この広い世界を。

可愛い歳月。
思ったことの記録。

楓。

2015-10-12 10:35:59 | ひとしずく。
楓の花言葉:「大切な思い出」


たとえばなにげない風景に、鮮明にいろんなことを思い出して、
とても泣きそうになって、それを我慢したりする。

たとえばそれが、BSの酒場放浪記だったり、とうちゃこの自転車旅だったり、
ミニつぶあんぱんだったり、コンビニの鈴カステラだったり、かりんとうだったり、
農協のうどんだったり、ドラッグストアで特売の緑のたぬきだったり、
本の折り目だったり、車の中に残されたポイントカードだったり、
自分のなかにあるちょっとした思考だったりします。

それらは特別なものではなくて、本当にふつうの日常だったもの。

本当になにげない、気にもとめないもの。

それがなによりも大切で幸せな風景だって知ったの。


ねえ、お父さん。

あなたがそちらに逝って今日で一年が経ちました。

痛くて苦しかったからずっと笑わなかったお父さん、そちらでは笑っていますか?
それだけが気がかりです。

生きてるときはそんな好きだったわけではないのにね、
彼岸でも来世でもやっぱり笑ってるあなたを祈るのです。


晩年は歩くことさえもままならなかった父の最後の願いは、

好きなときになんの気負いもなく、コンビニかなんかへ行って好きなものを買い、
そこで知り合いに会ったりして「よぉ」とかいったりすることでした。


それはなかなか深いものだなと、ときおり強く思い、しみじみするのです。