皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

鷺栖神社と石田堤

2018-02-21 20:27:33 | 神社と歴史 忍領行田

 荒川左岸に位置する行田市門井町は元荒川水源近くに位置し、忍城水攻めの際に築かれた石田堤の西の端にあたります。当地の鷺巣神社は現在この堤後に建てられていて、小高い塚の上に立つ社殿の様子はことのほか美しく見えます。元は神明社と称し、いつのころからかこの社に鷺が飛来するようになり、棚田村の鷺栖神社から分霊し勧請したと伝わります。慶長期に社殿が構築されたとあるため江戸初期の頃です。その後大井村から分村し門井村となり、伊勢に倣い月読神社等を祀り、明治になって山神社、塞神社など合祀しています。主祭神は日本武尊。土地柄農耕治水の神として信仰されてといわれます。
 元荒川の氾濫から水の神として信仰され、口碑に江戸期久下村(熊谷市)の土手が切れ大水害となった際、この地では堤に神社を祀っていたため難を逃れたと伝わります。現在でも神社脇の道は狭く、JR行田駅からわずかの距離にもかかわらず、静かな環境です。この道の先に棚田神社があり、道沿いには道祖神、賽神が祀られ、それぞれ延宝七年、寛文十三年の年号が刻まれ、江戸期からの信仰が見て取れます。

農業地区から駅前の信仰住宅地に変化しつつも、最近行われた伊勢講、出雲講の石碑が建てられており、地域の神社に対する信仰の深さが分かります。
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