知でしょうか?」

「噂はあるが・・ 詳細は聞いてはいない・・
 少佐は何かご存知ですか?」

「いいえ・・ この艦の中だったら・・ 参謀のマスミン大尉ならご存知かも・・
 あとは、艦長が何かをご存知の可能性もあるわね・・
 でも・・ ごめんなさい・・ 私は知らないわ・・」

「いや・・ 私も詳しく知っている訳では無いのですが・・
 その決戦でのMS運用について、亡くなった隊長がちょっとだけ話されていたので・・」

「MSの運用とは? どんな運用なんだ・・」

「母艦は単なるキャリィだと・・
 戦場近くまで艦隊で進軍し、あるポイントでMSや支援ポッドを発進させる
 つまり・・ 戦場の最前線に『ばら撒く』のです。
 発進させた後は、通常の艦隊戦に入ります・・
 MS隊と支援のボール隊は中隊単位でかたまって行動し、常に1対nで戦闘に入り
 弾薬がなくなったら、後方に配置されている、コロンブス級の補給艦で弾薬等を
 補充し、再度戦場に向かう・・
 ですから、サラミス級の要員たちは、MS母艦としての操艦術等全く知らない
 素人の集まりなのです・・
 ですから、我々MSパイロットは、巡洋艦の荷物に過ぎない扱いなのです。」

「モビルスーツがこの戦争の優劣を決する位置付けであるのに、まだ艦隊戦を行おうと
 しているのか?・・・ ジャブローの考えはバラバラじゃないか!
 連邦軍はモビルスーツ戦を中心に作戦を進めていくのではないのか!・・」

「意見が分かれている・・と感じますね・・
 大尉のおっしゃるように、MSを前面に出すのなら・・
 マゼラン級の新型艦は造船しないでしょう・・ でも現在も造船されています・・」

「この艦を見ていると、そのような話は信じがたいが・・」

「そりゃ・・この艦は、特別なんですよ!
 MSパイロットにとって、こんな優遇された艦は、噂のホワイトベース
 ぐらいではないでしょうか・・
 この艦は本当に恵まれていると思います・・ 雲泥の差なんですよ・・」

「そうなのですか 少佐・・」

「そうね・・ ある意味、軍曹の言う事が当っているのかも知れないわね・・
 でも、私もルナ2で実験艦として、テストテストに明け暮れていたのよ・・
 だから・・最前線がどのようになっているのか・・報告でしか聞くことが出来なくって・・
 ごめんなさいね・・
 でも、グリフィンはグリフィンとして、特務を受けてこの空域で作戦中なの・・
 それも、同じ連邦軍として・・ 同じなの・・
 理解していただけるわね・・ 軍曹・・」

「少佐殿・・ 申し訳ありません・・ 口が多すぎたようです。
 ご心配には及びません! 十分に理解しております!」

「いや・・ 軍曹を攻めている訳ではないからな・・
 気にするな!
 それで・・ その決戦用のMS運用がなぜ『バラ撒き』になるのか
 もう少し教えてくれないか・・」

「そのようなMS運用しか教えられていない・・と言うことです・・
 今はまだ、決戦ではなく、通常の哨戒任務などなんです・・
 なのに、敵と遭遇した時に、どのように対処したら良いかを、知らないのです・・
 先ほども言いましたが・・ MSパイロット等は、艦の要員から見たときには、
 邪魔な存在・・ そう!、よそ者なんです・・
 敵と遭遇した時には、艦の乗員300人を助けるのが優先であり、
 MSパイロットは犠牲になっても仕方が無い・・と思っているのです。
 結果かもしれませんが、我らMS隊を敵の前にばら撒いて、その隙に逃げようと
 した行動の現実がその表れです!・・」

「すまんが・・、母艦がMS隊を見捨てた・・という事なのか?・・」

「私達がジムに乗り込み、発進準備を開始したのですが、奴らは私達の発進準備が
 まだできていない状態なのに、ジム3機の保持策を開放し、宇宙に放り投げたのです・・
 つまり敵前に私達ジムをばら撒く事で時間を稼ぎ、その隙に自分達は逃げようとした・・
 という事です・・」

「軍曹・・ 実は・・・ 私も、そのような噂は聞いたことがあってな・・
 にわかには信じたくは無かったのだが・・
 現実として実際に行われている・・と言うことなんだな・・」

