北羽歴史研究会

出羽国北端より奥羽地方と北の歴史を展望し
北羽地方の風土文化作りに寄与する。

安藤昌益のことば

2007-10-20 16:43:56 | 雑録

さる10月14日、安藤昌益全国フエステイバルIN千住の第3分科会で、資料配布とした「安藤昌益のことば」

1、「四民を立つるの失り(アヤマリ) 

 四民は士農工商なり、是れ聖人の大罪大失なり。君の下に武士を立てて衆人直耕の穀産を貪り、若し強気にして異輩に及ぶ者あるときは、此の武士を以て捕り拉ん為に是を制す。亦聖人の令命に背き党を為し、敵と為る者には、此の武士を以て責め伐たんが為に兼ね用うるなり。

是自然の転下を盗む故、他の責め有る事を恐れるなり。……君の下の士、多人耕さず食い、耕者不足する乱世を招く。聖作(聖人私作)は,患(ウタデ)きかな。

農は直耕、直織、安食、安衣、無欲、無乱 にして自然の転子(天子)なり。故に貴ならず賤ならず、上ならず下ならず、賢ならず愚ならず、転定に応じて私無き者なり。之を以て士の下に布き、己が養父を以て蹈下と為すは、聖人の罪の恐れなり。……転定と与に行わるる人倫に何の四民有らんや、聖人私作して患きなり。」

 

2 「転下は転下の転下にして、自然の転下なり」

3 「争う者は必ず倒れる。故に我が道には争いなし。我は兵を語らず、われ戦わず」

4 「大公望六韜の巻、是大失の始りなり。

  自然の直耕、安食衣して転定と与(トモ)に同行の世に治乱無き則は、軍学の名なきなり。しかるに聖人出でて王となり上に立ち不耕にし貪食し栄華を極め衆人に視す。…  …軍学は戦いに勝ち王と成らんが為、天下国家を奪わん為なり。」

5 兵は凶器なり

「兵の道は一なりと云えり、一たび往き一たび来り、父潔く打死則(スレ)ば、其子活発すと云う。是兵乱なり、道に非ず。然るに兵の道の本体を知らざるは失(アヤマ)りなり。且つ潔き死を以て道と為す、又失なり。

兵は凶器なり、止むことを得ずして之を用うと云えること、是れ全く盗業止むべからざる言なり。

直耕すれば兵乱すなわち止む。何で之を為さざるや、耕さずして此の言を為す故に、乱世を好む言なり」

6 兵は国の乱具なり

「孫子曰く兵は国の大事・生死の地・存亡の地・と云うは、甚だ愚失なり。兵は国の乱具なり。国の大事は直耕の天道なり。此れをしらず。

生存存亡の主は直耕なり。之を失わざる則(トキ)は、天下太平なり。之を知らざる故、孫子大公が書を学び、己が釈と為す故、大乱悪世の根次と為る。以つての外の小児なり」

7 平等思想

 「人は万万人なれど一人なり。一人なれども万万人なり」

8 「自然活真の世」

 「吾れ転(天)に帰し、穀に休し、人に来る。幾幾として経歳すといえども誓って、自然活真の世となさん」

以上 

(鷲谷)