前に建設業者が足りなくなっていると書いた。内装業者にまでおよんでいる事からかなり深刻なようだ。今日は川崎ナンバーの車で来た業者を見た。そう言えばこういった業者の車で、県外ナンバーがかなり走っているのを見たが、本当に大変な事になっている。
今日はイラン人の職人を見た。盛岡では珍しいので、人手不足がかなりきついのが解る。
逆にこのご時世に、あえて廃業する大工もいる。彼の場合は年なので、今まで建てた建物のメンテに回って、新規は受けないと言うものだ。だが在来工法で、この状態で、良いものは作れないというフシも見られる。後、どうも震災で疲れてしまったようだ。
強烈な人手不足なのだが、それだけではない。資材費の高騰も大きい。完璧な売り手市場になっているようだ。
知り合いが事務所を建てたのだが、震災前に比べて1.4倍の経費がかかったとボヤいていた。エアコン等の施設費も聞いたが、どうもそれも高騰しているようだ。
鉄などの市況は落ち着いているが、需要が上回っている状態だ。内装業者のグチに、資材がないと言うものもある。ちょっと変わったパネルとかになれば、市場にはもう無くなっている。捜してようやく見つかると言うものらしい。こうなると店舗デザイナーも困る。今流行のシンプルなデザインにしても質感が安っぽくなったりする。壁面の一部をタイル張りにした店舗もあった。この場合は逃げたくなかったのだろう。だがもしかすると現在では下手な事をするよりは、まだちょっとでも手隙の業者に頼んだ方が、結果安く済むのかもしれない。
震災直後に、友人に予言していた事があった。それは地価の低下に伴う、銀行の担保資産見積もりの低下だ。これはその通りになった。だが政府が地方銀行に金を出して、貸し剥がしや金利の高騰を抑えた。ダブルローン問題もまだ残っているが、これも一応話しに出なくなった。
だが震災後の土地利用計画の策定の遅れもあったし、造成工事の遅れもある。というか徹底的に遅れているのだが、今沿岸で津波被害に遭わなかった土地の高騰が聞こえて来た。場所によっては2倍になっているようだ。
確かに2万5千円の土地が5万になっただけだが、上屋の価格高騰も相まって、かなり厳しい事になりそうだ。
確かに土地利用計画がキッチリ進行したとしても、土地の5メーターかさ上げとかそんな事が簡単に出来るはずがない。そして震災から2年経った。もう待ちきれない人がいっぱいいると言う事だ。
だがここに微妙な綾もある。震災公営住宅に入った場合の補助金と、新たに建物を建てる補助金とに差が大きい事がある。ある程度の資産を持っている場合は新築補助金が大きいので、新築に向かう。だがその微妙なラインにいる家庭の場合は悩む事になる。
長期的に見れば、地価の高騰は治まり、下落する。土地の開発やかさ上げによる供給が増えるはずだからだ。
だがもう待ちきれない人がいっぱいいる。
この意味で、オリンピック招致は果たして正しかったのかどうか。
沿岸復興は、あと4年間になんとか形にしないとオリンピックに食われてしまうだろう。人も資材も、厳しい事になる。