風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

☆ TPP(環太平洋経済連携協定)への参加をよしとするジャーナリスト⇒(佐藤 優氏と櫻井 よし子氏)

2011年11月02日 | ☆政治・経済・世の中
反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説⇒「天木直人」のブログです

 2011年10月29日の記事、『反TPPの動きは安保闘争の再来となるのか』で最近のTPPを巡る報道の空気が変化してきていることをみごとに捉えています。

 『反TPPの動きは安保闘争の再来となるのか』 
「 どんなに反TPPの声があがろうとも、野田首相に選択の余地はない。
 野田首相が首相にとどまりたいのなら11月にオバマ大統領と二回目の首脳会談を行なう時に、TPP参加表明をするしない。(←するしかない、の意か。)
 「参加の決断はできませんでした」では鳩山首相の二の舞いなってたちどころに政権危機になる。 
 あとはTPP参加表明に向けてのアリバイづくりだけだ。
 これが対米従属から抜け出せないこれまでの日本の政治の常識だった。
 私はその事を何度でも書いてTPPの馬鹿騒ぎを嗤ってきた。

 
 ところがここへきて私の想定を超える反TPPの気運の拡がりが起きつつある。
 野田首相がTPP参加を急ぐのは米国の圧力に屈したからだ、TPPは日本のためにならないばかりか、米国に日本の市場を開放するだけだ、という声が日増しに高まりつつある。私が驚いたのは、テレポリティックスで国民を洗脳するテレビがそれを公然と流すようになったことである。


 NHKやフジテレビが、反TPPの論客である中野剛志の激しい対米従属批判を流し、ついに10月29日の朝のTBS「みのもんたのサタデーずばッと」においては、野田首相は米国の要請でTPP参加を急ぐのだ、ということが与野党の議員から公然と言及されるようになった。
 そこに出演していた政治評論家の岩見隆夫に至っては、安保闘争の再来になるのではないか、と口走る始末である。」
  ~以上、転載です。~


ブログ主の天木直人氏については、著書を読んだわけでもないし、キツイ論調の物言いといい私的には好感度は良くない。
なぜだか、政府や官僚のあげつらいだけに終わっているような気もするからです。でも、世間の空気を読むのは流石ですよね。

TPPが好意的に迎えられている時には、大丈夫かなと不安に思いました。
で、世の中が反TPPに向かうとなると、一歩引いて反対意見を紹介したくなる。
天邪鬼な私です。


だからといって頭からその情報を信奉しているわけではないのです。
両方の考えを読みこんで日本の問題を考えましょう。
11月4日頃がこの問題の大きな山場だそうです。デモも考えられているそうです。
本日も、原発関係のニュースが山盛りという中、あえて参加へGOの論を御紹介

2011年10月7日、佐藤優氏が文化放送「くにまるジャパン」に出演し、TPPについて語った内容の文字起こし。

ブログ:「ざまあみやがれい!」さんの2011年10月17日記事から。

  「佐藤優が分析するTPP。ウォール街デモに見るグローバリゼーションと、中国との間に壁を作って逆行する保護主義 10/7(1)」です。

  「佐藤優が分析するTPP。 自由貿易という名で「閉鎖された場所」をつくる帝国主義 10/7(2)」

  「佐藤優が分析するTPP。TPPは外部の中国から搾取する帝国主義。前原路線も帝国主義路線 10/7(3)」

以上ののリンクから動画の文字起こしを読む事が出来ます。



最近、佐藤 優氏の著作:『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』を読み返して、やはり佐藤氏の分析力、構想力、筆力に圧倒された。

そして、ケインズ型公平配分モデルからハイエク型の新自由主義、つまり傾斜配分モデルへの返還』という時代の変換をつくづく感じとることができました。

10年位経ってみないと社会変換の構図は見えてこないということなのでしょう。ご本人いわく、「何ごとも鵜のみにしないこと。」という説を頭の片隅み残しつつ、佐藤氏に私淑してしまい文庫化されていく著書を読み漁っています。

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
佐藤 優
新潮社


さて、今度は櫻井よしこさんのTPPに対する考え方です。

   『週刊ダイヤモンド』   2011年10月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 908
「 TPP参加で世界に打って出て日本の農業の未来を開け 」
 野田佳彦首相は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加の結論を出す構えだ。民主党内の反TPP議員らは牽制するが、彼らの主張を見事に論破したのが、浅川芳裕氏の『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)である。
 
 氏はこれまでにも日本農業には強い競争力があるとして、刮目すべき発信を重ねてきた。農業は経済活動の一つで日本のGDPの推移と農業生産のそれとはほぼ一致する、農業を他産業と二項対立でとらえるのは間違いだという氏の分析は、緻密で説得力がある。

 『45の理由』で氏はまず、日本農業と放射能汚染の現実を紹介している。東京電力福島第一原発事故による放射性物質の農地への拡散は、農業を論ずるとき避けては通れず、農業再生は実態を把握しない限り、具体策を論ずることも講ずることも出来ないからだ。

