数学のヒント

初等数学の復習と脳の活性化

NHK総合「頭がしびれるテレビスペシャル」を見た

2013-02-17 00:01:39 | 日記
2012年4月5月に放送された番組「頭がしびれるテレビ」のスペシャル版を見た。
当時はじゃんけん必勝、GPS、Π、暗号、理想の出会いの確率、行列、黄金比、といった世の中の興味深い不思議を数学的に
説明していた。
この日は数学は万能で音楽すら支配している、という内容だった。
この番組のキャッチフレーズは「数学の不思議さ、美しさを知らずに人生を過ごすなんてもったいない! 頭がしびれるような知的刺激をお届けします!」らしい。
番組制作者の意気込みや気持ちはよくわかる。
しかし今回のテーマ「名曲は数学で出来ている!?」では数学があって音楽が生まれた、という強引さが鼻持ちならない。
音楽がまずありきで人々は数学的に音を解析して音楽を解明した、というのが本当であろう。
シンセサイザーを始めとして電子機械が登場して数学の力を借りて音楽の幅は著しく広がった。
けれども決して数学的手法でひとを感動させることはできない。
番組で披露されたパソコンを使った旋律など恐ろしく人間味に欠け、プアで戦慄を覚えるものだった。
その決定的事実を認めたうえで、音楽とは数学的に説明するのが可能なんだな、というふうに納得させてほしかった。
音楽家さだまさし氏がいみじくも言った。対極にあるはずの数学と音楽家はもっと向き合って仲良くしたいと。
そんなわけでタイトルは「名曲は数学で出来ている!?」ではなく「名曲も数学で説明できる」として、名曲に敬意を表するものであればよかった。

千葉県公立高校入試(前期)の数学

2013-02-16 23:34:55 | 日記
試験日の2月12日は、風も雨もなく比較的穏やかな日よりであった。
地域の中学生の数学学習に絡んでいるのでどんな問題だったか気になっていた。
翌日の新聞に問題が掲載されたので、よわい61の頭に鞭打って解答を作成した。
老人には60分という制限時間は短く厳しかったが。
しかし中学生と一緒に日ごろ悩んでいるせいか結果は満点であった。
さて解いてみて感じたことは、問題を読むところまでは誰しも同じとして、
そこからは頭だけで考えては駄目で、図に関わる問題は図形や関連数値を必ず書いてみることが大切だなと、あらためて感じた。
書いてみることでヒントが浮かび、検算でも役に立つ。
そこのところがうまくいかない中学生が本当に多い。
しかし中下位の生徒さんでも十分高得点が狙える問題であった。
高額月謝の進学塾にわざわざ行かなくても教科書さえマスターしていれば十分に高得点が期待できるはずである。

語りかける中学数学(増補改訂版)、という本

2013-02-10 23:51:34 | 日記
この著作はどんな読者層を対象としているのか不明。
831ページ、税込み3,045円也。
中学生の数学教科書1年から3年までをやや斜めから解説している。
口語で語りかけるように書いて一見分りやすそうにするのが著者の狙い。
進学塾や予備校の講師をしていれば、授業を録音して文章に置き換えるだけのことなので、なんの面白みも無い。
どう考えても中学生を対象にしたものではない。
小学生向けの好著。
中学校を卒業した人たちが読んでみてなるほど、と頷き、ウチの子どもに買ってあげよう、と思わせる文体である。
まあ831ページを読破するのはたやすい事ではない。
でも著者の高橋一雄さん(1961-)は叫ぶ。
「読めばわかる!」と。
残念なことは、粗雑な構成であること、索引が貧弱であること。
さらに意味不明の2色刷りでかえって分りにくくなってしまったこと。
そしてふと思う、読者層を小学3年生と想定しているなら納得、と。