いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第52話>セカンド・ルナ / [小説]ガンダム外伝

2011-09-29 06:26:58 | [小説]ガンダム外伝
<ここまでの話>
【第1部】
<第1話> から <第24話>までのリンク
【第2部】
<第25話> から <第46話>までのリンク

【第3部】
<第47話>月面着陸・・
<第48話>敵か味方か?
<第49話>アロー市自衛軍
<第50話>大丈夫だよね・・
<第51話>フォン・ブラウンへ・・
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「よし♪ じゃぁ出発だ・・ まずは第4層に降りよう、私が運転するからな
 あとは口と耳があれば大丈夫だろ、聞いて回ればいいさ・・」

「そうですね♪ 行った事が無いんで、ちょっと楽しみでもあります♪
 マップは私が見ますので、運転はお願いいたします
 というか、軍に入ってからエレカー免許を取得したので、まだペーパー免許なので・・」

「なんだ、プチモビルスーツは180時間も乗っているのに、エレカーはペーパなのか?」

「てへっ♪」

と、ペロッと舌を出し、笑うチロル三尉の顔に癒される自分が居た・・

・・・

フォン・ブラウンの第4層、フォース地区へ下る道は、市を覆うドームの周回淵に設置されていた、
貨物用の大型車両がたまに通過する、フォース地区は上層とボトムズを繋ぐインターフェースの
役割を機能として持っている郡で、中央部にジャンク屋商会の会社などがあり、その北と南の両端に、
飲み屋や風俗や賭博場などの繁華街が構成されている街だ・・ 

(エレカーで来るんじゃなかったか・・)

私達のエレカーが目立つ・・ ここでは乗用エレカーが非常に少なく、あっても旧型だ・・
そして多くのエレカーは、貨物用にも使用できる月面バギーが大半だった・・
ひょっとしたら、このフォース地区にはドーム外の月面に直接出れるトンネルがあるのかもしれない 

「どこか、ちゃんとした所に駐車しないと、エレカーが盗難にあうかもしれんな・・」

「そんなぁ・・ 取られちゃうんですか?」

「ああ・・ そういう目をしている奴らばかりだ・・」

「確かに・・ アロー市の下層とは全然雰囲気が違います・・ シャフトが無いからかな?」

「まぁ・・ それもあるだろう、市の面積がアロー市の数倍はあるからな・・
 アロー市は直径が小さいから、最初から4層で構築されているが、
 直径の大きな、フォン・ブラウン市の設計は、元々第3層までだと聞いていた・・
 というか、実際に第3層まででフォン・ブラウン市の機能が全て構成されているだろ?
 その下の層は・・ 勝手にできたのかもしれんな・・ 人間の力は凄い物だ・・」

「勝手に掘っちゃった・・ って事なんですね・・」

「ああ・・ そう言う事だろう・・ 上層には空気があるからな、コロニーより安全だ
 コロニーからも流れてきている奴らが多いんだろう・・  で・・ここからがサウス地区か・・」

サウス地区の文字が路肩にある標識に書かれている・・
道の先には、繁華街のネオンがまぶしく光っていた・・
3層までは、人工太陽などで昼夜の自動制御が行なわれているが、それより地下には昼間は無い、
常に夜であり、ネオンが明るい・・繁華街のサウス地区は不夜城という表現がピッタリだ・・

「となると、サウスエンドはこのあたりだな・・」

と、駐車場のマークのネオンが見えた、椅子に腰掛ける初老の男が「P」と書いた旗を振っている
その店の前でエレカーを止め車外に出ると、ムッとした鉄くずの錆びた匂いと湿気に包まれた・・

