私は自分の老けた手が好きじゃなかった
人に見られたくない
やつれた老けた手だから
小学校低学年から親の工場の手伝いをしてた
シンナーの中に油がついた刃物を入れて油を落として塗装する
油だらけの刃物製品を素手で掴みシンナーに入れる
数分おいて素手で取り出す
刃物だから手先に傷ができる
シンナーもしみる
この作業を小学校低学年の子にさせてた親
シンナー中毒のような目眩もあった
気分が悪くなり座り込むこともあった
怖いから言う通りにしてた
手伝うことで評価されたかったんだろう
今、思えば、子どもの小さな手にさせるようなことじゃない
お手伝いじゃない
虐待
だから、手はみんなより荒れてたし、フワッとした肌の時もなかった
3年前、高校の友達らと会った時
みんなフワっとした手で
羨ましく、自分の手を隠すようにしてた
結婚して、何もしてくれない夫
3人を1人で育て
ずっと働いて、夫の自営も手伝い
年末年始は確定申告の事務作業に追われ
365日休みなし
これからは、老化で老けていく
この手を見て恥ずかしいと思わず褒めようという気持ちになってきた
よく頑張った
よく働いたと褒めたり慰めたり
フワっとした手になりたかったね
そういう人生じゃなかったね
工場の手伝いもして、弟の子守りもして
子どもでいれなかったね
そんなふうに愛おしみだしたら涙がボロボロ溢れてきた
ハンドクリーム塗っても
効果出てこないけど
少し愛おしむ
これまでの経験があったから
今の自分ができてるんだ！と思っても切ない
気温差でしょうか
季節の変わり目でしょうか
今晩は涙の日です
私の手
手のひらは手相とか見られるのが恥ずかしいので少し