「連邦軍は最近いい調子なのですが・・
 そのいい調子に乗ってちょっと嫌になるような事象が出てきているよな・・
 早い話が・・いい気になっている奴らが増えてきているのです・・
 地上軍のオデッサ作戦の成功以降、連邦の反撃が、顕著に表れている事で
 自分達が偉くなった、強くなったと錯覚してる輩が増えたというか・・
 ちょっと腐り始めているのではないでしょうか・・」

「ばら撒かれた・・ か・・ 嫌な話だな・・ 」

「そうですね・・ ばら撒かれ、まだ起動できていなかったオーリン曹長機に
 ジオンの奴らが取り付いたのですが、私より早く起動できた隊長が中に割って
 入り、集中砲火を受けました・・ もう袋叩きです・・
 一方的にやられる!と思った時に、隊長は1機のザクに取り付き、相打ちに・・
 というか・・ 自機が爆散するのが解ってたので、ザクを道連れにしたのでしょう・・
 脱出だって出来たのに!・・」

「オーリン曹長機は?」

「そのままです・・ 起動中に突然保持索を解除された物だから、
 電気系統がショートしたようです・・
 ジオンの奴らは、オーリン曹長機を鹵獲しようとしていました・・
 それだけは、まずいと・・・ 私は起動がかかってから曹長機を保護するように
 動きました・・
 起動がかかった時には、母艦はやられてしまっていましたから・・
 今から考えると、逆に保持索を解放してくれて良かったのかも、と感じています。
 ボール小隊は解放されていなかったのでしょう?」

「ああ・・ 脱出装置が働いていた・・との報告が上がっている・・
 救助した30人ほどの中に、パイロットが含まれているか、軍曹わかるか・・」

「そうですね・・ 顔を見ればわかると思いますが・・ この部屋だけでは
 無いので・・ 探しておきましょうか・・・」

「ビー!ビー!ビー! エマージャンシー! エマージャンシー!
 スクランブル待機のモビルスーツを発進します!
 各員、第2戦闘配置に!
 MS隊ワサビィ大尉、至急ブリッジまで!」

と軍曹と話をしている最中にエマージャンシーコールが発令された!
ズン!とモビルスーツがカタパルトから発進される震動が起きる・・
ミィ少尉が発進したのだろう・・

「軍曹!また後で! 少佐! ブリッジへ!・・」

私と少佐はコントロールデッキに向かっていた・・・


「<第12話>艦隊戦http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5eb7d34311a4712d15ee730d4f493f8cに続く・・・

(2007/07/11 11:17)


<第10話>地獄耳? / ガンダム外伝

2007-07-03 12:48:41 | [小説]ガンダム外伝


<ここまでの話>
「<第1話> から <第8話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/63984e00a496cc4ceab13c1caab8e05c
「<第9話>捜索・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/b0d54d30299ac0b2dd3cbc2f50ff1da2
・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


211号機と212号機の整備が終了した頃、サミー曹長がかなり疲れた様子で
MSデッキに現れた・・

「おう! おつかれさま! 捜索作業は終了したのか?」

「あっ、大尉! 捜索作業中のMSの整備ありがとうございます。
 こちら側の作業は、大体終了しました・・
 そうそう・・大尉ぃ・・ ビームガンとシールドを捨てたでしょ?
 予備が少ないから捨てないでね  ってあれほど言ったのにぃ・・
 まぁ・・ 命の方が大事ですけどね ♪
 無事のご帰還、なによりです ♪」

「いや・・すまんな・・ 曹長の言う事は理解している・・
 今回は無くしてしまい、申し訳ない!・・
 備品も数に限りがあるのは理解している・・
 結局、自分の使える武器が減ってくる・・って事だからな!
 最後はモビルスーツのゲンコツでザクを相手にするか・・」

「ゲンコツは、マニュピレーターを壊しちゃいますよぉ・・
 大尉ならやりそうですね・・
 実はですね、大破したサラミス級(サド)の予備備品倉庫から、ジムのシールドと
 ビームスプレーガンを数点、そしてクマ軍曹機のスペアパーツなども、
 隣のカーゴスペースに運びこみました・・
 偶然見つけた、大尉のビームガンとシールドもです。
 シールド、ザクマシンガンの直撃などで、かなりボコボコでしたよ・・
 あと・・
 戦場で浮かんでいるMSや携帯武器も、運び込もうか・・って思ったのだけど
 使ってた奴らの物だから・・ そのままにしておいてやろう・・って・・
 クマ軍曹を見て、そう感じたんです・・ なんか、荒らしちゃあまずいなぁって・・」

