以前町歩きで見つけた、岩手マッサージセンターにいってきました。料金はマッサージ1時間で2800円、鍼治療が3200円ですから激安ではないですが、安いです。膝も痛いし腰も痛いので、ここはチャレンジです。
さてこのセンターですが、正式には「就労継続支援B型事業所 岩手マッサージセンター」となるようです。この就労継続支援とは「就労経験のある障害者などに対し、就労の機会を提供するとともに、生産活動などの機会の提供を通じて、その知識および能力の向上のために必要な訓練などを行うサービスです。」と解るような解らない説明ですが、視覚障害者がマッサージの免許をとってもなかなか独立出来ませんし、病院や、企業に就職するのも腕を磨いてからでも遅くはありません。そうゆう事なのでしょう。
社会福祉法人岩手県視覚障害者福祉協会が運営しています。組織的には20人までマッサージ師がいます。ベット数は6程度のようです。つまり待たされるのが少ない、そしてクタクタになったマッサージ師に当たる事はないと言えそうです。
専従管理人は4人で職業指導員が一人います。つまりマッサージの先生がいると言う事です。もしかすると免許取り立ての人に当たるかもしれませんが、まずはこれで安心です。
さて腰と膝ですから、柔道整骨というのも考えられます。保険が利くので安くつきますが、どちらかと言えば部分しかやらない傾向にあります。完全に医療なので、患部しか見ないのは仕方がありません。右足も少し痛くなって来ていたので、身体全体のバランス調整した方が良さそうです。とするとマッサージか。評判とかもあるので、どうするか。ここなら真面目にやるだろう、そう考えます。
さて前回のぞいたときは、たまたま全く暇だったようですが今回はほぼ満床です。見た事があるひとばっかりいます。そう近所を歩いている視覚障害者たちです。と言う事は、免許取り立ての人はいなさそうです。患者は老人ばかりかと考えていましたが、大通りから歩いて10分程度の場所なのでサラリーマンがかなりいます。私に当たったのは30歳くらいの人。神経質そうな人でしたが無事に終わりました。1時間の予定でしたが、10分ほどオーバーして対応してくれました。よっぽど酷かったのか。
さて腕がいいのかどうかは、実は私には解りません。スポーツのセルフマッサージ法は昔勉強したので解っているつもりですが、こういったプロのマッサージと言うのは初めてです。柔道整骨でのマッサージは経験してましたが、彼はスポーツ選手が多かったせいか、スポーツマッサージに近いソフトなタッチでした。ただこの先生、予約とっても忙しすぎて待ち時間がとんでもない人だったので、今回はパス。
通常のマッサージとスポーツマッサージの違いですが、基本手のひらでさする、手のひらで押す、極稀に指で軽く回しながら押すでしょうか。揉むとか指で強く押すと言うのは御法度です。施術によっては変わると思いますが、特にセルフマッサージでは厳禁です。理由は、疲労回復のために行うのであって、毛細血管を破壊するような力をかけては逆に毛細血管再生の時間で、回復の時間が遅くなると言う考え方です。そして心臓から遠い方から、心臓に近い方にマッサージをしてゆきます。足だったら、足裏からふくらはぎ、腿と上に上がってゆく感じです。
通常のマッサージだと上から下へ向かいます。この違いは
ローマ時代の医学者ガレノスの説をとったものが、伝統的なマッサージ法と繋がっているから。ガレノスの時代には毛細血管と言うものは発見されておらず、血管から送られた血液は消費されて消えてしまうと言う考えで、血液が循環しているとは考えなかった。たしか時代が下がって
ヴェサリウスの時代でも、毛細血管は発見されずに、どうなっているのかはよくわからなかった。なので悪い老廃物を先端に集めて押し出すと言う考えになる訳です。強く揉みだすとか強く押すと言うのはたまった悪い血をどうするのか、そう言った思想からきています。
科学的な根拠はスポーツマッサージに軍配が上がる訳なのですが、スポーツマンたちはそれこそ自分で出来る調整はやっている訳で、セルフマッサージやストレッチング、骨盤の調整などやっています(真面目にやっていない選手はどっかで落っこちてゆくんだ、これが)から、これで良いのですが、日常生活や習慣による疲労となるとなぜかガレノス流が効く訳です。ここが面白い所です。最高のコンディションを目指す方法と、最善のコンディションを目指すのではアプローチが違うと言う訳です。
さてそんな事を考えながらマッサージを受けていますと、その中間のマッサージ法です。基本は押すのですが、私が痛がるのでちょっとコントロールしてくれたようです。押されていたくないと嫌なお客さんもいる訳で、使い分けをするようです。本当にイロイロ混ざっています。整体の考えも入っているし古典的なものもあります。スポーツマッサージと同じ手法もでてきます。同じ所を一気に揉むのではなく、バランスをとりながら様子を見ながらマッサージが進みます。膝も軽くさわってもらいましたが、完璧バランス取りです。かなり良さげです。