「泊まりかい?」と初老の男がにやけた顔で覗き込む・・

「いや、店を探している、数時間だが預かってくれるか? 軍務だ・・」

「なんだ、お家に帰らないといけないのか? さては、かぁちゃんが怖いのか?
 そんな娘っ子みたいな、おなごと・・ わざわざアローから来るんだ、訳ありだろ?」

と、私の軍服や階級章、そしてチロル三尉をちらちら見る・・

「だから軍務だと言った! 訳ありだと高くなるんだろ?」

「逆さ 訳ありならお安くしておくさ、軍務だと2倍だね♪」

「そうか・・ さすがマスターは鋭いな・・ 秘密にしてくれよ・・ 司令がうるさくてな・・
 というか・・ 中々いい娘だろ? 士官学校出立てのピチピチだ♪・・」

「だろ? 訳ありだろ♪
 そうじゃないかと見たんだ、 なら、泊まりだね! 安くしておくが
 現金で前金だ! クレジットはダメだ、信用ならんからな!」

「分かった・・ 幾らだ?」

「3000ルナ貰おうか?」

「な・・なにぃ? さ・・ 3000ルナだとぉ! お、女が買えるじゃないか!!」

「嫌なら良いよ、ミナミじゃどこでもこんなもんさ、もっと高い店もあるからね・・
 と、いうか、盗難にあったらエレカーの賠償金はもっと高かったんじゃないかな?
 ほら・・ そこのガキ達が、綺麗なエレカーを見てるよね・・ ひっひっひっ♪」

道の反対側で5~6人ほどの子供達が、ジッとこちらの様子を伺っているのが見えた・・

「分かった分かった・・ マスターの言うとおりにするよ・・
 で・・ 店を探しているんだが?」

「やる前に腹ごなしか? 女の食欲と性欲は同じって言うモンな! 良い店があるぞ♪」

「いや・・ 知人がやっている店なんだが・・
 確か・・ ルナ2・・ いや ルナセカンド・・ セカンドルナだっけ?」

「ああ?・・ それってチーフの店か?
 それなら、その路地を入って右に折れた先にあるぞ、セカンド・ルナだ・・」

「そうか! ありがとう・・ 探すのに手間がかかると思ってたんだ、助かった!
 じゃ、3000ルナだな・・」

「いや・・ 300でいいよ・・ チーフの友人からは、ボッタくれないからな♪」

「おい・・ そういうものなのか?」

「ああ・・ そういうもんさ で・・ これを持っていけ!
 ホテルの割引チケットだ! これがあると、ボッタくられないはずさ、安く泊まれる
 じゃ、楽しんで来てくれや ひっひっひっ♪
 そうそう! チーフに会ったら、また酒を頼むって言っておいてくれ♪・・」

と、駐車場の初老の男が指を1本立てたサインを頭上に差上げ、店の中に入っていく・・
先ほど道端でエレカーを見ていた男の子達が、ジャッキを持って駆け寄ってきて
手際よくエレカーを駐車スペースにロックした・・

(なんだ、このガキ達・・ 爺の手下じゃないか・・)その中の年長らしき子が・・

「旦那! 確実にお預かりします! ご安心ください♪」

と、言いながら手のひらを私に見せて突き出す・・

(チップか・・ 小銭が無いな・・)

私は100ルナ紙幣を彼の手に乗せ、ウインクした・・

「す! すげぇ!!!  まいどです!! 俺、サンダースって言います。
 困ったら何でも言ってください! 次回もご指名を! サンダースです♪」

と、深々とお辞儀をし、ニコニコしながら紙幣を高々に差し上げ、子供達の方に走っていった・・

「5ルナから10ルナですよ・・ 普通は・・」

「そうなのか・・ 小銭が1枚もなくてな・・
 まぁ3000ルナ払う事を考えれば、安い物だし、こんな場所だ・・
 味方を作っておくことも大事な戦術さ・・ じゃ・・ 行くぞ・・」

「というか、先ほどのおじいさんとの会話・・
 一体、何を言っていたのですか? 私には何がなにやら・・ もう、信じられない!」

「そうか? このような場所での会話だ・・ 全て冗談だって解らんか?
 だから、言葉の遊びだと思って慣れろ・・」

「言葉の遊びだけだったら、どうしてホテルのチケットを受け取るんですか? 
 それって、お泊り決定じゃないですか? そんな・・ もう・・ 心の準備も・・ 」

「だからぁ・・ 大丈夫だって言っているだろ? 
 まぁ、仕方なく一緒に泊まったとしても、何もしなかったらいいんだろ?」

「やっぱりぃ!! 一緒に泊まるんだ!
 食事も性欲と一緒って何の事? もう、ほんとに・・」

「ん? やっぱりその気なのか?
 ・・・ 
 なんてのは、ほんと冗談さ
 ただ、こんな街だ、ホテルはビジネスタイプじゃない事は解るよな、
 だから2部屋などリザーブできん・・ だからと言って、あれをする訳でもない・・」

