<ここまでの話>
【第1部】
「
<第1話> から <第24話>までのリンク」
【第2部】
「
<第25話>子にゃんこ」
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10バンチコロニーの宇宙港ハッチが開いた事を確認した後、
私はジムコマンドのオートパイロットをOFFにし、コントロールを手動に切り替えた・・
何が発生するか解らない始めての場所には「まず手動」が鉄則だ!
そのリスクはパイロットに降りかかる・・
(タッチダウンプロセス等はコンピュータで制御されている)
慣性力で流れていたジムコマンド212を、私はAMBAC制御で機体の方向を変え、
アポジモータの調整で速度を低下させた・・
軸線を宇宙港の軸に合わせたあと、軽く逆噴射させる・・
まだ速度は80キロ/hほどは出ているが、人間の10倍の大きさを持つMSに乗っていると
10分の1の速度に感じ・・ 少々じれったい・・
「・・・ ジムコマンド212、軸線乗ってます! そのまま侵入OKです!」
10バンチコロニーのコントロールから通信が入る
「ラジャ!・・」
「・・・ 距離200! ちょい右ぃ ヨーソロー・・」
「ちょい右ぃ・・」
「・・・ 212 OKです タッチダウンどうぞ!」
あっという間に宇宙港に入ると、急に早い速度を感じる・・
ドシン!という衝撃を感じ、宇宙港の着艦スライダーにタッチダウンすると
スライダーはMSの慣性力を受け、レールをブレーキングしながら流れ、
MSもろ共、着艦ネットに突き進む・・
ジムコマンド212は着艦ネットの数メートル手前で停止した・・
「ふぅ・・!」 今回もネットの世話にはならずに済んだか・・
慣れない頃は毎回のようにネットに突き刺さり、2枚目のネットでやっと
止まるなんて事も良くあったが・・ いつやっても難しいものだ・・
「・・・ ワサビィ大尉! いつも絶妙な着艦ですね、さすがです!」
「おべんちゃら言っても、何も出ないぞ!♪」
「・・・ はい ♪ ようこそ!10バンチコロニーへ!!
注意事項があります・・
現在宇宙港へのエアー充填が不可能ですので、
ノーマルスーツで機外にでてください・・
エアーロックは右前方のB-25ハッチが稼動しています・・ 」
「了解だ・・ ところでサミー曹長はいるか?」
「・・・ 班長はコロニー内の視察に行かれているようで、
1時間ほどすれば、帰って来られるとの伝言です。」
そうか・・ サミーは居ないのか・・
「そうか・・ じゃぁいま、そこにMSメンバーは?誰が居る?・・」
「・・・ ユカ少尉とオーリン曹長が居られます・・」
オーリンか・・(ひょっとしたら・・)
彼女は情報通でもある・・ 中継者が見つかるかもしれない
「ありがとう・・ では、オーリン曹長にB-25ハッチに来るように
伝えてくれないか・・」
「・・・ 了解しま・・ あっ・・ (ガガガ・・ ゴツン・・ )
なんなの? ワサビィ・・ 私に用? ♪」
「ああ・・ オーリン・・ ちょっと相談に乗って欲しい事がある・・
ちょっと顔を貸して欲しい・・ ♪」
「・・・ んん? やっと、お誘いかしら? ・・
もう・・ ずっと待ってたんだから・・
ただ・・ 安くはないわよ ♪」
「ああ・・ 解った、解った・・ とにかく来てくれ!」
「・・・ わかったわ! ちょっと待っててね♪・・」
私はヘルメットを装着したまま、ジムコマンド212のハッチを開け、B-25ハッチに
向かって体を蹴りだした・・
・・・
「ワサビィ・・ 何か問題でもあったの? 私にお誘いをかけるなんて・・」
「ああ・・ 私もやっとオーリンの魅力に気付いた所さ・・
こんな女は、宇宙中探しても、そう簡単に見つかるものではない・・」
「何をお世辞を言っているのよ! ♪ で・・ 本題は?」
「実はなぁ・・ ルナツーのワッケイン司令に、至急繋ぎたいのだが・・
ちょっと表ルートでは、時期が時期だけに、時間がかかってな・・
艦長やマスミン参謀でさえ、周りが取り合ってくれんのだ・・
直接話ができれば、現状を打破できるはずなんだが・・
この10バンチからなら、月都市フォン・ブラウンに対し
直接回線が取れるだろ?・・ フォン・ブラウンにコネはないか?・・
つまり・・ 信頼できる裏ルートを知らんか? という事だ!」
「なんだぁ・・ そんな色気のない話なの? 期待して損しちゃった!
