北羽歴史研究会

出羽国北端より奥羽地方と北の歴史を展望し
北羽地方の風土文化作りに寄与する。

ドイツに日本の領地を売ろうとした会津・庄内藩

2011-02-09 20:58:09 | 雑録

欧米の植民地にされる危機がせまっていたことの驚き。


2月7日づけ朝日新聞の文化欄。「維新期の会津・庄内藩、外交に活路」「敗者の歴史に新視点」とのタイトルがあった。これは、新政府に対する反乱戦争において、あたかも会津藩庄内藩が敵対する正論を得ているかの如くの、ニュアンスであり、承知できない記述と言われなければならない。  「会津、庄内両藩から北海道などの領地売却の打診があった」とする。日本が植民地とされるであろう、その危機が、現実のものになろうとしていたのだ。 それがドイツの文書館から見つかったのである。それは会津庄内藩の新政府への反抗の罪にさらに上乗りの罪を重ねるものと言えるであろう。また、 どうみても奥羽越列藩同盟の無益の反乱は糾弾されるべきと言える。


安藤昌益の全思想環系  東條榮喜

2011-02-09 19:17:35 | 出版物

「互性循環世界像の成立  安藤昌益の全思想環系」  東條榮喜 著


本書は昌益の思想方面を集中的に、しかもその全分野を対象にして、その特徴と内在論理性を明らかにするべく、しかも整理された認識として締めすことを目標として纏められた。   これまでの昌益思想研究では、一部に昌益の原意からはなれて、著者の恣意的な解釈で昌益がまるで正反対の思想家であるかのように記述される、といった事態も起っている。


例えば一方に昌益を世界に先駆的な平等思想家として高く評価する研究者がいれば、それと正反対に昌益を差別思想家だと論断する研究者が現れたり、 昌益の社会思想に「自然世」への過度社会構想を認める狩野亨吉氏以来の見解を否定して、 昌益をユートピア思想家だと、論ずるなどの動向があった。


こうした極端な食い違いを正すには、何よりも原典を克明に読み、しかも著作全体を通じてその内在論理性をあきらかにすることが、 不可欠であり、そううすることによって、 多くの誤解や恣意的解釈を一つ一つなくして行くことが望ましい。 (「まえがき」)


発行所 東京都文京区本郷5-30-20 御茶の水書房  定価8500円+税