ひとりから始めるエコシフト

環境(エコ)について勉強中のビギナーが「ひとり」から始めたエコシフト。そんなエコライフをブログで紹介します。

朝まで・・・地球温暖化!

2008-01-26 14:24:05 | エコ一般
久しぶりに「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系列)を観た。田原総一朗氏が司会を務め、右翼や左翼、問題、宗教問題、日中問題など社会のタブーにまでテーマにする番組である。今回のテーマは「地球温暖化」。
パネリストには政治家、学者、科学者、NPOの代表がおり、その中には「地球温暖化」論に反対の立場を取る学者2人が入っていた。彼等が反論したポイントは次の点。
・地球温暖化の原因が人為的によるものより、他の場合(自然現象等)が大きい
・IPCCの研究発表結果が正確ではない
・京都議定書に定めた各国のCO2削減枠組みの根拠はいい加減だ
・自然エネルギーには限界がある
などなど。

●地球温暖化の原因
産業革命以降、特に20世紀後半からの人為的に排出されたCO2を含む温室効果ガス濃度の増大が昨今の異常気象や地球温暖化の原因になっている可能性がきわめて高い(90%の確度)ことをIPCCの第4次評価報告書で述べている。
これに対しての反論は、地球温暖化の原因として、人為的に排出された温室効果ガス濃度だけではなく自然現象他の原因によるものも多く、その比率など現在の研究範囲では特定できない。ましてや、IPCCが報告している実験の過程においていい加減なものが見受けれ、報告そのものが疑わしい。というものだ。
しかし、その反論も人為的に排出されたCO2を含む温室効果ガスが原因の1つであることは認めている。また、IPCCの研究の中にも素晴らしい研究が多いことも認めている。地球温暖化現象も人為的に排出されたCO2を含む温室効果ガスが原因の1つであることは認めるが、だからといって昨今の異常気象があたかも地球温暖化が原因で、この先数十年で地球が壊滅状態になるということには異論がある、ということだ。

●京都議定書の意味
京都議定書とは、1997年に京都で開催されたCOP3で採択された、CO2等の温室効果ガスについての排出削減義務などを定めた議定書のこと。
2008年から2012年までの5年間で1990年を基準年として温室効果ガスを先進国全体で5.2%削減することを義務づけ、日本も6%削減が義務付けされた。
ここでの反論(削減枠組みの根拠がいい加減である理由)は、今や米国を抜いて温室効果ガス排出1位となった中国やインドなど途上国が削減義務を負わないこと、当時の温室効果ガス排出1位の米国が批准していること、基準となった1990年はEUと日本では温室効果ガス排出状況が異なり日本に不利であること、この時に決まった京都メカニズムにより排出権売買という新たなマネーゲームを生んだこと等。
確かに京都議定書の内容には各国の思惑が見え隠れする。基準の1990年はヨーロッパでは東西ドイツの統一など共産国が民主化に流れた年である。一方、日本は既に企業をはじめ省エネ対策を実施し温室効果ガス排出量が十分減った成果が出ている年である。また、削減義務を決定した頃は中国やインドの経済発展の初期段階であった。マネーゲームという点では、排出権売買の大きな市場がEUには既に出来ており、売買で大きな利益を受けている企業もあると聞く。排出権売買市場において、米国や日本は大きな遅れをとり、日本の経済界は市場の導入に反対している。
しかし最近の状況を見ると、米国は地球温暖化問題に否定的だったブッシュ政権も大型台風の直撃による被害や世論が地球温暖化対策を支持することから方針が変わってきており、今行われている大統領選挙の一番のテーマが環境対策である。また政府と異なり、自治体の多くは環境対策に積極的だ。
また、中国でも北京オリンピック開催や最近増えた公害問題を配慮して、国を挙げて積極的な環境対策を指導している。
日本でも経済界は明確な削減義務や排出権売買市場の導入には反対しているが、企業や業界は積極的にCO2削減対策を実施している。中でも、トヨタ自動車はハイブリッド自動車を武器に環境に配慮した自動車に力を入れ、いまや世界第1位のGEを抜こうかという世界トップ企業になりつつある。まさしく、環境対策と利益追求が両立できることを証明してくれている。
確かに日本にとって不利ではあるが、達成不可能ということはないらしい。
排出権売買については、単にマネーゲームにならないように、実際の排出に貢献するよう今後検証していかなければならないと感じる。