で・・コネは無いかって事? 忘れたの? チーフがいるでしょ?!
負傷して退役した後、フォン・ブラウンでコックをしているって・・
彼ならいろんなルートを持っているわ 表面的には顧客情報だ!って事だけど・・」
「おお、チーフか!! そうか!!・・ 彼なら信頼もできる!!
コックをしているのは知らなかったが・・ さすが、情報通のオーリンだ♪
一度、食べに行きたいものだが・・
フォン・ブラウンは軍艦の入港を拒否しているからなぁ・・
戦時中は行く事は難しいが・・ 戦争が終ったら、一緒に行こうぜ! ♪」
「お誘い、ありがと♪ でもねぇ~ 私で良いのっかなぁ~ ♪」
「な、何を言っている!・・ 気を回しすぎだ! ほんとに・・
まぁ、そんな事は置いといて・・ チーフに繋がるのか?」
「多分ね・・ とにかく、通常の電話回線に入らないと・・」
私とオーリン曹長は、話しながら通信ルームに流れて行った・・
通信ルームに入ると1人の通信士が業務についていた
「おう! ご苦労さん、しばらく休憩を取って良いぞ! 私が見ておく!
休憩も軍務だからな!」
「はっ!・・ 大尉殿! ありがとうございます! 休憩ですか?・・ 了解です!
では・・ しばらく、休憩♪を取らせて頂きます! 申し送り事項は特にありません
宜しくお願いいたします!」
「ああ・・ 勤務復帰時刻は追って連絡する!
それまではしっかりと休憩しろよ! 以上だ!」
「ありがとうございます大尉殿! ではっ! ♪ ごゆっくり」
「ふふふ・・ やっぱりワサビィは悪人ね・・ さすがだわ・・」
「何を今更・・」
「でも・・ 今の通信兵・・ 絶対に勘違いをしているわよ・・ にやけていたから ♪」
「それだったら、余計に好都合だ ♪ きっと、他の兵にも伝えるだろう・・
だから・・ しばらくは誰も来ないさ ♪」
「はぁ?? ワサビィは良いわよぉ!
でも、私に変な噂が立っちゃうじゃない! これでも乙女なんだからぁ!」
「すまんすまん、また埋め合わせをするからさ・・ というか、繋がりそうか?」
「もう! 仕方がないなぁ・・ じゃ、やってみるわね・・」
・・・
そんなこんなしている間に、通常回線でチーフと連絡が取れ、
座標を固定し、レーザー通信を確保した・・
「チーフ! ワサビィだ!! 元気にしていたか?」
「・・・ おお!懐かしい、中尉も元気でしたか?
私は、いたって元気そのものです! ・・・」
「チーフ! 聞こえる? オーリンよ!
中尉はね・・ 星が増えて偉いさんになってるよ~」
「・・・ おっと! それはそれは!
これは失礼しました! キャプテン(大尉)ですか!
遅まきながら、ご出世おめでとうございます!
で・・ 要件はなんでしょう?
この通信・・ やばいんじゃないですか?・・」
「ああ・・今は大丈夫だ・・ 要件だが・・
フォン・ブラウンなら、ルナツーに繋がる回線があるのでは?・・ と・・」
「・・・ ・・・・ えらい難儀な要件ですね・・
ちょっと待ってってください・・ トライしてみますから・・
サイド6経由で、出来ちゃうかもしれません・・ 」
「サイド6か・・ その相手は信用できる相手なのか?」
「・・・ 大丈夫ですよ・・ 同じ宇宙戦闘機隊の元メンバーっすから・・
とりあえず・・ ヒトヨンマルマル時に連絡しますので
待っていてください
で・・ フォン・ブラウンには・・ 来られないのですか?」
「ああ・・ この戦争が終ったら、絶対に行くからな・・
美味しいものを作って、待っていてくれ!」
「・・・ ええ♪ 私が作るのは、なんでも美味しいですよ ♪
じゃあ・・ 戦争が早く終るよう期待しています!