「そうだな・・散っていった奴らの魂が残っているかもしれんからな・・
 で・・ 私のビーム・ガン、本当に見つかったのか!・・ びっくりだな!
 どうやってあんな宇宙空間の中で見つかったんだ?」

「ボールで飛んでたら・・偶然見つけたんですよ。」

「なにぃ? ボールだって? そんなのこのグリフィンに搭載してたのかぁ?」

「へっへぇ♪ 実はね、遠方側で漂流してたもう1隻のサラミス級(マウイ)に、
 ほぼ無傷のボールが2機も残ってたんですよ!
 1機はアームを破損していましたが、もう1機はほとんど無傷で・・ 
 射出される前に艦がやられちゃったのでしょうね・・
 保持索のロックが固まってましたから・・
 脱出装置がどちらも起動されていましたので、パイロットは脱出したのでしょうが・・
 生存者の中にパイロットがいたかなぁ・・」

「そうなのか・・出撃も出来ず・・ やはり奇襲だった可能性が高いな・・
 しかし・・ サミー曹長はボールを扱えるのか?」

「まぁ、ボール(RB-79)って奴は民間の作業ポッドを改造した・・ってご存知ですよね。
 中をみたら、操縦系は全く一緒なんです!
 作業ポッドのライセンスは持っていますから、全然平気ですよ!
 まぁ操作が簡単で、アームが付いているので搬送に凄く便利で・・
 主人を無くしたまま、デブリを彷徨うよりは良いだろう・・と ♪」

「そうか・・ つまり、グリフィンにボールが2機戦力として加わったということか?」
  
「あっ! これはMS小隊にはあげませんからね!
 我ら整備班の機器ですからね! 既にマスミン大尉に依頼書を提出してるんだから!
 勝手に使わないで下さいよ!・・ ほっといたら使いそうだから・・」

「ああ・・ 解った解った!
 でもな・・ 演習時の監視用とかで貸してもらえたら嬉しいが・・ 駄目か?」

「駄目です! 大尉はすぐに無茶するんだから、壊れちゃいますよ!!」

「いやいや・・ 大事に使うからさ! 女の子を扱うようにね♪」

「本当ですか?・・ なにか、信用できないなぁ・・
 じゃぁ、・・ お願いが1つ・・ それを聞いてくれたら、考えますけど・・」

「おっ? なんだ? ビール1杯か、ウェーブ(女子兵士)の直アドか?・・」

「ボールの燃料なんです・・」

「なに? 燃料?」

「はい、実はボールの燃料は、化学ロケット燃料なんです
 MSのように核融合炉じゃない分、運用は楽なんですけど・・
 逆に燃料がすぐに切れてしまいます・・
 その燃料を調達しないと、ボールは使えない・・ って事なんです。」

「MSのバーニアで使用しているロケット燃料は使えないのか?」

「純度が高いんですよ・・ ボールのアポジモーター(バーニア)用には
 使用できますが、本体のエンジンは作業ポッドのままなので・・
 逆だったら性能は落ちますが使用はできるのですが・・」

「じゃあ、グリフィン用が使えるのではないのか?・・」

「グリフィン用が小型船舶用だったら良いのですが、大型ロケット用ですから・・
 もしボールに使っても、出力が出ないし、エンジンにも良くないですね・・
 まぁ、ボールは作業ポッドを改造しただけですから、エンジンはそのまんま、
 そこにバーニアをつけて高機動にしている・・って事で・・
 昔からある、何処でも手に入る燃料なのに・・ 
 グリフィンには積んでいません・・」

「あっ、緊急脱出用のランチがあるだろう・・ ランチ用の燃料は?」

「ええ・・ 一緒です・・ でもランチの燃料って、積みっぱなしなんです
 緊急時の使用と後は連絡用だけど・・ 連絡時は宇宙港に入るので、
 燃料補給がルールですよね・・
 それだけのために、ランチ用の補充燃料は艦には搭載していないのです。」

