花狂~偉大なる先人達の孫~

戦後食糧難の時代、魚沼に花を根付かせた先人達。60年もの時が流れ私達がその孫世代。今日も日々花を育てています。

仙台生花訪問

2011-04-30 12:06:07 | 伝える
3月11日に発生した東日本大震災を受け、花き組合では、組合員から義援金を募り被災した北関東および東北地方の取引市場を中心に義援金を贈ることとなりました。

思い起こせば、6年前の中越大震災の時には取引先の花市場や仲卸さんから多くの励ましの義援金をいただきました。
今度は私たちが支援する時という事で、募金時にも「中越地震の時は世話になったからね」と組合員の皆さんも快く募金をしていただきました。

今回は被災された取引先の方々の中で、最もお世話になっている仙台生花さんに、直接出向いて義援金をお渡しするとともに今の状況などお話を伺って来ることとなりました。

 4月25日に組合役員とちょうど視察を計画していたポット部会の方々そしてJA担当者で、朝6時に出発し関越道、磐越道、東北道を経由し仙台生花さんには午前10時半頃に到着しました。

途中の高速道路は問題もなくスムーズに向かう事が出来ましたが、災害支援の車両が多いことと、給油で立ち寄った磐梯山のふもとのパーキングエリアが妙に静かだった事が、今回の震災の根深い問題を映しているようでした。

 震災の被害状況は仙台市に入るまではたまに瓦が傷んでいる家が見えた程度で大きな被害を受けているようには感じられませんでしたが、海辺に近い市場に近づくと道に修復された陥没箇所があったり、古い建造物が壊れたりしていました。

 市場に到着後は社長の橋本芳弘様、専務の橋本芳昭様、常務の遠藤勇二様、金子次長様、切花販売担当の佐藤課長様から対応いただき、震災から今までの経緯、現在の状況、そして今後の展望などについてお話をしていただきました。
市場はほとんど被害は無いが、取引先の花屋さんが数軒津波で流されたとの事でした。

そして専務さんから「3月11日以降、停電が続く状況の中で、『とにかく動こう!』という事で3月23日からセリを始めました。
その時にはいつもと変わらないほどの買参人に集まっていただき、涙が出るほど嬉しかった。」とおっしゃっていました。今後の見通しとしては不透明な部分があまりにも大きいけれども、「6月くらいからは徐々に良くなって行けば良いが」との事でした。

こちらからはJA販売担当の佐藤さんから「このような状況で多くの事を望むことは難しいとは思いますが、仙台生花は東北の花流通の拠点市場であるので、なんとか頑張って欲しい」とお伝えしました。
そして組合からの市場と買参人組合への義援金とJAからの義援金そして義援米を贈らせていただきました。
市場の皆様との懇談の後には、場内仲卸も回らせて頂き、現在の状況や今後の展望、そして魚沼の花への要望をお聞きしました。
どの仲卸さんも前向きに取り組んで行くという意気を感じました。





市場訪問からの帰り道、何とか津波の被害現場を見てみたいという事で名取市の海岸から約2キロくらいの地点に向かいました。
3月11日のテレビの津波映像では凄すぎて現実感が持てないほどでしたが、本当に現場の田んぼには船が横たわり、車が転がっていました。
その状況は「やはり現実だった!」と思わざるを得ないものでした。またその場所では農業用のハウスも甚大な被害を受けており心が痛みました。
市場の方々のお話でも、今回の大震災では津波の被害を受けたか受けないかで被災の程度が「雲泥の差」であり、被害の差が大きすぎるとおっしゃっていました。

今回の市場訪問で、私たちの出来ることは変に自粛しないこと、そしてやはり良い花を作ってお届けする事が大切だと強く感じました。

魚沼花き園芸組合