私が子供のころは、まだ一般家庭にテレビはなく、映画館が数少ない娯楽場のひとつだった。
が、学校には、許可された映画しか観てはいけないという、厳しい規則があった。
もし隠れて行ったのが発覚しようものなら、反省会で立たされて糾問される、そんな時代だった。
だから丁度今のこの時期、小学校卒業式から中学校入学式までの、
いわば宙ぶらりんの期間は、「どんな映画を観てもいいんだ!」とすごく解放された気分になった。
で、意気揚々と観に行った映画が、房錦の『土俵物語』だったから、我ながら笑える。
この映画は、房錦が現役の行司だった父親の反対を押し切って角界入門し、艱難辛苦の末に関取となり、
遂には父親の軍配で勝ち名乗りを受ける、という、感動の実話を映画化したもの。
房錦ご本人はもちろん、当時の有名力士が多数出演していたんじゃないかしら?
誰と観に行ったのかはよく覚えてないんだけど、たぶん祖父母だったと思う。
私の大相撲好きの原点は、ここら辺にあるのでしょうかね?