「じゃ・・ しばらく使うと燃料が切れて動かなくなるのか・・ 
 燃料切れれば、単なるオブジェか・・」

「ですから・・
 我々が現在向かっているサイド5領域で、廃棄コロニーの宇宙港に行けば、
 小型船舶用の給油スタンドがあるはずです。
 そこで燃料を調達したいのですが・・
 その時に・・ 付き合って頂けませんか?」

「2機(2人)で行くのか?・・」
「はい・・ 他にもお宝があるかもしれませんので ♪・・」

「そうか・・ お宝は、艦長には内緒だな♪・・」

「じゃ・・ 艦長の承認は取っておきますので、その時が来たら、お願いいたします♪」

「おう! そう言うことなら何時でも言ってくれ!
 そのかわり、ボールを貸してくれよ!」

「了解です、大尉! 考えときますって ♪
 サイド5(ルウム)が近づいてきたら、相談しますね・・  では!!」

「おう!・・ 」


・・・・・

コントロールデッキでは哨戒任務に出撃するヒロ中尉とユカ少尉に対し、
MSオペレータとして、リン少尉がユカ少尉の代わりを勤めていた。
先任であるので、妥当な人選である。

「中尉ぃ・・ ちゃんとユカの面倒を見るのよ! 解ったぁ?」

「・・・ そんなにガーガー言わなくても、ユカちゃんは俺が守るからさ!」

「また、そんな事言ってるんだから・・ 少佐にミサイルぶち込まれるわよ!
 あっ・・MSデッキリーダーのターチン軍曹からシグナルグリーンが入ったわ・・
 ベリーベースより、ベリーツーへ
 シグナルオールグリーン 進路クリア ベリーツー、射出OKです! 」

「・・・ お尻にミサイルぶち込まないでね~♪
     ベリーツー、グリフィン212・・ ヒロ 行きま~す♪」

艦が軽く左に傾く・・ 私はクロヒッツ少佐を目で探した、
すぐにクロヒッツ少佐と目があった・・ 少佐も私を探したみたいだ・・
私は少佐のいる火器制御ブースに流れて行った・・

「少佐! カタパルト使用時の艦への影響を相殺するための例の件ですが・・」

「その件はマメハ艦長からきいたわ・・大丈夫よ♪・・
 この艦はね・・ ペガサス級揚陸艦開発でのカタパルト実験も行った艦なの・・
 だから、ライブラリーにそのときのプログラムがあるわ・・
 あとはインターフェースだけど・・ 受け口があるので、問題ないと思うわよ♪」

「それは良かった・・ MSの射出間隔を少しでも短くしたいと思い・・」

「でもね・・ 私は思うの・・
 単機での行動をしないなら・・ カタパルトは必要かしら?
 艦の上部で待機し、次の機体が出てから一緒に行動する・・
 確かに理論は解るわ・・ でも カタパルトを有効に使用するのは
 速い速度(運動エネルギー)を得るためでしょ・・
 だったら、飛び出したら、一気にその速度を利用し、前線に向かうのも
 一つの正解ではないかしら?」

「少佐ぁ・・ 確かにそのような理論もありますが・・
 私は、パイロットの命を預かっています・・
 ですから、現在の運用を変えるつもりはありません・・」

「いえ・・ そのような考えも、あるわね?って言いたかっただけ・・
 また、あとで、ゆっくりお話したいわね?」

「それは、喜んで 一晩語り明かすも良いですな ♪」

「ふふふ・・ そうね・・ それも良いわね♪」

「では、また後ほど♪ (こりゃ期待大だぜ♪)」


そんな少佐とのやり取りの間にも
スピーカーから発信シーケンスの声が聞こえる・・

「ベリーファイブ、準備OKよ! 大丈夫ね?」

「・・・ リン少尉! ありがとうございます、大丈夫です。」

「ユカぁ・・ ミィよ! 聞こえる? 哨戒任務頑張ってね!
 ユカは私よりMSの操縦上手いんだからぁ! 自信を持って!」

「・・・ ミィ・・ ありがと・・ なんか、大丈夫だから・・」

「ユカとミィは仲が良いわね♪」

「だって・・ 私とユカは同時に配属だけじゃないんだもん・・」

「えっ? ミィ 何?」

「私とユカはね・・ 実は・・、 お誕生日が同じなの!」

「へぇ!・・ そうなんだ!」

「・・・ なんだって・・
     ユカちゃんとミィちゃんて、お誕生日が一緒なのぉ??
     そりゃ、凄いや!・・」

「もう・・中尉! 何が凄いのよ? 訳わかんない!!
 ベリーベースより、ベリーファイブへ
 シグナルオールグリーン 進路クリアよ・・
 ベリーファイブ、射出OKです! 」