 それにしても、氏が詳述する原発事故への菅直人政権の対処とチェルノブイリ事故での旧ソ連政府の対処の比較には愕然とする。日本政府の対応がいかにずさんで、ソ連政府以下だという事実が冷厳な数字で示されている。四国巡礼の旅に出た菅氏は、自分は打つべき手は打った、それは歴史が評価するはずだと語っているが、愚者には自身の行動の適正な評価は無理であろう。一貫して原発事故を担当する細野豪志氏は、この仕事をやり遂げられなければ政治家であり続ける意味がないと語り、意欲を見せてきた。であれば、民主党も氏自身もほとんど責務を果たしえていないという自覚を持つことから始めなければならない。

 浅川氏は、日本農業が放射能被害から立ち直る第一歩は、汚染の実態把握を進め、放射性物質の低減と封じ込め計画を国が策定し、その進捗度を世界に公表することだと強調する。国際社会に風評を広げるのをやめてほしいと要請する前に、まず、政府が農家とともに自ら厳しく律していることを国際社会に知らせなければならない。この点、国の動きは鈍いが、被災農家自らが放射能汚染農地改良試験に乗り出したことを氏は高く評価する。

 農業と非農業は一体の産業と見る氏にとって、TPP参加が農業に成長と可能性をもたらすという結論は自然である。根強い農業保護策への支持や、農業は保護すべきという幻想を、氏はさまざまな事例で打ち砕いている。

 たとえば自給率約5%の大豆である。日本の大豆需要は油原料用が300万トンで、食用が100万トン、うち23万トンが国産である。大豆製品は約2割が国内原料で、油原料用の大豆はほぼすべて輸入物である。

 日本人の年間1人当たりの食用大豆消費量は1960年の5・6トンから、2008年には6・7トンへ、約2割増えた。この間、大豆生産量はほぼ半減した。日本人が大豆づくりを指導したブラジルは約40年前の生産量150万トンが今6,000万トンに増えている。なぜ、日本の生産は減ったのか。

 猫の目のように変わる農業政策で多くの農家が大豆から離れたことが一因だ。同時に、大豆栽培を本職と位置づけている一部の農家を除き、多くの農家にとって大豆栽培は大豆の収穫よりも補助金が目的になってしまったからだと、浅川氏は指摘する。

政府は水田面積の4割を減反とし、大豆栽培を奨励してきた。結果、補助金はいまや商品代金の10倍にも達する。補助金漬けの産業が競争力のある産業に育たないように、これではプロの農家は育たない。浅川氏は農業を弱い産業と位置づけるその考え方自体を変えるべきだといっているのだ。

 日本には野菜、果物、そしてコメでさえも高い技術を誇る農家が多数存在する。TPPで彼らを応援し農業が力強く有望な成長産業であることを認識し、他産業同様、国際社会に打って出ることが農業の未来展望を開くだろう。    ~以上、転載です。~


櫻井さんといえば、1980年~96年までTVのニュースキャスターをされていました。

夜、仕事から戻ってホッとしたときに見かける彼女のニュースを読むトーンの落ち着いた声には本当に癒されていました。

なぜか、彼女の報道姿勢にも信頼感を持ってしまうような丁寧な口調に、女性の進出もこれほど素晴らしい人が出てきたものだなあと感慨深く思ったものです。

しかし、ジャーナリストとしての櫻井 よし子氏は、あまりにも毅然としすぎていて文庫本を読みながらちょっとひいてしまったものです。

佐藤 優氏の、「何ごとも鵜のみにしないように」ではありませんが、警戒警報が頭の上で廻りだすのです。

で、最近しったことですが、佐藤氏の著作:『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』は、


新潮ドキュメント賞および講談社ノンフィクション賞の最終候補作となるも落選した。らしいのですが、

新潮ドキュメント賞落選は、選考委員櫻井よし子さんのつけた前代未聞の0点に因ったものらしいです。

なぜに、これほど手厳しく辛口採点をしたのか、幾つも(おそらく10程も・・・)理由があるのでしょうが、ひとつには佐藤氏のジャーナリストとして成長を恐れる気持ちもあったと思われます。

その対峙する二人は、TPP参加を良しとしている。

ロシア通であるがロシアにおもねりはしない、中国・韓国を要注意とする佐藤氏。アメリカとの良き関係を結ぶ事が、中国に対する脅威を削ぐとの思考の佐藤氏。

で、櫻井 よし子氏は中国脅威論を唱えている・・・。

日本はTPPに参加して、アメリカ側の経済戦略に載っていかねば駄目なのだろうか。

ネットばかりの意見ではなく、また本を読まねばなるまい。

ツイッターで教えて貰った本。
国家の存亡 (PHP新書)
関岡 英之
PHP研究所


これは反TPPからの意見の書です。




 
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