「本当ですか? 約束ですよ・・ 本当ですよ・・ 三佐ぁ・・」

「ん? 『三佐ぁ・・』って言ったな・・ やっぱ1発は必要かなぁ?・・♪」

「え~ え~ え~ え~ え~ !!!!!」

「約束を破ったチィロが悪い♪ 行くぞ!、 それとも、ここに残るのか?」

「えっ、待ってくださいよぉ・・ さ・・ 三佐ぁ・・ 」

「あっ・・また言った♪・・ これで2発か・・
 やっぱ、したいんだ・・ まぁ私は、いつでも受けて立つがな♪」

「え~ え~ え~ え~ え~ え~ !!!!!!」

相変わらずうるさく言いながらも、私の服のすそを掴んで付いてくる・・
色々と言葉で攻めた事が功を制したのか、話し言葉がごく自然になってきた・・
全く想定外ではあったが、結果として女性連れになったことが有利に働いている。
というか、むさいオッサンが他市の軍服を着てうろうろしていると、非常に目立つのだが
それが同じ軍服を着ていても、女性連れだと何故か溶け込み目立たないのだ・・
木を隠すのなら森に、繁華街で隠れるのなら女性連れ・・ って事かもしれない・・

・・・

駐車場の親父に教わったように、路地に入って右に折れ、先に進むと
「セカンド・ルナ」と書かれた看板が見えた・・

ドアを開け、中に入る・・ レストランとバーとが合体したような店だ・・
テーブルが6つに、8人掛けカウンターが1列の小さな店だが、
客の入りはほぼ8割がたという感じで、繁盛して事が読み取れる・・

「はーい♪ いらっしゃい・・ ちょっと待っててよ・・ すぐ行くから・・」

と、カウンターの中から懐かしい声がした・・ チーフに間違いない・・
奥の空いていたテーブル席の椅子に腰をかけ、横の席にチロル三尉も席についた・・
暫くすると、カウンターの中から声の主が、ガチャガチャと義足の足音と共に出てくる

「どうもお待たせして済みません、アロー軍の旦那・・
 いつも居る、店の娘が休んじまって、また、こんな日に限って忙しくなるってもんで・・
 って・・ あれ?・・ あれ??   ちゅ・・中尉? ♪」

「元気そうだな? 来ちゃったよ♪」

「おいこら!、そこの金も持たずに、ただ飯を食いにきやがる雑魚ども!
 邪魔なんだよ とっと席を空けろぉ!!」

と、カウンターの端で食事をしていた2人を掴み、席を無理やり空けさせる・・

「おいおい・・ 乱暴な・・ 良いのか?」

「いいってモンよ! ここは俺の店だから、俺様がルールブックだ♪」

「相変わらずだな♪」

とカウンターに付くと、ジョッキに注いだビールを2つ出してきた。

「いやぁ! 嬉しいですね、本当に来てくれるとは♪ マスドラ破壊作戦以来ですから・・」

「そうだな・・ あの時は貴様は死んだと思ったぞ・・」

「まぁ・・ 閻魔さんに嫌われちゃったみたいで・・ おかげさまでまだ生きてます・・
 この足と引き換えになっちゃいましたが・・
 で・・ 中尉どの!、その格好(制服)はどうされたんですか?
 いや、3日前だっけ、オーリンが『大尉』って言ってましたよね、
 なのに、2本線(佐官)って?」

「まぁ、色々あってな、呼称は中尉でいいが、今は2本線だ、そしてこいつが今日の相棒だ♪」

「さっすがと言うか、ジオンの野郎どもとドンパチしている最中だってぇのに、
 こんなピチピチのお嬢ちゃんと・・ 相変わらずお盛んですなぁ♪
 まぁ何はともあれ、来てくれて嬉しいですよ中尉♪ あっ・・ 今は少佐殿っすね・・」

「三・・ いや・・ あの? 中尉って?」

「あっ? 嬢ちゃん ごめんごめん・・というか、嬢ちゃんも少尉さんなんだね♪
 実は、俺と一緒の隊の時、少佐殿は中尉だったって事で、つい口癖でね♪
 この店の名前も、中尉と同じ隊に居たときの基地名から取っている・・
 だから、この店に来る奴は、何がしかの関係で連邦軍と関係ある奴ばかりさ♪」

「なるほど・・ ルナ・セカンドと聞いた時、ルナ2を思い浮かべたからな・・
 やっぱり、ルナ2で間違いではなかったんだな♪
 で、チィロ・・ 連邦軍ではそうだった・・って事だ・・ 気にするな・・」

「中尉ぃ・・ 連邦軍では? ・・って?」

思わずチーフを目で威嚇し首を左右に振る・・ (ややこしそうだと解れ!)

