バスケと人生の日々~陽のあたる場所へ

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NBAトレードに思うこと~ビジネス優先

2011年12月14日 | NBAバスケ

              

 

 

 

      NBAの今シーズン、12月25日のクリスマス開幕に向けて、戦力補強のためのトレード話が

     続々と入ってくる。NBAブロガーの方々が実にわかりやすく示してくれているから、私の出る幕

     ではないが、とても気になる2件のトレードに関して思うことを述べる。

 

      1件目は、レイカーズのラマー・オドムについて。

     NBAのトレード話には、水面下で実に巧妙に駆け引きが展開され、1対1の関係とは限らないで

     三角(3チーム間)トレードや直接選手ではなく来年度以降のドラフト指名権、選手の契約条件等が

     絡んで、複雑怪奇な様相を呈することがある

      トレードされる選手の価値が、他の選手との等価交換でなくなってしまうケースが多い。

     今シーズン本気の戦力補強なのか、来シーズン以降の長期的戦略なのか、

     わかりづらいケースがある。

 

      連覇を狙うダラス・マーベリクスが、急転直下でレイカーズのオドムを獲得した。

     オドムは先週発覚した「レイカーズ・ホーネッツ・ロケッツ」の3チーム間トレードで交換トレード要因

     として挙げられた。クリス・ポールという大物選手を狙ったレイカーズは、コミッショナーのスターン氏に

     「戦力が集中する」として、同トレードを却下されたらしい。コミッショナー権限の裁定で成立しないことが

     あるんだ。それを知るや否や、オドムはレイカーズGMにトレードを直訴(要求)し、

     マブスを移籍第一希望としてあっという間のトレード成立だったみたいだ。

 

      コービーがウェスタンカンファレンスのライバルチームにレイカーズの貴重なシックスマンをあっさりと

     放出したことについて、公の場で球団批判したみたいで、レイカーズは今のところ、補強どころか

     マイナス要因ばかりではないか?

       それに引き換え、マブスはオドムに続き、ベテランのカーター(サンズ)も獲得し、

     ウェストやフェルナンデスの獲得にも成功したらしい。

     カーターはどんな役割でも引き受けると語っている。

      「俺の目標は、昨シーズン中に完成したチームに順応すること。自分のエゴは捨てて、

       得点にもこだわらない。チームにとって、どれだけ生産的な存在になれるかが重要。

       (チームに)これだけの力があれば、今シーズンは問題ないと思うね。」

      ちょっとこわい発言だ。そんな気がしてくる・・・マブス恐るべし。

 

 

      2件目は、ピストンズのリチャード・ハミルトンについて。

     現地時間12日に残り2年のチーム契約をバイアウトさせたらしい。つまり、あと2年の契約条件を

     3億円ちょっと引き下げて、契約を終了させる、買い取りなおして売りに出すみたいな契約をした。

     本人もチームも望んだ放出ということだろうか。

 

      ハミルトンは素晴らしい実績をピストンズで達成している。キャリア平均17.7得点。2004年の優勝に

     大貢献し、6シーズン連続でイースタンカンファレンス進出の原動力となった。ポストシーズンでは、

     平均20得点以上たたき出してるらしい。

      すでにシカゴ・ブルズが獲得に動き出し、正式に発表される見通しであるという。

     同じセントラルディビジョンで直接のライバルチームなのに・・・

     ブルズは面白くなってきた。1つのピースが足りない何かをつかむことになるのか。

     シューティングガードかスモールフォワードとして、外角の貴重な戦力になるだろう。

     なおかつ、デリック・ローズのぺネトレイトや爆発的ドライブ力をチームとして生かせる選手だろう。

 

 

      NBAに限らず、アメリカ社会のビジネスにおけるクールさというか、割り切り方には

     日本では考えにくい一面がある。個人の意思を尊重するのであるが、それを逆手にとっての

     ビジネス魂は、何より優先順位が高い価値観かもしれない。選手の自己主張も凄いのだけれど、

     それが通らなかったときの方向転換や割り切り方が半端ないと思う。

 

      己の過去に未練など全く感じさせない選手の言動に、爽快感すら覚える

     ファンに対するリップサービスもうまいしね。きっとファンも受け入れ方が早いのだろう。

     日本のどこかのサポーターみたく、球団や選手に泥試合をふっかけるような態度は見せないんだろう。

     

      まだまだ、大物トレードが突然出現するかもしれない。駆け引き、取り引きの綱引きが続く。