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羽生結弦「引退」でなく「プロアスリート宣言」
期待感が止まらない、フィギュア界の既成概念を打ち崩す羽生の「プロ転向」
レジェンドが「次のステージ」に向かう。
フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇を達成し、国民栄誉賞も受賞した羽生結弦が19日の記者会見でプロ転向を表明。今後は競技会に出場しない考えを示したが、その一方で「引退という言葉は好きじゃないので使いたくない」とも口にした。
フィギュアではなぜか強い「プロ転向=リタイア」のイメージ
「やっぱり新たなスタートとして次のステージに向かいたいっていう……。ネガティブに引退とか。不思議ですよね、フィギュアスケートって」
会見の中ではこう疑問を投げかけ、その後も、
「現役がアマチュアしかないっていう感じで不思議ですけど。甲子園の選手が野球を頑張っていて、甲子園優勝しました、プロになりましたって、それって引退じゃないじゃないですか。それと同じだと思っていて。むしろそこからがスタート。そこからどうやって自分を見せていくのかとか、どれだけ頑張っていけるかが大事だと思っているので、そういう意味では新たなスタートを切ったなと今、思っています」
と清々しい表情で前向きに話した。
ここまで競技人生最大の目標として挑戦し続けてきた前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)については「皆さんの前で成功させられることを強く考えながら、これからも頑張っていく。より一層取り組んでいく」と述べ、今後も諦めることなく成功へ向けての強い意志を示した。
そして「理想のフィギュアスケートを追い求めるのは競技会じゃなくてもできる。むしろ、競技会じゃない方が皆さんに見ていただけるんじゃないか」ともコメントするなど、プロ転向をポジティブにとらえ、どちらかというとアマチュアの立ち位置よりも幅が広がることを心から楽しみにしている様子だった。
おそらく世の多くの人たちも、ずっと「?」を抱いていたであろう“案件”に関し、羽生は「ネガティブに引退とか。不思議ですよね、フィギュアスケートって」というストレートな言葉で胸の内を明かした。確かにフィギュアスケートの世界ではプロに転向しても、他のスポーツと違って「リタイア」のムードが強調されがちだ。
実際、アマチュアの選手登録から外れる場合には日本スケート連盟(JSF)に「引退届」を提出するのが慣例とされている。それによってJSFが加盟する国際スケート連盟(ISU)のレギュレーションに則り、五輪や世界選手権などといった大半の競技会への出場資格を消失することになる。
プロ転向の場合にはプロアマ混成の国際大会「フィギュアスケート・ジャパン・オープン」など一部競技会への参加が認められるとはいえ極めて限定的だ。そういう背景にこじつけて多くの報道でも「引退」や「第一線から退く」という、やや哀愁ムードの漂う表現が好んで用いられるのだろう。だが、それは筆者も含めて報じる側の身勝手な「エゴ」と言えるのかもしれない。
(2022.7.21 臼北 信行)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71065
羽生結弦「引退」でなく「プロアスリート宣言」
期待感が止まらない、フィギュア界の既成概念を打ち崩す羽生の「プロ転向」
レジェンドが「次のステージ」に向かう。
フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇を達成し、国民栄誉賞も受賞した羽生結弦が19日の記者会見でプロ転向を表明。今後は競技会に出場しない考えを示したが、その一方で「引退という言葉は好きじゃないので使いたくない」とも口にした。
フィギュアではなぜか強い「プロ転向=リタイア」のイメージ
「やっぱり新たなスタートとして次のステージに向かいたいっていう……。ネガティブに引退とか。不思議ですよね、フィギュアスケートって」
会見の中ではこう疑問を投げかけ、その後も、
「現役がアマチュアしかないっていう感じで不思議ですけど。甲子園の選手が野球を頑張っていて、甲子園優勝しました、プロになりましたって、それって引退じゃないじゃないですか。それと同じだと思っていて。むしろそこからがスタート。そこからどうやって自分を見せていくのかとか、どれだけ頑張っていけるかが大事だと思っているので、そういう意味では新たなスタートを切ったなと今、思っています」
と清々しい表情で前向きに話した。
ここまで競技人生最大の目標として挑戦し続けてきた前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)については「皆さんの前で成功させられることを強く考えながら、これからも頑張っていく。より一層取り組んでいく」と述べ、今後も諦めることなく成功へ向けての強い意志を示した。
そして「理想のフィギュアスケートを追い求めるのは競技会じゃなくてもできる。むしろ、競技会じゃない方が皆さんに見ていただけるんじゃないか」ともコメントするなど、プロ転向をポジティブにとらえ、どちらかというとアマチュアの立ち位置よりも幅が広がることを心から楽しみにしている様子だった。
おそらく世の多くの人たちも、ずっと「?」を抱いていたであろう“案件”に関し、羽生は「ネガティブに引退とか。不思議ですよね、フィギュアスケートって」というストレートな言葉で胸の内を明かした。確かにフィギュアスケートの世界ではプロに転向しても、他のスポーツと違って「リタイア」のムードが強調されがちだ。
実際、アマチュアの選手登録から外れる場合には日本スケート連盟(JSF)に「引退届」を提出するのが慣例とされている。それによってJSFが加盟する国際スケート連盟(ISU)のレギュレーションに則り、五輪や世界選手権などといった大半の競技会への出場資格を消失することになる。
プロ転向の場合にはプロアマ混成の国際大会「フィギュアスケート・ジャパン・オープン」など一部競技会への参加が認められるとはいえ極めて限定的だ。そういう背景にこじつけて多くの報道でも「引退」や「第一線から退く」という、やや哀愁ムードの漂う表現が好んで用いられるのだろう。だが、それは筆者も含めて報じる側の身勝手な「エゴ」と言えるのかもしれない。
(2022.7.21 臼北 信行)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71065