「まぁ・・ ・・ どうでも良いか・・ じゃ、旨いもんでも食ってください!
 そうだ! ムサカを食ってください! 女房の郷土料理なんですがね、俺の一番のお勧めです。
 ポテトとなすびをスライスして、トマトソースとホワイトソースで挟んだグラタンって事かな」

「それは旨そうだな♪ じゃ、それを2つ・・ そして、美味しい水も2つだ!」

「おっ! 実は地球のキリマンジェロで取れた極上の天然水を入荷したんですよ! 旨いですよ♪」

「そいつはいいなぁ! 合成水じゃないんだな! 是非それを貰おう!!」

「了解であります中尉♪  お~い! ムサカ2つだ!・・」

「はいよ~♪」

厨房の奥から女性の声がした・・

「嫁さんか?」

「まぁね、いつまでもチョンガーで右手が恋人って年でもないし・・
 この街に流れ着いた時に知り合ったんだけど・・ いい娘でね・・ 俺が押し倒したんだ♪」

「そうか・・ それは、おめでとう! 幸せそうで私も嬉しいよ♪ あとで紹介しろよ」

「嫌だね♪ 中尉は手が早いから・・ 穴さえあれば人妻であろうが関係ないし♪」

「いやいや違うぞ・・ 手さえ繋がなかったら妊娠はしないから大丈夫だ♪」

「え~?そうだっけ・・ 目を見ただけで妊娠するんじゃなかったんすかぁ? ♪」

横できょとんとするチロル三尉を放置し、昔に騒いだバカ話の内容で2人で大笑いになる

(これだけバカ笑いするのも久々かもしれんな・・)と、平和がいかに大切であるかを実感する。

暫くすると、チーフの奥さんが出来立ての料理を持って厨房から出てきた

「あら? チーフとお知り合いなの?」

「ああ! この前も話しただろ? 『種馬ワサビィ』の通り名を持つ連邦のエースさまだ!」

「始めまして奥さま・・
 アロー軍のベリー三佐です、芸名が連邦のワサビィ中尉って事かな・・」

と、手を差し出す・・ すると、チーフが手で制止した・・

「だめですぜ! 握手すると妊娠しちゃうんで・・ ♪」と、また2人で馬鹿笑いする・・ 

「そうそう! 俺の活躍の話を女房にもしてやってくださいよ、
 俺の言う事なんか、これぽっちも信用してくれなくって・・ 」

「そうだな・・ チーフもエースだったからな・・ あのザクも落としている♪」

「へぇ・・この人がぁ? 嘘じゃなかったんですね♪ 信じられないけど・・」

「まぁ、旦那の言う事は、素直に信じてあげる・・ これが夫婦円満の秘訣だよ♪
 さて・・ おいしい料理が冷めないうちに、ご馳走になろうか!」

「そうそう! 食べてください! 絶対に美味しいんだから♪」

この所、戦闘食続きであったこともあり、久しぶりの暖かい出来立ての料理に舌鼓を打つ・・

「このお料理・・ めちゃくちゃ美味しいですよね♪」

と、半分放置され、少々不機嫌気味だった、チロル三尉も絶賛する

「そうだろ? 美味しいだろ? 俺の女房が作ったんだ、まずい訳はないさ♪」

「これ・・ レシピとかは企業秘密なんですか?」

「企業だと? 面白い事言うね♪ 嬢ちゃん少尉・・ 知りたいか?」

「あっ、チロル三尉です、チィロでいいです・・
 レシピ知りたいです!! 教えてくれますか?♪」

チーフが奥さんの方を見る・・ と・・

「そうね、この子可愛いし素直そうだし・・ 気に入ったわ♪
 こちらにいらっしゃい、教えてあげる♪」

「わーい! 三佐ぁ! 行って来ます♪」

「おい! チィロ!!・・」

「はい?」

「3発だぞ・・ 覚悟しろよ♪」

「え~ え~ え~・・ まだ、続いてたんだぁ・・」

「早く行って来い!」

「は~い・・」

と、しょげた感じでチロル三尉が厨房に向かう・・
チーフは気をつかってか、食事が終わった店の客に対し、『今日はもう閉店だ!』と、
どんどん追い出していく。
30分もすると、あれだけ繁盛していた店内は我々だけになっていた・・

