ウチの大家はいい人だ。
盛岡高等農林学校出身なだけあり、マジメに頭がいい。遊びにくるたびに同じ話題だったりするのだが、自分が何回同じ話しをしたのか、覚えている。その同じ話しを、少し角度を変えて振ってみるともう食いつく。そうして同じ話しから発展させてゆく。下手すりゃ自分で調べて同じ話しを新しい角度でよみがえらせてゆく。
同じ話しだからボケていると言う人もいるが、実はかなり違う。最後にはやっぱり俺はこの話しはコレだ!と言う結論になるのだ。だからこちらが納得出来る材料を揃えられれば、キッチリと自分の意見を直す事が出来る。
もちろん90近いので故障などイロイロある。
最近だと脚立から落ちてねんざした事や、心筋梗塞を起こした事だろうか。
フツーはそれで入院してボケるパターンなのだが、そう言った気配はない。ただ弱ったとは感じる。
その大家が昨年から一階の畳替えをすると言い出している。これは大変ありがたい話しだ。畳表を変えるのか芯まで変えるのかはまだ解っていない。
だが昨年は行き違いもあって、結局畳替えは出来なかった。
そこで今年は、早い段階から話し合った。だがなかなか時間が無く、先々週に話しが大体まとまった。
うちの大家はとてもいい人なのだが、欠点がある。話しがまとまったと思った瞬間に全部固めてしまうのだ。こういった事業に関しては短気だ。
先週の金曜日に話しがまとまったのだが、時間的には曖昧で、9月第一週に畳屋に来てもらって、第2週に畳替えだったのだが、すぐに畳屋に連絡したようだ。
明日くるって?今腰と膝が悪いから、時間がかかりますと言っていたのだが、猶予は一日しか無くなってしまった。
少しは作業を進めて来たのだが、ここで一気に1階の片付けになる。ダンボールで11箱の本、わずかの家電、押し入れの整理、そこで膝と腰が悪化する。
だから言っていたのだが、うちの大家は容赦ない。彼の膝の痛みと私の膝の痛みは、一致しないようだ。87歳から見れば47歳は、痛みは同じはずなのだが、どうも違うもののようだ。
明日だから。寝てても入る。そう言っている。
ということで、がらんどうの6畳一間でパソコンに向かっている。残っているのはゴミ袋と扇風機だけだ。
実は畳替えを嫌がっていた理由がある。もしかすると我が家の根太が少しおかしくなっている可能性があるからだ。畳替えは一発でそれが解る。多分そんなに面倒な工事ではないはずだが、そうなると一月我慢が必要になる。
まあそうならない事を祈るしかない。
うちの大家はいい人だ。
そして今回の写真は、8月28日のものだ。