北羽歴史研究会

出羽国北端より奥羽地方と北の歴史を展望し
北羽地方の風土文化作りに寄与する。

最新 安藤昌益を知る本 吉田徳寿著

2010-08-08 21:28:12 | 出版物

医師であり思想家であり、農民の心であった安藤昌益を知るための本。


『安藤昌益』直耕思想いま再び。吉田徳寿著 編集発行・東奧日報社 A5版229頁、定価2,100円。


これは解りやすい、読みやすく面白い。最新の発見の事も記述されて、昌益のその後の解明も幅広くなった事を知る。 写真もたくさん、楽しく観れる.4頁毎に「この一冊」として従来からの安藤昌益についての既刊本、50冊のの紹介があり、さらに深い昌益研究の手懸りを知ることができる。 ぜひ皆さんにお薦め。


030-0180、青森市第二問屋町3-1-89 東奥日報社 tel-o17-739-1111代 


NTT秋田支店のホームページのうそ 戊辰戦争

2010-08-06 11:35:31 | 雑録

NTT秋田支店のホームページ


「いいまち秋田」という秋田県のあれこれを一般に紹介しているホームページではあるが、その項目のひとつに「幕末維新」というコーナーがある。そのタイトルが「秋田藩が官軍に寝返ったのはなぜ?」となっており、これはきわめて問題である。国語の使い方間違っていませんか。


また冒頭には「秋田藩は東北諸藩と白石会議で盟約を結んだが、脱退して官軍方についたため、隣接する他藩の怒りを買い、県内各地で激しい戦いがあった」とある。また「東北諸藩の中で、なぜ秋田藩だけが官軍に?」という見出しのほか、「奥羽各藩すべてを敵にまわすことになった」ともある。しかしこれは明らかに誤った認識であり、デタラメである。


新政府軍に同調したのは、秋田藩のほか新庄、本荘、矢島、仁賀保、津軽、黒石の各藩。さらに三春、守山藩は仙台藩に従う擬似態度で難を避け、政府軍の領内入りと同時に政府軍に従軍している。秋田一藩が孤立ということにはなっていない。


「秋田藩が寝返った」これは仙台藩の言い草である。秋田側から言わせれば、仙台藩は戦禍をさけるためと称しての嘆願同盟をつくり、それを反政府、会津藩援護の戦争同盟に転化させた。これは戦争回避のため集まった中小諸藩への仙台藩のウラギリにほかならない。裏切り、寝返りの本拠は仙台藩なのである。


秋田藩主が仙台藩主へ勤皇に立ち返るべきとの書を発し使者をおくっている。それを紹介しておく。 「先達て白石に於 御陣所家来とも相談致し候の一儀、甚だ心得難く仕り末柄の事故此方承服仕らず候、家中共へも申含置候間、貴様如何に御座候哉、朝廷に御味方仕らず候へば、御同然武家の本望を失い、且は国家の一大事、貴様会津へ御味方の儀、御延引然るべき候、御所存次第及ばす乍 九条殿へ執成仕る可候、依って傳う也 差遣す口上にて具さに申上べく候 以上。  辰五月廿九日 秋田中将 /  仙台中将殿 」  仙台藩はこれを無視、越後まで戦禍を拡げたのである。


「秋田藩が寝返った」などと言うのは、仙台藩ほか反政府反乱戦争側の逆恨みの言い分なのである。 NTT秋田のホームページは、この反乱側に係累のある同調者によって作成されたものであろう。このページができてから、いつ秋田らしく修正されるか待ってきたが相当年数となった。平成20年明治維新140年の意義からみて、この悪意のページは許されるべきものではない。即刻修正されるか廃頁にすべきである。wa


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追記


以上の記述は2008年11月のプログでしたが、2010年8月の現在 、NTT秋田のHP・「いいまち秋田」は、廃止かと相見え、接続とは成りません。明治維新・戊辰戦の勤皇秋田藩をけなす著述それ以外は、まことに良いホームページでありましたから、「いいまち秋田」が、全ストップしたことはまことに残念であります。 ただ観光案内などについては、新しく変わったものもあるかもしれませんので、ページ内容を新整理することも必要なのかもしれませんが、企業としての地域支援ということでは、問題点をのぞいては、ぜひ「いいまち秋田」を、再開サービスされることを望みます。   北歴w