●環境対策の効果
番組ではエネルギー問題に関する意見が多く交わされていた。

【原子力】
今の国内の消費電力維持を考慮した場合、原子力発電を使わず他の発電方法で電力を補うには相当無理があるらしい。従って、原子力発電所を今以上新しく作る必要はないが、稼働率を上げる必要があるというものだった。ただでさえ、地震や事故、報告内容の粉飾などで稼働停止している原子力発電所が多い状況にある。
以前このブログに書いたが、原子力発電を今後も維持させるなら、すべての情報の粉飾のない開示、危機対策プログラムの作成・訓練・公表などを明確にすることが必要条件と考える。

【バイオ燃料】
最近話題のバイオ燃料については、大豆やとうもろこしを使用したエタノールを使用する場合、燃やす時は確かにCO2は排出しないが、栽培する時に多くのCO2を排出するのでカーボン・ニュートラルにならない。その上、南米やアフリカでは食糧危機になったり、(大きな栽培面積が必要なため)森林伐採につながるなどの状況にあるという。
確かに、食糧危機や森林伐採を引き起こしてまで、化石燃料を補うための代替燃料を使う必要はないと考える。やるなら、廃材等食糧以外を使用したり、休耕田など食糧問題に影響しない土地で栽培する等を検討しなければならない。また、国の政策も食糧危機や森林伐採に考慮しなければならない。

【太陽電池】
太陽電池の利用において、一時日本がトップを走っていたが、現在はドイツに抜かれてしまった。ドイツでは太陽電池を利用して家や企業で溜めた電気を電力会社が高く買上げる制度が出来、効果を上げている。
太陽電池そのものの価格が高く、日本では導入しても元を取るのに数十年もかかることも利用が増えない理由だという。
太陽電池の場合、天候に影響されるのも不安定要因といえる。また、国の政策のよって左右されるのも分かる気がする。

【オフィスや家庭での環境対策】
エネルギー以外のオフィスや家庭での環境対策では、「CO2排出量の比率にして家庭から出るCO2なんて大した量ではないので、削減努力や工夫なんてする必要はない!」なんて思わないでください、とNPOの代表者が発言していた。
あるパネリストは、家庭で使用している家電製品を最新のエコ対策をしている家電製品に代えただけでCO2排出量が40%削減できた、と言っていた。
しかし、液晶テレビでも冷蔵庫でも大型になればそれだけ多くの電気量、CO2排出量が出ることを胆に銘じなければならない、と最近の家電の大型製品化に苦言を呈していた。
確かに、以前、稲城市でやった「CO2削減大作戦」でも40%近い成果を出していたことを考えれば、オフィスや家庭での環境対策は決して無駄ではないと思う。
逆に大きな力となるのではないか。

●まとめ
番組は夜の1時20分から4時20分まで3時間続いた。
もっと「地球温暖化」論に反対の立場を取る学者の意見を聞きたかった。
番組を見た範囲では、「地球温暖化」は確実に進んでいる。ただし、原因、詳細部分、将来的なことは分からないことや予想できないことが多いようだ。ということは逆に、これから効果のある対策を打つことで、「地球温暖化」のスピードを遅らせることは可能であること。
最後にパネリストの1人がいいことを言っていた。「環境対策は心技体が重要!」
心:ライフスタイルの見直し(家庭)
技:技術の進歩(産業)
体:政策の充実(政治)

これからも「心」:ライフスタイルのエコシフトの部分を中心にブログを展開しよう!と元気になった。実を言うと、最近のエコ粉飾問題で少々落ち込んでいたのだ。

●P.S.
「朝までテレビを見てるなんて、あなたのエコも?ね。」と奥さんにイヤミを言われた。
「朝まで・・・」は久しぶりだし、ストーブの設定温度も最低にしていたし・・・と自分自身に弁解した。


最新の画像もっと見る