では! 一旦、切りますね!」
なんとか、回線が開きそうだ・・ しかし・・ さすがチーフだ ♪
出きる奴は何でも手際が良い・・ きっと料理も絶品なのだろう・・
早くチーフの料理を食べたいものだ・・・
さて・・ちょっと時間があるか・・ 折角のコロニーだから・・
「ちょっと時間があるなぁ、ちょっと中を見てくる・・
ここを頼んで良いか? 」
「いいわよ・・ 中はいたって平和?かしら?
コロニーの中の具合を調査する為に、リン少尉とクマ軍曹・・
そしてサミー曹長たちが下りているわ・・
だから、ユカ少尉とミィ少尉が統制をとっているのだけど・・
ジオン軍の捕虜たち・・ もうユカ少尉の言うことを素直に聞くのね♪
一体、どんなマジックを使ったのかしら?
だから、平和よ ♪」
「そうなのか?
ヒロ中尉も言っていたが、簡単に降伏したとの報告だ・・
何かした事は事実だと思っているのだが・・
まぁ・・ユカ少尉に限って、無茶はしないはずだが・・」
「ふふふ・・♪ まぁ、その目で見てきたらいいわ ♪」
「ん? なにか知っているのか?」
「いいえ? 知らないわよ♪
ただ・・ クマ軍曹が何かを知っているって う・わ・さ・が、あるけどね♪」
「そうか・・ なにかまた1つ楽しみが増えたようだな♪
じゃ・・ ヒトヨンマルマル時に戻ってくる、頼むぞ!」
そうだ・・ 気になっていた事だ・・ あっけなくこのコロニーのジオン軍が降伏した・・
きっと、何かあったんだ・・
「ふっ・・ でも・・頼もしいじゃないか・・ 」と、顔はにやけていた・・
通信センターがある宇宙港のコントロールブロックから、エレベーターで移住区に
向かうと大きな声が聞こえてくる・・ グリフィンの兵が何かを言っているのか・・
どうやら、捕虜を隔離している食堂の前のようだが・・
「おい! 飯はまだかぁ! 連邦は南極条約は守ってくれんだろうな!
やる事がねえから、飯を食うだけが我らの仕事・・ 飯はまだかぁ?」
ジオン訛りがきつい・・ 間違いなくジオンの捕虜が騒いでいるようだ・・
「めし!めし!って、うるさいんだよ! ちょっとぐらい待てよ!!
なんなら・・ ユカ少尉殿を連れてこようか?・・」
「・・・ いや・・ それは勘弁してくれ・・ 解ったから・・
ちょっと遅いんで、皆腹が減ってなぁ・・ わかるだろ?・・
とにかく、『ルウムの極妻』には内緒にしておいてくれやぁ・・」
「よし・・ もう騒ぐなよ・・ できるだけ早く用意するからさ・・」
「ああ・・解った・・ で・・飯は少しでも早く頼むぜ・・」
と、ジオンの捕虜の代表だろうか・・ そのように言い残して扉を閉じた・・
しかし・・ 何か面白そうな話だ・・
「おい! 警備兵!」
「はっ! 大尉殿! なんでありますか?」
「貴様はなかなか捕虜の扱いに慣れているなぁ・・ 凄いじゃないか・・」
「はっ! いえ・・ 滅相もありません! 自分にはそんな器量はありません!」
「そうなのか? でも、上手くあしらっていたじゃないか・・ 素晴らしいぞ!」
「はっ! ご評価、感謝いたします!」
「ところで・・ 『ルウムの極妻』とは? 何だ?」
「うっ・・ そ・・それは禁則事項でありまして・・」
「ユカ少尉と関係があるのか?」
「えっ・・ いやぁ・・」
「ん? 貴様ぁ・・ 答えんのか? 私は誰だ?」
「はっ! 大尉殿であります!」
「ユカ少尉より私の方が上官だよなぁ?」
「はっ! 肯定でありますっ!」
「では!再度質問をする! 『ルウムの極妻』とは 何だ?説明しろ・・」
「はっ・・ いえ・・ それはジオンの兵が言っている事でありまして、
私は、何の事かさっぱり解らないのでありまして・・ ・・」
「貴様ぁ・・ 隠すのかぁ? 命令しても良いのか?
