本と映画の日々  そして、ゆめのつづき

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「嫌われ松子の一生」は、もう、ぶっ飛んでいる。 最高の映画だ。

2006年06月03日 | 日本映画

 中谷美紀

「嫌われ松子の一生」は、もう、ぶっ飛んでいる。 最高の映画だ。


「ムーラン・ルージュ」か、「シカゴ」か、
はたまた「親切なクムジャさん」

え!これが中谷・・!?

映画が始まって、まず びっくりした。
いままで中谷美紀が、コメディぽかったのは「ケイゾク」だが、
「嫌われ松子の一生」はもう、ぶっ飛んでいる。

「ホテルビーナス」のワイフ、「電車男」のエルメス、「力道山」の妻、
いままで、中谷は中谷のイメージのなかで、いろんな役を演じていた。

しかし、今回は“中谷”の枠を超え、自分の限界ぎりぎりまで、
松子を演じきっている。最高の演技だ。

しかし、それは結果であって、そこにいたるまでの、彼女の苦悩は深かった。



「あんたの感情なんかいらないんだよ!」と中島監督に暴言を吐かれ、
中谷は完全に切れて、こわれてしまう。

香川照之の連載エッセイ 日本魅録(79回)  
「お帰り、松子」
を読んでいると、中島哲也監督は、鬼かと思う。
「嫌われ中島監督の演出」だ。

“松子を演じた子役の女の子に比べ、
「中谷さんは寄り目とか何か面白くないんだな。すごく駄目」
とか何とか言いながら、ある日の午前中、そのひょっとこ顔を
中谷美紀に延々百回以上本番させていた・・・・“ キネマ旬報6月上旬号

百回・・・。
一度、中谷美紀を壊して・・・クラシュ&ビルド・・建て替える。

“ひょっとこ顔 百回”は、中谷美紀のプライドやら、看板女優という意識を
ぶっ壊すセレモニーだったのだ。

「下妻物語」の深田恭子や土屋アンナにもこんなスパルタを施したのだろうか・。
「嫌われ松子の一生」も、「下妻物語」も日常からはるかに、ぶっ飛んでいる。

その“非日常”を役者に出させるためには、

普通の演出とかでは生ぬるい、とことん追い詰め、

狂気すれすれの世界に、役者を持っていく。

「松子は“不思議の国のアリス”のように、
たまたま不幸な世界に迷い込んでしまった・・・
そういうファンタジーに見せたい。」 中島監督談

「クランクインのときに、監督に、私の病気なんですか?って聞いたんです。
そういうのって大切でしょ。そしたら監督そんなんしらねよって。」

         松子の妹役、市川実日子談

しかし作品が出来上がってみて、みんな納得した。
中谷美紀は、最初に自分のクレッジトが出たときには泣いていたという。

P.S.

中谷は映画がクランクアップしてからは、もう何もしたくなくなった。

転地療養を兼ねて、インドへと旅立つ。
あの過酷な映画現場を乗り越えられたのだから、
一人でインドに行くことなどなんでもない・・・。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TB&コメントありがとうございます。 (ゆかりん)
2006-06-06 21:08:49
こんばんは♪

中谷美紀の演技力にはびっくりです。

いろいろ大変だったみたいですが、頑張ったかいがあった作品ですね。
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>ゆかりんさん (hito2km)
2006-06-07 19:40:49


コメント ありがとうございます。



「嫌われ松子の一年」 中谷美紀著



が出ています。



原作「嫌われ松子の一生」は持っているので、

今度、あわせて、読むつもりです。









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