沖縄の在日米軍基地問題で「党の公約ではなかった」との発言に大きな批判が集中している鳩山首相。「マニュフェストに書いてないじゃん」では、済まされない大問題だということにご本人は気づいていらっしゃるのだろうか。
党首が公の場で発言したことを、「あ、それはボクの意見だから」なんて言われたら、民主主義そのものが成り立たなくなってしまうのではないでしょうか。
例えば、次の記事。昨年の総選挙直後の鳩山代表の記者会見です。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908300268.html
「すべてはこれからだと思っておりますし、単なる民主党の勝利だと思っておりません。やはり、国民の皆さんにとって、お暮らしが大変厳しくなっている。今の政治、何やっているんだとのお怒りが、民主党への期待感に結びついたということも間違いないことだと思っております。その意味では、謙虚に私どもとしては、いかにして国民の皆さんの方向を向いた政治というものを作り上げていくかということがすべてだと思います。」
出だしは謙虚なのですが、次からがいけません。
鳩山代表は、これに続いて「三つの交代」について発言しています。
一つは「政権の交代」。これは自公政権から連立政権に「政権交代」ができたということなので、問題はないのですが、あとの二つが問題です。
まず二つ目。「これは古い政治から新しい政治への交代だということも言えると思います。いわゆる政官業の利権にまみれた政治というものにさよならして、新しい、市民が中心となる政治を作り出していこうということの表れたと思っています。」
え~、鳩山さん、小沢さん、「利権にまみれた政治」をしておきながら、納得いく釈明さえしてませんよねぇ。
それから、三つ目。「これはいわゆる主権の交代でありまして、今日まで官僚任せ、いわゆる官僚主導、官僚主権の政治だと言われて参りました。それに対して「そうじゃないよ」と、国民が主役となる政治だと、国民主導の政治というものを作り上げていかなければならない。政治主導が必ずしも、国民の皆さんの主導になりきるかどうかということが逆に問われることだと思っておりまして、私どもとすれば、政治主導を国民主導の政治に変えていく、主権が明らかに国民の手に戻ったぞという国民主権の選択を国民の皆さんが自身の手でおこなっていただいたということであろうかと思います。」
う~ん たしかに民主党は「官僚政治を打破する」と言って総選挙をたたかいました。なのに国会の政府答弁は、これまでと同様に「官僚」答弁。官僚主導を変えてこの程度というのなら、政権担当能力はゼロと言ってもよいのではないでしょうか。
先日、「飴の中に毒」という表題で日記を書きましたが(→こちら)、自民党がやってきた政治の一番悪い部分にメスをいれてこそ「政権交代」が本領を発揮するのではないでしょうか。ところが自民党政治と同じ土俵の上で小手先だけ変えようとしているのが民主党政権のような気がしてなりません。
それとも、これも「党の代表としての私の意見でありまして・・・」と逃げるつもりなのでしょうか。
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