数学のヒント

初等数学の復習と脳の活性化

“見かけ”の日本経済で国民を騙せるか

2013-12-23 16:01:23 | 日記

物理現象でよく「見かけの」という言葉を使う。できるだけ平易に自然現象を伝えようとする自然科学者の知恵の産物だ。
凡人にはわかりやすい。納得できたような気分になる。
例えば火星の逆行運動(見出しのアニメbyWikipedia)は、地球から見た相対的な火星の動きが怪しく移動することを見かけの火星の動きと言う。しかし絶対座標を用意して客観的に見ればそのようなことはない。
火星は怪しく動くことなく淡々と太陽の周りを等速で回っているのである。

さて最近の日本経済を見てみよう。
安倍政権が日本円をずぶずぶ投入した結果、円安が進んだおかげで輸出企業は軒並み業績向上となり、政府は強い日本経済が戻ってきたと小躍りしている。
まさに見かけの経済である。恩恵を受けるのは一部の投資家や投資をあおる信託や証券会社、大手の輸出企業。
しかし中学生でも「強い日本経済ってウソでしょ」と言う。
全体的に活況に見える。大金をずぶずぶ無定見に投入したのだから。しかし利益は一部の人にしか回らない。平均的には投入した大金の分だけプラスに転じたように見えるが、膨大な借金は果てしなく増えこそすれ減ることがない。
安倍政権は「今さえ良ければよいのだ。後世のことなど糞食らえ、俺の知ったことではないのだ。」と言っているようだ。全世界が日本のフクシマを心配しているのにまさかの厚顔無恥な原発輸出。国民はそのトリックに早く気づかなければならない。


素晴らしい数学体験館

2013-12-22 23:35:11 | 日記

神楽坂にある東京理科大学の数学体験館を訪問した。
10月に秋山仁教授(1946-)の主導で開館したそうで数学に興味をもてるようになる遊具が満載の展示室になっている。
すべての遊具について、お願いすれば担当スタッフがわかりやすく解説してくださる。
できたばかりで全国的に浸透していない施設だけれど、ぜひ全国の小中学生、高校生、大学生、そして社会人も一見してほしいものだ。
これを見た人々が頭の中にその残像を刻み込んで、何かの機会に思い出して日本の技術力向上に貢献するきっかけになることを願わずにはいられない。
さらにここには遊具を製作する工房が隣接している。実に精巧に作られた遊具で満ちている。
入館時間が遅くなってしまったためすべてを見てまわることができず、その素晴らしさを堪能することができなかった。
今まで東京理科大学とは縁もゆかりもなかったが、本当に素晴らしい企画であり日本の数理に関する底辺教育にも相当なインパクトがあると感じた。
さらなる発展を期待したい。

 


数学愛好家必見の映画

2013-12-20 14:56:15 | 日記

天地明察のDVDを鑑賞した。コメントはともかく数学愛好家は必見、と書いておこう。
いろいろな意見があると思う。
来年の大河ドラマの主役を取り込んだ、また大賞を受賞した小説の映画化という話題性のあるもの。
しかし小説に便乗した映画業界の悪乗り、駄作、といえなくもない。
脚本がいまいちだったか。小説に忠実かというとそうでもないし、史実に忠実かというとこれも唸るところ。
江戸時代初期にも世界に誇れる数学者、天文学者がいたという史実をわかりやすく2時間にまとめた娯楽大作といえようか。
この時代にも世の中を動かした会津の人たちがいたということは驚きだった。会津が好きになりそう。
できれば女房えんを八重の桜でキリリとした演技を見せた三根梓に演じさせたかった。


天地明察の数学問題

2013-12-14 23:17:32 | 日記

なかなか理数系の小説にお目にかかれない。しかし兄から紹介してもらった冲方丁さん(1977-)の天地明察に関孝和の名前を見つけ、久しぶりに理数系にかかわりのある小説に浸った。
図形の問題で円の直径を求めよという、当時の算額奉納の問題が出てくる。文庫本なのにわざわざ図示してくれている。直角三角形と二円が上図のように配置されている。
江戸時代初期の将軍の弟やら大老やらと渋川春海との交流をさまざまな資料を基に書き上げている。後半はもっと丁寧に書いてほしかったが。
ともあれ問題を解く楽しみも加わった贅沢な小説だった。


受験数学エキスパートも教科書を推奨

2013-12-08 14:45:16 | 日記

これは塾経営者を卑下しているのではない。どんな名伯楽でも教科書にはかなわないということだ。
それでも世の中は参考書と問題集が山とあって中学生や高校生を惑わせる。
NHKのEテレで数学を面白くする番組(テストの花道)を企画していたが、わからない問題があったら教科書を3年生から2年生、2年生から1年生の教科書にさかのぼるのがよいとアドバイスした塾長さん(永野裕之氏(1974-))がいた。
数学を体系化したもので身近にあって手に入りやすいのが教科書だからである。参考書だって体系化されたものはいくつもある。しかし信頼があり、生徒に馴染みのある図書といえば教科書の右に出るものはない。
参考書に手を出すのをぐっとこらえて教科書をパーフェクトに使いこなせるようになるのが「できる数学」の近道なのである。


桜井進氏の限界を見た

2013-12-04 14:40:53 | 日記

NHKがEテレで数学を面白くする番組を企画し、サイエンスナビゲーターを自称する桜井進氏(1968-)がとんでもない問題を提示した。
曰く、「A4の紙1枚を1回、2回、と折り曲げて42回折り曲げられるとしたら高さはいかほどか」と。
所ジョージ氏(1955-)がしたり顔で「地球から月までの30万キロメートルになる」と驚き?の解答をした。
所氏も同罪である。だいたい42回も折れるわけがない。10回でも折り曲げられたら奇跡だ。
こういう非現実的な仮定の話をして数学は面白いと言わせるとは片腹痛い。数学を愚弄しているし、世の数学嫌いの諸氏からは今頃嘲笑されているに違いない。
こんなときマス北野ならなんと答えるだろうか。「10回だって折れるわけがない、この野郎」といって回答拒否であろう。2のn乗は倍倍で増える例示にしては稚拙すぎる。
こんな事例で数学が好きになると考えるなら桜井氏は数学の本質を理解していない、所詮人気取りであることがよくわかった。
30万キロメートルの高さになる紙の柱の断面積も同時に披露してほしかった。いかに荒唐無稽な問題かがよくわかったはずだ。