「・・・ ありがとう・・ なんか落ち着いちゃった♪
     ベリーファイブ、ジムコマンド211 ユカ 発進します!・・」

MSオペレータ・・ リン少尉って、適性があるかもしれんな・・
上手く、初発進のユカ少尉の緊張をほぐしている・・
このチーム、中々良いバランスだ・・

ユカ少尉が発信した際、再度艦が左に傾いたが、前ほどの傾きではない・・
艦長が操舵士と機関長に指示を出し、マニュアルで艦のコントロールを
行っているからだ・・
艦長のスキルの高さを感じる・・

「やりますね・・ さすが艦長だ・・」

「そうね・・ あの方は不思議よ・・ なぜか、艦全体を常に把握されているの
 最近流行りのニュータイプかしら♪  地獄耳ですしね♪」


「副長!」

突然、艦長がこちらを向いて少佐を呼んだ、地獄耳は本当なのか?
少佐はペロっと下をだし、艦長の方向に流れて行った・・
その経緯を眺めていると・・

突然背後から声がした・・

「ワサビィ・・
 ちょっと相談がある、・・・ 勤務終了後に私の部屋に来てはくれないか?
 それとも、 ・・・
 1人で来るのが怖いかな? ふふふ♪・・」

マスミン特務大尉が、そっと耳打ちし、そのまま士官室方面に流れて行った
今まで見せたことも無い笑顔を残し・・

いよいよ来たか♪ 私は期待と股間を膨らませ・・・
いや・・ 股間はまずいだろ、股間は・・  それとも今日は大当たりなのかぁ? 


「ワサビィ大尉!・・」

なに? 今度は艦長か?

「コンペット准尉から連絡がはいったの・・
 申し訳ないけど副長と一緒に看護室に行って、オーリン曹長とクマ軍曹の様子を
 見てきてはくれないかしら・・」

ふぅ・・業務指示か・・ 良かった・・

「イエス、マム! じゃぁ少佐! 行きましょうか・・
 そうそう・・
 リン少尉! ヒロ中尉との連絡は確実にな!
 何かあったら、看護室まで連絡をしてくれ!
 ミィ少尉は、緊急時に備え、スクランブル待機に入ってくれ!」

「了解 ♪」

「リン少尉、あとは頼む!」

「了解です 隊長! ごゆっくりぃ~ ♪」

「なんだ・・ その記号(♪)は?」

「聞こえてないと思ったら大間違いですよ!
 さっき、少佐と、楽しそうにお話してたのでは?」

地獄耳は・・ リン! お前か!

「リン少尉・・ 楽しいお話って・・ なぁに?」

かっ・・か艦長まで興味を持たないで!って!
           (楽しそうに話し・・が、楽しい話・・になってるし!)

「いや違うんですよ艦長!・・
 副長とカタパルト使用時のプログラム改編の話をしていただけで・・」

「ふぅん・・そうなんだ・・ カタパルト話で一晩も語り明かすのね?・・」

やっぱ、艦長・・ あんた地獄耳っす? それともニュータイプ?

「あっ・・ いえ! ワサビィ看護室に向かいま~す!!」


と、まるでヒロ中尉が私に降臨したようだ・・参ったなぁ・・
私は逃げるようにエレベータに体を流した・・
後ろからクロヒッツ少佐が笑いながらついてくる・・ 楽しそうに・・

        ああ・・
        こうやって徐々に艦の中での自分の位置付けが、
        決まっていくのだろう・・・
        そんな、感じを受けながら、私はエレベーターに乗った・・
        死んでも直らん性格だが・・
        下手すれば、死ぬかもしれんなぁ・・ と・・

「<第11話>連邦軍の内情・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4ceb149cd5bc66d3b05140f580d79a39に続く・・・

(2007/07/03 12:48)