上官侮辱罪でブッコまれたいのかぁ?・・」
「・・ いえ・・ そんなぁ 大尉殿・・ 勘弁してください・・」
「どうした? そんな泣きそうな顔をして・・」
若い兵をいじめるのも、この辺で止めておくか・・ しかし・・
なんだ? 『ルウムの極妻』とは?
「解った・・ もう聞かんから安心しろ・・ 」
(ひょっとしたら、この新兵・・ ユカの親衛隊か?・・)
「はっ! ありがとうございます!」
と・・そのとき
「あっ! 隊長ぉ!!」
「おう! ミィ少尉か どうだ?具合は?」
「はい! 完璧です♪ で・・ 何で新兵をいじめているのですか?♪」
「いやな・・ 捕虜の扱いが上手いから褒めてたんだが・・」
「そうなんですかぁ?・・ 怪しいな・・」
「怪しくなんか無いぞ・・ なぁ 警備兵?・・
ところで・・ ここの管理状況はどうだ?」
「もう完璧ですよ! ユカが仕切る仕切る♪ 安心してください
ここでは先任のリン少尉より、ユカの方が上官みたいになってて・・
リン少尉も、それで良いみたいで・・ 艦長みたいなもんですよ
ほんと・・ 凄いんだから!」
「そうか・・ ユカ少尉も一皮剥けたか・・」
「一皮どころか、二皮と言うか、三皮と言うか ♪」
よし・・ 今度はミィ少尉にカマを掛けてやろう・・
「しかし『ルウムの極妻』ってのも、すごいよなぁ・・」
「ですよね♪ 通り名まで付いちゃって、もう完全にエースですね!」
「ああ・・ そうだな・・」(話を合わさないと・・)
「じゃここで!・・ 私はジムコマンドの整備がありますので!
もう・・ 本当に忙しいの! ユカって人使いが荒くって♪ では・・」
「・・あっ・・ ミィ・・ ミィ少尉ぃ・・ 」
ええい! ルウムの極妻とはユカ少尉の事だとは想像できるのだが・・
どうも確証が取れない!・・ くそぉ!・・ まぁ良いか・・
(今日はこれぐらいにしといたろ♪)
・・・
にやけた顔のまま通路を進み、宇宙港のコントロールルームに流れ着いた・・
と、その時! アラームがけたたましく鳴り響いた!
「なんだ?!」
宇宙港コントロールに、ピーンとした緊張が走る!
「ミノフスキー粒子濃度に異常値です!・・
地球方面サイド6ラインからです・・ 距離48000!!」 レーダー要員が叫ぶ!
「艦艇か? 識別は可能か?
通信兵! グリフィンとの回線をオープンに!・・」 ユカ少尉が叫ぶ・・
「ここには(コロニーには)認識データがありません!
識別不可能です!!」 レーダー兵が叫ぶ!
「どうしたユカ少尉? 落ち着け・・」
「あっ・・隊長! ミノフスキー粒子濃度の異常です、現在識別中ですが・・」
「解った・・ さすが、コロニーだな・・ ミノフスキー粒子の濃度変化を
察知できるのか・・
今から、統括は私が取る・・ 良いな!」
「はい!隊長! 宜しくお願いいたします!」
「通信兵! グリフィンとの回線はまだか?」
「はっ! 今すぐ!」
「・・・ こちらグリフィン、クロヒッツです・・どうしたの?・・」
「副長! ワサビィです、距離48000に、ミノフスキー粒子濃度の異常です
識別データが無いので、こちらでは識別不可です。
そちらではどうですか?・・」
「・・・ ちょっと待ってね・・ ルートから考えると月に向かう航路ではないわね・・
ルウムに向かうルートよ!・・ 艦艇だとしたら友軍の可能性3割ね・・」
「了解! ヒロ中尉とチコ伍長にボールで、スクランブル待機を発令ください!」
「・・・ 解ったわ・・ ヒロ中尉に任せるわね・・」
「お願いします・・ こちらも、ジムコマンドの準備をします!
