ふるさとのお茶の味 村茶季園(むらさきえん)

お茶を身近に感じてもらえるように、茶畑を中心にお茶の良さを伝えていきます。

この時期のお茶!

2014-03-26 23:29:14 | インポート

 今年もあと二カ月ほどで新茶の季節がやってきます。薫り高く若々しい「春の風味」を楽しみにしている方も多いと思います。もちろん端境期にあたる3月現在は新茶を楽しむことはできませんが、この時期に店頭に並んでいるお茶も、前年の新茶の時期に収穫された「一番茶」が多く並んでいます。
 昨年の4~5月中旬に摘まれた「一番茶」は、茶葉を蒸して揉んだ後に乾燥させた「荒茶」で熟成・保存し、出荷に合わせてその都度火入れ(焙煎)をします。菱和園でも定期的に私が立ち会い、火入れを行います。新茶は新鮮な香りと甘みを生かすため弱火で、冬に熱いお茶用に強火で、そして春は中火で火入れをしています。
 春まで熟成された荒茶は、新茶のように若く荒々しい香りや甘味はないものの、円熟され、まろやかなバランスのよいお茶に仕上がっています。このお茶は、お湯の温度は普段通りの適温で淹れますが、茶葉に対してお湯の量を少なめにして濃く淹れてください。まろやかな風味が凝縮され、嫌味が残らない後味がすっきりとした口当たりとなります。