「で・・ この後はどこに行くご予定ですか?」

「まぁな、今日の用事は貴様に会うことだったからな・・ その後は・・ ここに行くのかな♪」

と、駐車場の親父からもらった割引券をチーフに見せた・・

「ほう・・そこですか・・ ついに中尉もAV出演するんですね? 通り名は伊達じゃねぇ!って」

「ん? どういうことなんだ?」

「そこのホテルは盗撮カメラが設置されているって有名なんですよ♪
 俺としては、嬢ちゃん少尉殿のお姿は拝見したいところですが、
 中尉の、いや、種馬ワサビィのマッスルスティックは見たくねえなぁ♪」

「おい・・ 今はその名はやめろ・・
 というか、親父が言ってたぞ、ぼったくられないって・・」

「そりゃそうでしょ・・ いくら宿代が安くても、映像が高価で売れますからね・・
 というか、その割引券、お連れが素人娘でなかったら、入手できません・・
 可愛くて、うぶそうで・・ 映像が高値で売れるな・・ って思った場合に、
 あの親父が出すんですよ・・  確かに嬢ちゃん少尉だったら、買い手が付きますからね♪
 まぁ・・ここは、そういう街なんすよ♪」

「そうか・・ あのクソ親父・・ そういえば貴様に酒を頼むと言っていたが・・」

「そうでしょ? 画像が売れて金が入るから酒を注文できるって構図です。」

「さすが、やり手の親父だな・・ というかチーフ、さすがだ、良く知っているな・・」

「そりゃ、そうでしょう! この街で生きていくには、いろんな情報を掴んでおかないと・・
 というかね・・ 実は俺が女房を押し倒した時の奴が、市場に流れちゃって♪
 女房の親は激怒して、傷物にした!って、かなり絞られましたが、
 結果として嫁にすることができ、ある意味被害者ですが、ある意味感謝でもあります。」

「なんだチーフ!、貴様盗撮されたんだ♪ その画像データは今もあるのか?」

「中尉・・ この世界です、削除しても削除しても裏ネットから消える事はありません・・
 店に来る客の何人かは、女房の顔を見に来て居るんですがね・・
 きっとおかずにするんでしょう・・
 でもね、女房の奴は開き直っています。俺との分だから、見たかったら見てよね♪って・・
 いい娘でしょ?  女は開き直り、それで男は勃ち直る♪ ってね」

「いや・・ ほんと、貴様にはもったいないな♪」

「ということで、黙ってた方が良いかな?とも思ったのですがね・・」

「いやいや、ありがとう ここまで知ってて画像が流出したら、私の確信犯って事になる
 ただ、記念に一本欲しいかもしれんがな♪」

「なんとなく解ります、というか中尉らしいや♪・・
 で・・ そろそろ、本音に入りませんか?
 邪魔者はいないし・・ 3日前の急な連絡から、急な訪問・・
 そして、アロー軍の制服に、正式な少佐の階級章・・ そしてあの子・・ 突然すぎて・・
 そして、名前もワサビィではなく、ベリーと・・ 」

「だよな・・ というか、さすがだチーフ・・ あの子の前では話を合わせてくれて・・」

「まぁ・・ なんとなくですがね・・ 裏があるな・・ プンプン臭うぜ! ってね・・
 というか、返答の結果次第では、ちょっと困った事にもなる可能性もあるんですがね・・」

と、チーフはおもむろに隠し持っていたハンドガン(拳銃)を、私に突きつけた・・

「お・・ おい チ・・ チーフ!・・」

「中尉、大事にはしたくない・・ 正直に俺の質問に答えてください・・」

<第53話>スパイ容疑・・」に続く

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