家の入口にスリーピングバッグが放置されている。
長女が
「片づけたいからそこに置いた」
と言ってから すでにかなりの日数が過ぎている。
家族のためのトータルライフなどのクラスに出席したことのある私としては
「一体いつまでほっとくつもりなの! さっさと片付けて!!」
と どなってしまうことはできないのだ。
娘の気持ちを大切にする賢明な母でありたい という ある種の欲があるので
「いつ片付けるつもりなの?」
と 優しく長女に問いかける。
彼女は天井をにらんで 約5秒の空白
片付けることなど すっかり忘れていることは見え見えだ。
「きょうやる」
と返事をしたので
はい、じゃあ今日中にやってね
と伝える。
まあ 何と私っていい対応ができるんでしょ と自己満足。
しかし 彼女はいっこうに片づける様子はない。
「ねえ、魚の入れ物 水濁っていると思わない?」
と 重たいのを表に持ちだして 中をせっせと洗っている。
それが終わったら やるのかなー と思っていたら
今度は娘が 本よんでーーとせがむので
ねっころがって ハナかっぱがどうの、カレーパンマンがどうしたの と
本を読んでやっている。
そのうちに
「あ、クラス始まっちゃう」
とそそくさと食事をし 彼女の娘の世話を次女に頼んで部屋に閉じこもる。
長女は現在 インターネットでクラスをとっているのだ。
私は食事の後片付けをしたり サンクスギビングの下準備などあたふたしているうちに
時間が過ぎた。
気づいたら 長女はもう深ーい眠りに入っている。
アナタは親をナメとるのか それとも大物なのか
私はブッチギレの一歩手前
明日の朝、
私はもう一度 いつやるの? と尋ねる冷静さがあるだろうか
愛は忍耐