昨晩、わたしら三姉妹のグループLINEに妹からメッセージが入った。
「今日はみつる兄ちゃんの命日だよー」って。
「私も今日は色々思い出してたよ。」と返信した。
弟は73年前、両親の浪曲巡業中に旅先の淡路島の宿で亡くなった。
肺炎だったという。1歳4か月だった。
妹はまだ生まれていない。9歳の姉は学校があるから祖母宅で留守番。
4歳の私は一緒に旅をしていた。
幼い私には何が起こってるのか分からなかったが、
両親があたふたしていたのは覚えている。
父が楽飲みに水を入れて慌てたように通ったのは、
あれは末期の水だったのだろうか?
翌日だったろうか?母が小さな壺を開けて見せてくれた。
「これがみつるちゃんだよ。」って・・・。
お骨を見て、私は声を上げて泣いたそうだが、それは覚えていない。
だが、その光景を思い出すと今でも泣けてくる。
両親は知らない土地で、どんなに心細く辛かっただろうと・・・。
そういうことを妹と会話してたら、姉からもLINEが来た。
「巡業に出るときに、みつるが駅で泣いてしがみついて離れなかったんよ。
今生の別れだって分かってたんだろうね。思い出したら涙が出て止まらない。」って。
73年も経ってるのに忘れられないことってあるんだね。
母が生前しみじみと言ったことがある。
「私は好きな浪曲で苦労したんだから良いけど、あなた達には苦労させたねえ」って。
父も母も幼子を連れての旅回りは辛いこともいっぱいだったろうに。
特に母は目が不自由だったし。
そう思うと、私も泣けて仕方がなかった。
ブローディアが雨に濡れて咲いてる。