安藤昌益思想論の新展開  東条栄喜氏

2010-08-01 11:17:30 | 雑録

東条栄喜氏の最近における、冊子「互生共環」で新展開の、安藤昌益思想論記述の目次項目などを紹介する。


「互生共環No.32」 1、 「天体ー地球ー大地」の連結思想を展開する。-現代自然真営堂の展開(1)ー  1)自然運気論の「転ー定ー央土」三連思考 2)自然生態環境の多層性と複雑系認識 3)太陽系意識から銀河系意識へ~宮沢賢治の先駆性~ 4)宇宙紀行学の始まりとCO2温暖化論 5)新地動説と新天道説の共進化が必要。 / /   2、 安藤昌益の直耕史観と正世論 ー社会思想の段階的進化を辿るー  1)仁政思想下での民真観の胚胎(早期) 2)直耕者と横領者との対立認識へ(初期) 3)「耕知・正人」主体論の確立(中期) 4)「活真世に契ふ」過度社会論(晩期) 5)複始回帰史観から巨視的発展史観へ---小活。   3、吉田徳寿著「安藤昌益  直耕思想いま再び」を読む ~ジャーナりストによる昌益論と昌益をめぐる群像の探訪~ 。  //  (2010.07.23刊   A4版35頁   )


「互生共環NO.31」    1、行基と親鸞と安藤昌益の矛盾観 ~矛盾観思想史上の三代結節・所論~  1)日本弁証法思想史の遡上 2)行基の社会活動におけいる対立観と和合観 3)親鸞の矛盾観~人間観と浄土観~ 4)安藤昌益の矛盾観~自然互生と法世矛盾~ 5)500年の巨視的結節性。  //   2、  安藤昌益の声韻循環と言語論  1)三十六韻・自然音韻論(早期) 2)五十韻・直耕音韻論(初期・中期) 3)四十韻・活真音韻論(晩期) 4)肉声言語論 5)文字再編論~片仮名・字解法・詩文論~小活。   // 3、寺尾氏の唯物弁証法論から受け継ぐものーーその肯定的理解から発展的展開へーー 1)弁証法則の一元化把握をめぐって 2)三文法と正反合と矛盾論理の異同 3)日本思想史上の否定観・発展観・矛盾観  4)一分為ニと一分為三と合ニ而一  5)寺尾氏による毛沢東矛盾論の問題点抽出 6)唯物史観上の複合矛盾認識~複合生産関係と連合政権  7)結語:寺尾氏の所論の発展的展開を。      (2010.03.16刊  A4版39頁)


「互生共環N0.29 」   1、 安藤昌益の自由概念・初探 ~支配者の専横と生産者の自由~   1)日本思想史に於ける自由概念変遷史研究の進展。 2)従来の昌益思想研究では、自由観の探索が欠落していた。 3)「自由」の語を介した儒仏道の「自由」批判  4)昌益の自由思想~社会的悪循環と思想的呪縛の否定 5)結論。 //  2、安藤昌益の人為循環と耕道論  1)循環継承論…人為活動の諸原則  2)人為環境論…人為圏と流域生態系  3)農工循環論…農業と手工業の並立  4)食生文化論…穀類・魚藻・果菜論  5)論理規範論…生産労働の論理化  6)小活…人為活動の原理と論理の確立~人為環と直耕道。  //     3、伊東俊太郎著作集から学ぶ ~自然概念の研究と安藤昌益の評価~  1)アカデミズムの側からの昌益への数少ない高い評価 2)昌益の「自然」概念に近代的実在自然観と現代的生成自然観をみる 3)世界の自然思想史、社会思想史の中に昌益を定位する事の必要性 4)「世界科学史」「比較文明史観」の視野は昌益思想研究にも有意義 5)結語。  //  2009,07,10発行、A4版35頁。


編集発行人::東京都東村山栄町2-23-4-401  東条栄喜