ユカ少尉! オーリン曹長は別タスクで任務中だ!
ジム2号機はリン少尉が使用中だな?
211と212があるが・・ どちらが良い?」
「211でお願いします!」
「解った・・211でスタンバってくれ! で・・ついでに212もスタンバイだ!
随伴機はミィ少尉の 214で行くが・・214の整備状況は大丈夫か?」
「確認します・・
ミィ! ミィ! 聞こえて?・・」ユカ少尉がマイクに取り付く・・
「・・・ 聞こえるわよ、なんだか騒がしいわね・・」
「ミィの214・・ 出せる?」
「・・・ 今? まだ、バラしてないから大丈夫よ!」
「じゃあ・・ スクランブル待機に入って! 私も行くから・・
211と212もスタンバイさせておいてね! パイロットデータセットは
そのままで良いから!」
「・・・ 了解よ・・ で・・ 敵?」
「わかんないから・・ 多分、偵察にでると思うの・・
ミノフスキー粒子が散布されているって・・」
「・・・戦闘かしら? 了解! すぐに来てね!」
「解ってるわよ♪
では 隊長、ユカ少尉、ジムコマンド211で待機します!」
「ああ・・ すぐに出れるよう準備をしておいてくれ! 頼むぞ!」
「ハイ! 隊長♪」 ユカ少尉が通路に流れていく・・
「通信兵! コロニー内のリン少尉とクマ軍曹に帰還命令を出してくれ!」
「了解です 大尉!」
グリフィンから通信が入る・・
「・・・ コロニーコントロール・・ ワサビィ大尉、聞こえてて?」
「ハイ! 副長!感度良好です・・」
「・・・ ダメね・・ 識別不可能なの・・
グリフィンからレーザー照射すると解るんだけど・・
ジオンだったらやぶ蛇ですものね・・」
「そうですね・・ やはり偵察隊を出すしかないです・・
現在、ジムコマンド2機とボール2機にスクランブル待機に入らせましたが・・
こちらの防衛戦力も考慮して、ジムコマンド2機で偵察させようと考えています。
ボールは燃料は満タンになっていますが、バーニア用の固形ロケット燃料が不足で・・
緊急時として待機させ、コロニー内からジム2機をすぐに戻します。 許可を!」
「・・・ 大尉、了解よ・・ MS隊の運用はお任せするわ・・
・・・ ちょっと・・ ちょっと待って!!
今、友軍艦からエマージェンシーコードをキャッチしたわ!
・・・ オペレーター!至急識別を! 艦長を至急ブリッジに!・・・
ごめん、大尉・・ 友軍の輸送艦からのエマージェンシーね、
大尉! あなたも出て頂戴! お願い!」
「イエス・マム! ヒロ中尉に、こちらに来るように伝えてください!
中尉にも出てもらいましょう! 中尉の212は置いときます。
では・・ 213で私は出ます・・ 先にユカ少尉とミィ少尉に先行させますね
あとのコントロールは、グリフィンからお願いします!」
「・・・ 宜しく頼むわね・・ ヒロ中尉には、そちらに行くよう指示するわ・・」
「ではっ!
通信兵! グリフィンとの通信を宇宙港デッキに繋いでくれ!
あとの指示はグリフィンに従ってくれ!
そしてデッキに 213も出すから準備するよう伝えてくれ!」
「イエス・サー!」
私は床をけって通路に流れようとしたとき、グリフィンからの通信が叫んだ・・
「・・・ ワサビィ! 急いで! 識別が出たの EFSF1116って・・
タゴサ中佐のヒポグリフ!!
私達のグリフィンと同じようにMS運用艦に改造された試験艦よ!
大尉! お願い! 急いで!!! 」
クロヒッツ少佐の悲壮な声を背中に聞きながら、私は宇宙港デッキに急いだ・・
頭が覚醒していく・・ スイッチが切り替わった・・
「
<第27話>チーム戦!」に続く
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