数学のヒント

初等数学の復習と脳の活性化

角度がもたらす美しさ

2013-05-30 11:37:47 | 日記

(五箇山 合掌造り)

(遠野 曲がりや)

世の中の建築物は必ず角度があり、建築家はそこに美を求める。
しかし美を求めようとしたのではなく生活に根ざして作られた建築物は、その暮らしを思うとその角度に実に愛着が湧いてくる。
昨年五箇山と白川郷の合掌造り、今年は遠野の南部曲がりやを見た。
屋根裏を利用した養蚕業、土間を隔てた厩、囲炉裏のすすで黒光りした床壁や柱や梁。
閉ざされた空間、そして暗がりの空間を思うとき、日本の家屋の誰にも邪魔されぬ暖かい雰囲気が見えてくる。
そしてなんといっても屋根が作り出す角度にはほれぼれした。
60度ではない微妙なゆるさをもった茅葺き屋根、一方曲がりやではエル字型家屋と屋根の傾斜が織り成す屋根の美しさ。

このあいだの黄金比ではないが美しさは数学では説明できない。
でも建築家はそうと知りつつ数学を駆使した建築設計で私たちを楽しませてくれるのだろう。
なぜこの角度になったのかをテーマにして建築物を見て回るのも楽しいことに気がついた。