ただし、「膝に湿布してください」と言われました。正直でとてもいい。とても真面目です。
首と頭の付け根を特に丁寧にしていたのが気になります。というのはここはかなり重要な部位だからです。人体の中でも指折り重たいのが頭で、それが一点で首に繋がっています。なので頭の重心とその一点が一致していれば筋肉に負担がかからないのですが、なかなかそうなっている人がいないと言う事です。
普段から気をつけているつもりなのですが、何かあったのでしょうか。
さてソフトにやってもらったのですが、なんと1時間後にもみ返しが来ました。これがもみ返しかと感動したのですが、2時間後には無くなっていました。膝はまっすぐにしても痛くなくなりました。これは大きい。それまでは左膝をまっすぐにすると激痛が走っていたのですから、かなりの改善です。
ということで、岩手マッサージセンターはなかなか良いです。ただし欠点があります。完全個室マッサージとかパーテーションがあるとかそう言った事は一切ないです。みんなマグロのようにベットに横たわって揉まれています。民家の中に紛れ込んだような雰囲気もありますし、マッサージ師の休憩室の扉の立て付けが悪いのか、ちょっと中が見えてしまいます。そういったサービス面ではかなりダメです。
あと真面目すぎて、魔法がありません。わざと機械を使うとか、赤外線レーザーを使うとか、秘密のオイルを使うとかナゾのチタンテープがでてくるとかはありません。当然室内装飾とかには一切魔法はありません。というか逆です。治った気になると言うものはいっさいありません。あと行くたびに施術者が変わる可能性があります。ここも難点です。マッサージは医療ではないのでカルテが存在しない可能性もあります。鍼になると少し違うかもしれませんが。
あと弱視者に対する偏見がある人は、行ってはいけないでしょう。
ただ予想以上にマジメです。ここが最大の美点だと思います。魔法がないと言うのは、実は最大の欠点です。解ってゆくマッサージ屋さんです。そこのところお間違え無く。
PS
なんと電話で予約に限り施術者指名が出来る事が判明。ということは、とても良い施設となります。ただ、今回私を見てくれた方ですが、やはり人気なようで土日の予約は難しいと言われました。
蛇足
湿布はかなり使っている。多分人と症状で効く場合が違うと思うのだが、最近のインドメタシン・フェルビナク・ボルタレンあたりはほぼこの順番で痛みが和らぐ。ボルタレン最強でフェルビナクが次席だ。
だが明らかに個人差を含めて、症状によって全く効きが変わる。骨が問題であった場合は、これらはほとんど効かない。多分ボルタレンが良いだろう。だがそれで治る訳ではない。腱が問題な場合では、腱そのものか骨との絡みかが重要になる。腱と筋肉の場合には割と解りやすくどれでも効く。
ただ自分の腱鞘炎の経験では、実はどれもあまり効かなかった。逆にフェルビナクが効くが故に無理を出来ると言う悪循環に陥った可能性がある。
今回はその経験から可能な限り使い分けている。例えば内股の肉離れはフツーの湿布と上半身の運動の組み合わせで直した。筋肉のみだからそう言った芸当ができる。それでは左膝になると多分イロイロ重なっていると思う。特に今回は悪い条件が重なっているので早期回復はない。だから効かない方がいいというよくわからない答えになっている。
バランス取りが重要なようだ。基本的にプロスタグランジン生成阻害剤がインドメタシン・フェルビナク・ボルタレンなのだが、痛みは取れるが治りが遅いというのがあって、プロスタグランジンに何か治癒のための役割があるのではないのかと、私は少し疑っている。
なので本当に痛くてじっと出来る時にはフェルビナク・ボルタレンあたりが有効で、動かなければ行けないときはインドメタシン・フェルビナクあたりが有効だが、フェルビナクは効きすぎて無理をしてしまうような気がする。今、そこを使い分けしている。
あと市販薬の問題もある。表記がイマイチ解りにくい。100gあたり何mgとか、何%とかとても解りにくい。多ければ良いのかと言うのも少し違う話しだ。フェルビナク・ボルタレンは副作用がある。そこも考えどころだ。
個人差がある話しだが、今の所インドメタシンかフツーの湿布の方が結果がいいと言う話しになっている。しかも低濃度のもので、一日3回張り直すというものだ。こちらが結果がいい。
本当に個人差があるし、症状があるから誰にでも進められる話しではない。あと適度な運動、しかもリラックスした運動をオススメする。もちろん関節に問題がある人は、病院に相談して欲しい。多分関節はこれらの薬で治る事はない。
20代にはもう戻らないのが確定です。あたりまえですが、そこが寂しい。