数学のヒント

初等数学の復習と脳の活性化

ルーローの三角形は美しいか

2016-03-30 20:34:34 | 日記

 高校数学の美しい物語という本を借りた。マスオ著、著者の経歴は東京大学工学部卒の20代男性とある。
 60の美しい物語があり、第44話でルーローの三角形と定幅図形というお話を展開してくれる。工学的に役に立つ三角形でお掃除ロボットや正方形に近い穴をあけるためのドリルの形状として用いられ、かつてのマツダのロータリーエンジンにも使われているとのこと。
 東京理科大学(神楽坂)数学体験館に行くといろいろな形状のマンホールのふたがあって、どのマンホールのふたなら落下しないか、という設問があってルーローの三角形ふたが置いてあったりする。作図も簡単でシンプルな三角形といえる。こういうのが美しい数学といわれるゆえんなのだと納得した。


高浜原発4号機の原子炉緊急停止がもたらしたもの

2016-03-10 10:36:40 | 脱原発

 いまや高浜原発は世界が注視する原発になった。
 きょうは昨日の大津地裁判決について述べるべきなのだが、まず2月29日の高浜発電所4号機原子炉緊急停止事件について述べなければならない。

 事件は報道カメラが4号機運転制御室に入り、関電の運転員が送電開始スイッチをONにする場面が全国に向けて中継された1秒後に起きた。なんと本来万が一にもあってはならない原子炉緊急停止事象が報道関係者だけでなく全国民がリアルタイムで知るところとなったのである。

 かつて研究用原子炉の設計、建設工事、そして運転にまで関係した私もこの原子炉緊急停止場面をテレビで知った。
 なぜ緊急停止のリスクがあるのに報道関係者を、しかも映像機器も入れたのだろう。自分たちは絶対に国民の前で緊急停止させることはないという自信があったのだろうか。緊急停止にいたる警報が制御室内にとどろきわたり、運転員が無表情でオロオロする場面は「君たち自信をもって運転しているの??」と問いかけたくなるほどに気になった。
 原因は究明中とあるが何千何万とある安全点検項目の中で、たった一つの項目でも運転員が点検を怠ったことが理由であることは間違いない。
 原子力設備の難しいところは、プリウスやオデッセイと同等に安全性や信頼性が要求されるにもかかわらず、実態は再現性に乏しい設備が多いということだ。だから多数の点検項目を設けている。発電所職員の力量次第で安全にもなり危険にもさらされることになる設備なのだ。
 それでも世の発電事業者は「安全です、信頼性があります」といって利益を追求するために運転にこだわるのである。

 今回の原子炉緊急停止は事件である。運転員の力量が完璧でなければ原子炉は運転してはならないこと、すなわち原発は存在してはいけないことを世に知らしめた。
 その意味でこう言おう、「よくやった、関電!!、廃炉に向けて事実で協力してくれた関電に感謝!!」